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「石川県立航空プラザ」は圧巻の飛行機展示と屋内大型遊具の人気施設 【入場無料】

  • 2026.9.15

石川県の小松空港に隣接する「石川県立航空プラザ」は、日本海側にある唯一の航空博物館。小型飛行機からジェット戦闘機まで17機もの実機を展示するほか、前・政府専用機の貴賓室、航空機の歴史や仕組みなどの紹介パネルなど、見どころは非常に多い。しかも、入場料は「無料」である。

加えて、本物の「YS-11」シミュレーター体験は人気が高い。国内最大級の飛行機型遊具がある屋内子ども向け広場は天候に関係なく遊べるため、地元の子連れおでかけスポットとしても定着している。

石川県立航空プラザは日本海側で唯一の航空博物館
石川県立航空プラザは日本海側で唯一の航空博物館

まずは「展示室」で航空機の歴史や飛ぶ仕組みなどを学ぼう

石川県立航空プラザは、1995年(平成7年)に設立され、年間25万人が訪れる。航空博物館としての展示に加え、屋内に子ども向けの遊び場があることで、休日は多くの家族連れでにぎわう。

小松空港から徒歩約5分。飛行機出発前の待ち時間に訪れる旅行客もいる
小松空港から徒歩約5分。飛行機出発前の待ち時間に訪れる旅行客もいる

小松空港から徒歩約5分。飛行機出発前の待ち時間に訪れる旅行客もいる。

航空関連の展示は、まずは2階の「展示室」から見学したい。航空機の歴史が、日本そして世界の著名人や有名な飛行機などとともに詳しく紹介されている。

2階の展示室。パネルでの紹介や模型が多くて理解が深まる
2階の展示室。パネルでの紹介や模型が多くて理解が深まる

「(各飛行機で)地球一周にかかる時間」「飛行機は20世紀最大の発明!?」「この人たちのことを知っていますか?」など、いずれもイラスト付きでわかりやすい。子どもだけでなく大人でもじっくり見入り、あらためて知ることができる内容がそろう。展示パネルの説明にはふりがながついているので、親子で楽しみながら学ぶことができる。

展示する「玉虫型飛行器」は、二宮忠八が製作した模型飛行機のレプリカ
展示する「玉虫型飛行器」は、二宮忠八が製作した模型飛行機のレプリカ

たとえば、最初に展示されている「玉虫型飛行器」(復元模型)は、日本の航空史におけるパイオニア的存在の二宮忠八が、1893年(明治26年)に完成させた、有人飛行を想定した模型飛行機だ。

二宮忠八は、日清戦争で軍の上官に何度も上申しては却下され、軍を辞めて独自で研究、開発に取り組んだ。もし軍で上申が受理されていたら、アメリカのライト兄弟が初飛行したと報じられるより時期が先で、航空機の歴史が変わっていたかもしれないという。

航空機の歴史に関する展示。ふりがな付きで子どもから大人まで学べる
航空機の歴史に関する展示。ふりがな付きで子どもから大人まで学べる

続いて、神話と伝説、挑戦者、パイオニア(先駆者)と、時代ごとのわかりやすいパネルと模型も合わせて展示する。「ライト兄弟の歩み」「スピリット・オブ・セントルイス号」など、映像での紹介コーナーもある。さらに、2度の戦争での時代に活躍した飛行機や、現在も活躍する民間機まで網羅する。

「飛ぶ仕組み」「飛行の原理」などもわかりやすく展示する
「飛ぶ仕組み」「飛行の原理」などもわかりやすく展示する

さらに、昭和レトロの飛行機プラモデル、航空機で実際に使われたタイヤも展示。このフロアの展示室だけでも、じっくり見ると半日は余裕でかかる。

前・政府専用機の「貴賓室」展示! 機内の紹介パネルも

1992年(平成4年)から2019年(平成31年)まで運用されていた、前の政府専用機。そのボーイング747-400型機の機内に設置されていた「貴賓室」の実物展示がある。

前・政府専用機の「貴賓室」が見られるのは貴重
前・政府専用機の「貴賓室」が見られるのは貴重

貴賓室を使ったのは、歴代の天皇陛下や総理大臣(首相)ら。海外訪問時の滞在スペースとして、当時使われたという。その実物とともに、機首の上に日本国旗を掲揚する方法や、政府専用機の機内まで詳しく紹介されているのも、一般人が乗る機会のない飛行機なだけに、誰しも興味深いだろう。

一般になじみがない政府専用機についての紹介パネルもある
一般になじみがない政府専用機についての紹介パネルもある

この政府専用機が引退したあと、航空自衛隊が無償貸与での展示場所を当時募集した。多くの応募があった中で小松市が選ばれ、そして今、展示されている経緯がある。

本物のフライトシミュレーターで飛行操縦体験

石川県立航空プラザで最も人気といっても過言ではないのが、YS-11A型機の「フライトシミュレーター」だ。全日本空輸(ANA)で実際に使われていたシミュレーターで飛行体験ができるのが、航空ファンにはたまらないという。

ANAのパイロット訓練で実際に使われたフライトシミュレーター体験
ANAのパイロット訓練で実際に使われたフライトシミュレーター体験

そのほか、簡易シミュレーターも7台ある。より気軽に体験できるため、これも人気がある。

民間機では、現在の政府専用機として運用されている「ボーイング777」型機をはじめ、ジャンボ機の愛称で今も親しまれる「ボーイング747」型機、小松空港にも飛来する小型機の「ボーイング737」型機など。

2階にある簡易シミュレーターも人気。英語バージョンもある
2階にある簡易シミュレーターも人気。英語バージョンもある

また、航空自衛隊の主力機で小松基地にも配備されている「F-15戦闘機」、館内に展示する「ピッツS-2B」で曲技飛行の体験などもできる。英語対応のシミュレーターもあり、訪日外国人客(インバウンド)にも好評という。

簡易な航空管制体験ができるシミュレーター。マウスを使って指示を出
簡易な航空管制体験ができるシミュレーター。マウスを使って指示を出

さらに、航空管制のシミュレーターもある。無料で体験でき、本格的な管制機器を前に座って、着陸してくる、また離陸する飛行機をうまく操作する体験も貴重だ。

ジェット戦闘機やヘリコプターまで!17機もの実機展示

1階の実機展示場は、館内と屋外を含め、17機もの実機が展示されている。まず、上の2階から館内を眺めたあと、下に降りてじっくり1機ずつ見るのがいい。

2階から見える1階の実機展示場。館外にも2機の展示がある
2階から見える1階の実機展示場。館外にも2機の展示がある

展示機は、三菱重工が1964年(昭和39年)に製造し、その後、南西方面の防空任務についていた「F-104J」スターファイター迎撃戦闘機、ロッキード社と川崎重工が共同開発したジェット練習機「T-33A」、第2代ブルーインパルスチーム使用機「三菱T-2」など。

「F-104J」は航空自衛隊が1960年代に導入。圧倒的な上昇力とマッハ2の速度で「人間が乗ったミサイル」と称された
「F-104J」は航空自衛隊が1960年代に導入。圧倒的な上昇力とマッハ2の速度で「人間が乗ったミサイル」と称された

「F-104J」は航空自衛隊が1960年代に導入。圧倒的な上昇力とマッハ2の速度で「人間が乗ったミサイル」と称された。

「T-33A」は戦闘機のパイロット養成に使われたジェット練習機。2000年まで航空自衛隊で使用
「T-33A」は戦闘機のパイロット養成に使われたジェット練習機。2000年まで航空自衛隊で使用

また、南極観測に使われた多用途軽飛行機「ピラタスPC-6B」、ほかの飛行機と形が違って車輪を出したまま飛ぶ「ドルニエDo28A-1」、アメリカでセスナ社と並ぶ軽飛行機ビーチクラフト社が製造した傑作機「ビーチクラフト E-33」、富士重工が製造してT-2に続く3番目の国産練習機として活躍した「T-3」などもある。

「ドルニエDo28A-1」軽飛行機はドイツ製。国連の依頼でネパール奥地の航空写真測量に派遣された経緯で「ヒマラヤ」の愛称が付く
「ドルニエDo28A-1」軽飛行機はドイツ製。国連の依頼でネパール奥地の航空写真測量に派遣された経緯で「ヒマラヤ」の愛称が付く
「ビーチクラフト E33 ボナンザ」は航空大学校などで訓練機として使用された軽飛行機
「ビーチクラフト E33 ボナンザ」は航空大学校などで訓練機として使用された軽飛行機

階段を上ってコクピットが見られる展示機もいくつかある。さらに、各展示機の解説に加え、「ブルーインパルス機3代の塗装」の違いや「T-2アクロ・マニューバー」などは丁寧かつわかりやすく、初心者からマニアまで納得できる紹介内容となっている。

航空自衛隊のブルーインパルスは現在3代目。初代、2代目と合わせて塗装の違いなど展示
航空自衛隊のブルーインパルスは現在3代目。初代、2代目と合わせて塗装の違いなど展示

「空の仕事」を知るコーナー、空港や基地の紹介やジオラマ展示も

操縦士(パイロット)、客室乗務員、グランドハンドリングスタッフ、航空整備士など、「空の仕事」を紹介するコーナーも充実している。それぞれの仕事が展示パネルや動画などで紹介され、航空会社の制服や制帽、機内食で実際に使用されている食器なども見られる。

空港で空の安全を守るおもな仕事(右)と、航空自衛隊小松基地の紹介コーナー
空港で空の安全を守るおもな仕事(右)と、航空自衛隊小松基地の紹介コーナー

中央には、小松空港/航空自衛隊小松基地のジオラマもある。最寄りにある「小松空港はどんな空港?」という紹介パネルもわかりやすく、開業時期や立地、滑走路の長さはもちろん、懐かしいパンフレットや航空模型も展示する。

「航空自衛隊 小松基地」では、基地の役割や部隊の紹介、現在配備されている主な戦闘機、航空機などを紹介し、子ども向けにクイズのパネルも設置している。

国内最大級の飛行機型遊具や航空グッズが充実する売店も人気

展示機が並ぶ横にあるのが、子ども広場「ぶ~んぶんワールド」。国内最大級の飛行機型遊具を備え、子どもたちの歓声が響く。屋内にあり、天候に関係なく遊べるので、家族連れに好評だ。

子ども広場「ぶ~んぶんワールド」にある国内最大級の飛行機型遊具
子ども広場「ぶ~んぶんワールド」にある国内最大級の飛行機型遊具

1階のエントランスにある売店・喫茶コーナー「クルーズ」は、特に、売店が「航空グッズがとても充実している」と航空ファンには有名な、知る人ぞ知る店だ。店内そして店の外にも、自衛隊や民間機など飛行機のグッズがぎっしりと並び、文具や雑貨など手軽な価格の商品も多い。海上自衛隊のカレーや缶パンなどの食品もあり、お土産を調達するのにもおすすめだ。

売店・喫茶コーナー「クルーズ」では特に航空グッズが充実している
売店・喫茶コーナー「クルーズ」では特に航空グッズが充実している

小松空港から徒歩約5分。飛行機に乗る前後で立ち寄るのにちょうどいいスポットのため、最近では海外からの旅行者が飛行機が出発するまでの待ち時間に滞在して楽しむケースも増えているという。飛行機はあまり詳しくない初心者からすでによく知っているマニアまで、また、小さな子どもからお年寄りまで楽しめる無料のこの施設に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

■石川県立航空プラザ

住所:石川県小松市安宅新町丙92

電話:0761-23-4811

営業時間:9時~17時

定休日:年末年始(12月29日~1月3日)

入館料:無料(一部のシミュレーション装置は有料)

取材協力=石川県立航空プラザ

取材・文・写真(クレジット掲載以外)=シカマアキ

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