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「遺産は1円も渡さない」葬儀の日に言われた伯母。だが、祖母の世話を任せきりにした親族が知った遺言の内容

  • 2026.9.15

祖母の世話を担っていたのは、伯母と従兄弟だった

父方の祖母は、自宅とその周りの土地を持っていました。

親族が集まると、ときどきその土地の話が出ることもありました。

従兄弟の母は、父の兄の妻で、私の伯母にあたります。

結婚してこの家に入ったころから、夫や祖母に「遺産目当てなんじゃないか」と言われることがあった人でした。

伯母の夫が事故で体を悪くしてからは、夫の世話をしながら、祖母の買い物や通院の付き添いまで引き受けるようになりました。

ほかの親族にもそれぞれ仕事や家庭がありましたが、結局、祖母のところへ頻繁に通っていたのは伯母でした。

法事などで祖母の世話が話題になると、こんな言葉が出ることもありました。

「そっちは近いんでしょう?悪いけど、またお願いできない?」

「うちも仕事があるから、平日はなかなか動けなくて」

伯母は少し困ったように笑いながら、

「分かりました。行ける日は私が行きます」

と答えていました。

従兄弟も、仕事の合間を見つけて祖母の家へ通っていました。

私が手伝いに顔を出した日、台所では従兄弟が洗い物をしていました。

「母さん、もういいよ。あとは俺がやるから」

「でも、まだ買ってきたものも片づけてないし」

「それもやるよ。少しくらい座ってなって」

伯母は「じゃあ、ちょっとだけ」と言って、ようやく椅子に腰を下ろしました。

その後、伯母の夫が亡くなりました。

祖母が亡くなったのは、その翌年のことです。

葬儀を終えて親族控室に戻ったとき、父の弟にあたる叔父が伯母を呼び止めました。

「義姉さん、ちょっといい?」

伯母が振り返ると、叔父は少し言いにくそうに続けました。

「今まで母さんのことをやってくれたのは分かってるよ。でも、それと相続は別の話だから」

伯母は戸惑った顔をしました。

「…急に、どうしたんですか?」

「いや、あとで変な話になるのも嫌だから。義姉さんに遺産が渡る話じゃないってことは、分かってるよね」

そして叔父は、念を押すように言いました。

「遺産は1円も渡さない。そのつもりでいて」

そばにいた叔母も、気まずそうに口を挟みました。

「お世話してくれたことには、本当に感謝してるのよ。ただ、それと相続は別だから……」

伯母はしばらく黙っていました。

やがて、

「私は、お金の話なんて一度もしていませんよ」

と静かに答えました。

親族が知った、祖母が残していた意思

その後、祖母が生前に公正証書遺言を残していたことが分かりました。

相続の手続きを進めるため、親族が集まり、弁護士から内容について説明を受けることになりました。

祖母の息子である伯母の夫は、祖母より先に亡くなっています。そのため、その子である従兄弟も祖母の相続に関わる立場でした。

親族が驚いたのは、そのことではありませんでした。

祖母が、自宅と土地について従兄弟に相続させる意思を、遺言の中ではっきり示していたことです。

叔父が書面を見ながら尋ねました。

「…家も土地も、あの子にということですか?」

弁護士は落ち着いて答えました。

「遺言にはそのように記されています。ただし、実際の手続きについては、ほかの相続人の権利関係も確認しながら進めることになります」

「母が、そこまで決めてたなんて…」

叔父はそう言ったきり、黙って書面に目を落としました。

伯母も何も言いませんでした。

ただ、隣に座っていた従兄弟のほうを一度見ていました。

それからしばらくすると、それまで祖母のことを伯母たちに任せていた親族から、従兄弟へ連絡が来るようになりました。

「土地のこと、一人でやるのは大変だろ。何かあったら言ってくれよ」

「分からないことがあれば、こっちでも手伝えるから」

従兄弟はその場では「ありがとうございます」とだけ返していました。

後日、相続について確認するため親族が再び集まったとき、従兄弟が静かに口を開きました。

「ひとつだけ、聞いてもいいですか」

親族の視線が集まりました。

「母が祖母のところに通ってたとき、『大丈夫?』『何か手伝おうか』って声をかけてくれた人、この中にいました?」

すぐに答える人はいませんでした。

従兄弟は少し間を置いてから、首を横に振りました。

「……すみません。責めたいわけじゃないんです」

そして、手元の書類をそろえました。

「ただ、これからのことは母とも話します。必要なことは弁護士さんに確認しながら進めます。それでお願いします」

叔父も、それ以上は何も言いませんでした。

帰り際、伯母は玄関で靴を履きながら小さく息をつきました。

「私、ずっとやらなきゃって思ってたから……なんだか変な感じ」

従兄弟は伯母のそばで立ち止まりました。

「もう母さん一人で抱えなくていいよ」

「そうだね」

伯母は少しだけ笑って、うなずきました。

祖母が残したものをどうしていくのか。その後も手続きや話し合いは続きました。

それでも、伯母が親族の都合まで一人で背負い続ける関係は、そこでようやく一区切りつきました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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