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「深夜3時、また掃除機の音がする」2年間ほとんど声を聞かない隣人。音が響く側の壁を見て気づいたこと

  • 2026.10.1
「深夜3時、また掃除機の音がする」2年間ほとんど声を聞かない隣人。音が響く側の壁を見て気づいたこと

2年間、一度も声を聞いていない隣人

私が夫と暮らしているのは、田舎の静かな住宅地です。道ですれ違えば、知らない人同士でも軽く頭を下げるような地域でした。

2年前、隣の一戸建てに新しい住人が越してきました。

年齢も家族構成も分かりません。ただ、駐車場や玄関先で顔を合わせることはあります。

「おはようございます」

最初のころは、会うたびに私から声をかけていました。

けれど、返事はありません。

聞こえていないのかと思ったこともありますが、相手はこちらに気づくと目を伏せるようにして、そのまま家へ入っていきます。

それが何度も続き、やがて私も無理に話しかけなくなりました。

考えてみれば、この2年間、私は隣人の声を一度も聞いたことがありません。

人の気配がするのは、決まって深夜だった

昼間の隣家は、とても静かです。

窓が開いているところもほとんど見たことがなく、外から人の話し声が聞こえてくることもありません。

ところが、夜中になると様子が変わります。

深夜2時や3時ごろ、掃除機をかけているような低い音が聞こえてくるのです。

しばらくすると音が止まり、そのあとには洗濯機が回っているような音が響くこともありました。

最初は「生活の時間帯が違う人なのかな」と思っていました。

しかし、何度も目を覚ますようになり、私は台所のカレンダーに時刻を書き留めるようになりました。

「2時20分」

「3時すぎ」

「3時ごろ、掃除機のような音」

気づけば、ひと月で10回を超えていました。

ある朝、夫がカレンダーを見て首をかしげました。

「これ、全部同じこと?」

「うん。隣の音。昨日も3時ごろに聞こえた」

「そんなにあるのか……」

夫も少し驚いていましたが、直接苦情を言うほどなのかは判断できませんでした。

毎晩ではありません。それに、昼間の隣家は相変わらず静かです。

だから私も、記録するだけにしていました。

音が聞こえる側には、窓がなかった

それから少したったある夜、私はまた音で目を覚ましました。

時計を見ると、午前3時。

掃除機のような低い音が響いています。

眠い目を閉じようとしたとき、ふと気づきました。

いつもより、音の方向がはっきり分かったのです。

私の寝室から見て、隣家側。

寝返りを打っても、音はそちらから聞こえてきます。

一度止まったあと、しばらくして再び低い音が始まりました。

翌朝、ゴミを出しに外へ出た私は、何となく隣の家を見上げました。

そこで足が止まりました。

昨夜、音が聞こえてきた方向の外壁には、1階から2階まで窓がひとつもなかったのです。

白い壁にあるのは、小さな換気口だけ。

もちろん、窓がないからといって、そこに部屋がないとは限りません。物置かもしれないし、水回りなのかもしれません。

それでも私は、しばらくその壁を見ていました。

「あっち側、窓がないんだね」

出勤しようとしていた夫も隣家を見上げました。

「ほんとだ。でも、中がどうなってるかなんて分からないだろ」

「……そうだね」

それ以上、話すことはありませんでした。

今も隣人とは、もめていません。

たまに駐車場で姿を見かけても、相手は以前と変わらず、声を発することなく家の中へ入っていきます。

私も、もう話しかけなくなりました。

ただ、カレンダーの記録だけは今も続いています。

夜中に目が覚めると、最初に時計を見てしまいます。

そして午前3時を回っていると、次に見るのは隣家側の壁です。

今夜も3時すぎ。

昼間は人の声ひとつ聞こえない、窓のない壁の向こうから。

また、掃除機のような低い音が聞こえ始めました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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