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「行かないでほしい」と言えないまま見送った俺→彼女が本に残した言葉で、月に1度の予定ができました

  • 2026.9.16
ハウコレ

本を鞄に入れて持ち帰り、部屋で表紙をめくりました。本に挟まれた紙に残っていた彼女の字は、見送りの場では口にされないままだった頼みごとでした。

改札の手前で足を止めた彼女に、俺は結局本音を言えませんでした。

相談ではなく報告でした

付き合って3年、彼女とは同じ町で働いていました。休みの日は俺の部屋にいることが多く、帰るときは外まで出て見送るのが癖になっていました。その部屋で「来月から、向こうの店に移ることになった」と言われたとき、俺は「そっか。決まったんだ」と返しました。頭の中では「行かないでほしい」を何度も並べていました。それでも、決まった仕事に口を挟む男だと思われたくありません。カップを流しへ運びながら、自分の口の重さに腹が立ちました。

箱に入らなかった本

荷造りの日、俺は彼女の本を箱に詰めていました。途中で彼女が手を伸ばし、1冊だけ抜き取ります。3年前に俺が貸したまま、彼女の棚に仕舞われていた本でした。「この本、返すよ」と言われて、俺は「持っていけば」と返しました。彼女はテープで箱の口を留め、その話はそこで終わってしまいました。要らないという意味だろうと思い、俺はその本を鞄に入れて持ち帰りました。

改札の前に残ったもの

駅まで送りました。彼女がキャリーの持ち手を伸ばして、こちらを向きます。ここで引き止めればいいと、自分に言い聞かせました。ところが口から出たのは「気をつけて」だけです。彼女は「うん」と言って改札を抜けていきました。振り返りはしません。

そして...

部屋で鞄から本を出し、表紙をめくりました。そこに挟まっていた紙に、彼女の字でメッセージがありました。「月に1度でいいから、会いに来てほしいです」。駅では聞かなかった頼みでした。月に1度会いに行こうと思っています。いつか同じ部屋で暮らしたいという気持ちも、今度は自分の言葉で伝えるつもりです。

(20代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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