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「駅で見かけたんですか?」別部署の男性が知っていた、話していない行動。避けた私に「最近さ、俺のこと避けてる?」と聞かれた

  • 2026.9.16

話していないことを、当てられた

5年前に勤めていた会社は三階建てで、私の部署は二階、その人の部署は一階にあった。

四十代の男性で、廊下ですれ違えば会釈をする、それだけの間柄だった。

ある朝、給湯室で背中から声をかけられた。

「昨日は帰るの、遅かったね」

「ああ…そうですね。少し残ってました」

「九時十五分くらいだったでしょう?」

思わず手が止まった。前の日に会社を出たのは、たしかにその時刻だった。

「え、よく分かりましたね」

笑って返したものの、少し引っかかった。退勤時間をその人に話した覚えはない。

おかしいと思い始めたのは、それが続いたからだ。週に四回ほど、私が話していないことを何気ない調子で口にされるようになった。

「今日はコンビニ、寄らなかったんだね」

「…はい。今日はまっすぐ来ました」

別の日には、昼休みが終わったころに声をかけられた。

「今日は外に出なかったんだ?」

「ええ。中で食べました」

「珍しいね」

当たっているからこそ、どう返せばいいのか分からなかった。

そして、その月だけで三度、同じ言葉を聞いた。

「昨日は帰るのが遅かったね」

気味が悪いとは思ったが、どれも「たまたま見かけた」と言われれば、それまでの話でもある。私自身、誰かに相談するほどなのか迷っていた。

駅のホームまで見られていた

秋の初め、廊下ですれ違ったときの一言で、背中が冷たくなった。

「最近、駅でよく携帯見てるよね」

思わず相手の顔を見た。

「え…駅で見かけたんですか?」

「うん。いつもだいたい同じところに立ってるでしょう」

「そうでしたか……全然気づきませんでした」

それ以上聞くのが怖くて、その場では笑ってごまかした。

別の日には、休憩室で携帯の地図をこちらへ向けられた。画面に映っていたのは、私の最寄り駅の一つ手前だった。

「家って、この辺のほうじゃない?」

「……いや、そこまで近くないですよ」

「あ、そうなんだ」

相手はそれ以上何も言わず、携帯をしまった。

その日から、昼休みの時間を三十分ずらし、帰りも別の路線を使うようにした。

数日後、廊下で呼び止められた。

「最近さ、俺のこと避けてる?」

胸が詰まった。

「え? いや…そんなことないですよ」

「ならいいんだけど。最近、全然会わないから」

「たまたまだと思います」

なるべく普通の声でそう答えて、その場を離れた。

その後は必要以上に話をしないようにし、帰宅する時間や道も少しずつ変えた。

私はその翌年に転職して、それきりその人とは会っていない。

今の会社の帰り道で駅のホームに立つときも、ふと思い出すことがある。電車を待ちながら、私はいまだに一度だけ後ろを振り返る。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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