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長引く咳やじんましん、「年齢のせい」で片づけないで。大人になって増える【かくれアレルギー】とは

  • 2026.9.18

長引く咳やじんましん、「年齢のせい」で片づけないで。大人になって増える【かくれアレルギー】とは

長引く咳や、繰り返すじんましん。「年齢のせい」「体質だから」と、気になる不調をそのままにしていませんか? 実は、そうした症状の背景に「かくれアレルギー」がひそんでいることも! 呼吸器・アレルギーの専門医、鈴木慎太郎さんの新刊『その不調、「かくれアレルギー」が原因かも』(あさ出版)からお届けする第1回は、大人になってから発症するアレルギーについて。

近年、アレルギーによる不調を抱える人が増えている

近年、アレルギーによる不調は、世界的に増えているといわれています。

日本でも、アレルギー性鼻炎や花粉症、食物アレルギー、重いアレルギー反応であるアナフィラキシーなどが、この数十年で増えてきました。

その背景には、生活環境の変化や、食生活の変化にともなう腸内環境の乱れ、大気中の微粒子(PM2.5など)への曝露(ばくろ/アレルゲンにさらされること)など、さまざまな要因が関係していると考えられています。

現在では、日本人の約2人に1人が何らかのアレルギーに関わる症状を持っているともいわれており、アレルギーはもはや、誰にとっても身近なものになっています。

こうしたアレルギーの増加とともに、「大人になってから発症するアレルギー」も目立つようになってきました。

多くのアレルギー疾患は、子どもの頃に発症する場合と、大人になってから発症する場合の大きく2つに分けられます。

例えば食物アレルギーは、かつては子どもの病気と考えられていましたが、近年では成人してから発症するケースも珍しくなく、全体の約半数を占めるともいわれています。

特に、甲殻類や小麦、果物などは大人になってから初めて症状が出ることがあります。

また、近年注目されている“おなかの症状”を主体としたアレルギー関連疾患である好酸球性消化管疾患は、全年代で以前と比べて増えています。

好酸球性消化管疾患のうち好酸球性食道炎は、中高年の男性に多いことが知られています。

そして、消化管に症状が現れるタイプの食物アレルギーは、成人人口の6%ほど存在すると報告されています。

こうした背景には、加齢にともなう体の変化があります。

年齢を重ねると免疫の働きは単に弱くなるだけでなく、炎症の調節がうまくいかなくなります。また、長年使ってきた消化管などの臓器は、飲食物や薬の影響、感染などによって粘膜のバリア機能が低下しやすくなります。

その結果、これまで問題なかったものに対しても体が過敏に反応し、アレルギー症状が現れたり、長引いたり、重くなったりする可能性があるのです。

中高年はアレルギー・アナフィラキシーが重くなりやすい

アレルギーは、年齢によってその現れ方や重さは大きく変わります。

特に中高年では、見過ごせないリスクが潜んでいます。

食物アレルギーや薬剤アレルギー、ハチなどの昆虫毒によるアレルギーでは、ときに全身に強い症状が現れることがあります。これを「アナフィラキシー」といいます。

アナフィラキシーはどの年代でも起こり得ますが、特に高齢者では重症化しやすく、死亡率が高いことが知られています。実際に、国の統計でも、アナフィラキシーによる死亡の多くは成人、特に高齢者に集中しています。

その背景には、いくつかの要因があります。

心臓や血管の病気をもともと持っていること、高血圧の治療で使われる薬(β遮断薬やACE阻害薬など)の影響、さらに症状を「大したことはない」と軽く見てしまうことなどが、重症化につながっていると考えられています。

また、ぜんそくについても注意が必要です。吸入薬の普及によって、発作で救急受診する人や死亡者は減少しましたが、それでもなお毎年およそ千人超が亡くなっており、その多くは高齢者です。

このように、アレルギーは年齢とともに軽くなるとは限らず、むしろ重く現れることがあります。

高齢化が進む日本においては、決して見過ごすことのできない問題です。

これまで症状が軽かったから大丈夫、という考えは危険です。

年齢による体の変化を踏まえ、アレルギーとの向き合い方を見直すことが、重症化を防ぐ第一歩となります。

※この記事は『その不調、「かくれアレルギー」が原因かも』鈴木慎太郎著(あさ出版刊)の内容をウェブ記事用に再構成したものです。

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