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職場の先輩「適当にやってて」→仕事中にYouTube視聴で呆れ顔…発達障害の“認識のズレ”

  • 2026.9.16
【漫画】本編を読む 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
【漫画】本編を読む 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

「はかりの上に物を置かないでね」と注意されただけなのに、「責められた」「攻撃された」と感じて涙が出てしまう。そんな“伝わり方のズレ”を描き、ウォーカープラス配信時に大きな反響を呼んだ漫画を再掲載。発達障害当事者としての経験を発信している春野あめ(@AmeHaruno)さんの『発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた』より、「case.04 ちょっとした言葉を攻撃と感じる」を紹介。自身の特性と向き合いながら制作した本書について聞いた、当時のインタビューとともに改めてお届けする。

※本作は著者の闘病体験を描いたコミックエッセイです。紹介している病状や治療の経過には個人差があり、医学的な見解を代弁するものではありません。気がかりな症状がある場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。

発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(2) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(2) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(3) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(3) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(4) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(4) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

曖昧な指示でフリーズ…すれ違う「適当」のニュアンス

幼い頃から人間関係がうまくいかず、さまざまなトラブルに悩まされていたという春野さん。「なんでできないの?」と責められても自分でも理由がわからず苦しんできた。

本書では、発達障害による“認識のズレ”を具体例とともに描いている。たとえばcase.01では、仕事中に手が空き、先輩から「適当にほかのことやってて」と言われた場面が登場する。しかし、「適当にできる仕事」が思い浮かばず、結果的にYouTubeを見てしまいあきれられてしまう。曖昧な指示から相手の意図をくみ取ることが難しいという特性が、職場でのすれ違いにつながっていたのだ。

ちょっとした注意を「攻撃」と脳内変換してしまう苦悩

「ちょっとした言葉を攻撃と感じる」をテーマにしたcase.04では、物を片付けている際、「はかりの上に置かないで!」と注意されるシーンが描かれる。相手は「精密機械だから置きっぱなしにするのはよくない」と説明するが、春野さんは注意として受け取れず、「責められた」「攻撃された」と感じて涙が出てしまう。

発達障害は「なんで失敗を繰り返すの?」「わざとやってるの?」と誤解されやすい。しかし当事者はそのたびに傷つき、過去の失敗体験まで連鎖的に思い出してしまうこともあるという。

春野さんは、診断されてから自分の特性や二次障害と向き合えるようになるまで8年かかったと振り返る。本書では「なぜそんな行動をしてしまうのか」「どうすればトラブルを減らせるのか」を、自身の経験をもとに整理している(監修:臨床心理士・中島美鈴さん)。

診断の有無より「自分を知ること」が自己理解への第一歩

本書を描いたきっかけについて、「当事者は周りから理解を得にくく、二次障害を起こしてトラブルが増えていく。特性からのトラブルも多い」と編集者に話したことが始まりだったと春野さんは語る。編集者からの提案を受け、「いろんな人に知ってほしい」という思いから執筆を決意した。

「もしかして私も発達障害かも」と悩んでいる人へ向けて、春野さんは「悩んだら、すぐに心療内科に行ってみてください!発達検査を受けられるなら受けてみてください!」とメッセージを送る。一方で、「診断はあってもなくてもいいです!まず自分にはどんな特性があるのかを知ることが大切」だと強調する。

「どこでつまずいてきたのか、自分でも気づいていなかったトラウマは何なのか。一歩一歩、自分を知っていくことが大切だと思っています。今回の漫画が、自己理解のちょっとした足しになったらうれしいです」

本書にはそのほか「人との距離感がおかしい」「自覚なく人を不快にさせてしまう」など、ASDやADHD傾向にまつわる13のケースも収録。“生きづらさ”に悩む人にとって、自己理解のヒントになる1冊といえそうだ。

取材協力:春野あめ(@AmeHaruno)

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