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「どうぞ、座ってください」満員電車で2度声をかけた学生。年配女性が席についたあと、隣の男性が立ち上がったワケ

  • 2026.9.19
「どうぞ、座ってください」満員電車で2度声をかけた学生。年配女性が席についたあと、隣の男性が立ち上がったワケ

窓ぎわの席から、学生が立った

40代の半ばだったころ、私は毎朝ほぼ同じ時刻の電車で会社へ通っていました。

その日も朝の車内は混み合い、つり革につかまって立つ人でいっぱいでした。窓ぎわの席には制服姿の学生が座り、膝の上に参考書を広げていました。

途中の駅で、年配の女性が一人乗ってきました。

小さな手提げを腕にかけ、空いている席を探すように車内を見回していましたが、座れる場所はありません。

女性は私から少し離れた場所のつり革につかまり、揺れるたびに足元を踏ん張っていました。

しばらくすると、窓ぎわの学生が参考書から顔を上げました。

女性のほうをちらりと見て、また本に目を落とします。

それでも気になるのか、少ししてもう一度顔を上げました。

やがて学生は参考書を閉じて鞄にしまうと、少しためらうようにして席を立ちました。

「あの…どうぞ、座ってください」

けれど、電車の走る音と車内のざわめきに紛れたのか、女性は気づきません。

学生は一瞬困ったような顔をしました。それでも少し前に出ると、今度は女性のほうを見て、もう一度声をかけました。

「すみません。ここ、どうぞ」

そこでようやく女性が振り向きました。

「あら、私?いいのかしら」

学生は少し照れたようにうなずきます。

「はい、大丈夫です」

「ありがとうね」と何度も頭を下げた

女性が席へ向かうと、周りにいた人たちも少しずつ体を寄せて道をあけました。

席の前まで来た女性は、学生に向かって一度頭を下げました。

「ありがとうね。助かるわ」

「いえ、そんな…」

学生は照れくさそうに笑いながら、空いたつり革を握りました。

女性は腰を下ろしてからも「本当にありがとう」と学生を見上げ、二度、小さく頭を下げました。

学生はますます恥ずかしそうな顔になり、「大丈夫です」と笑っていました。

その様子を見ていた私も、なんとなく頬がゆるみました。

しばらくして、女性の隣に座っていた男性が学生のほうを見ました。

すると席を立ち、空いた場所を手で示します。

「よかったら、今度は君が座る?」

学生は思いがけなかったのか、少し驚いていました。

「あ、ありがとうございます。でも、大丈夫です」

「そう?無理しないでね」

「はい。ありがとうございます」

男性はそれ以上勧めず、再び席に腰を下ろしました。

女性は膝の上で手提げを抱えながら、そのやり取りを見て穏やかに笑っていました。

誰かが大げさなことをしたわけではありません。

学生も最初から堂々としていたわけではなく、声をかけるまで少しためらっていました。それでも、一度届かなかった声をもう一度かけたことで、女性は席に座ることができました。

満員電車で少し疲れていた朝でしたが、その光景を見ていた私は、会社へ向かう気持ちがほんの少し軽くなったのを覚えています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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