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「そこ通れるだろ。自分で勝手に跨いで通れよ」バスの車内で通路を塞いだ男性。だが、運転手の一言で状況が一変

  • 2026.9.12
「そこ通れるだろ。自分で勝手に跨いで通れよ」バスの車内で通路を塞いだ男性。だが、運転手の一言で状況が一変

通路の真ん中に、大きなスーツケースが横倒しになっていた

平日の夕方、路線バスに乗っていたときのことです。座席はひととおり埋まっていましたが、立っている人はまだそれほど多くありませんでした。

車内の中ほどを見ると、大きなスーツケースが通路を横切るように置かれていました。持ち主らしい窓側の男性は、携帯を見たままです。

次の停留所で、杖をついた年配の女性がゆっくり乗ってきました。空いている席はスーツケースの向こう側にあります。

女性は荷物の前で立ち止まり、男性に声をかけました。

「すみません。少し荷物を寄せていただけますか」

男性はようやく顔を上げました。

しかし、スーツケースに手を伸ばすことはありません。

「そこ通れるだろ。自分で勝手に跨いで通れよ」

思っていたより大きな声で、近くにいた乗客も何人かそちらを見ました。

女性は何も言い返さず、片手で手すりをつかみながらスーツケースを越えようとしました。

ところが足が十分に上がらず、体がぐらりと傾きます。

「大丈夫ですか」

近くの乗客が声をかけ、女性は前の座席の背もたれにも手をついて、なんとか体勢を戻しました。

そのままゆっくり荷物の横を抜け、空いていた席に腰を下ろします。

私はその様子を見ながらも、突然のことで声をかけられませんでした。

信号待ちの車内に、運転手さんの声が流れた

少し走ったところで、バスが赤信号に引っかかりました。

車体が止まり、少し間があったあと、車内放送のマイクが入りました。

「お客様にお願いいたします。通路のお荷物は、足元など通行の妨げにならない場所へお願いいたします」

誰の荷物なのかは言いませんでした。

男性は一度顔を上げましたが、そのまま携帯へ視線を戻します。

すると、もう一度マイクが入りました。

「通路にお荷物がありますと、転倒などにつながるおそれがあります。安全のため、ご協力をお願いいたします」

今度は、近くの乗客も何人かスーツケースのほうを見ました。

男性は周囲を見回し、ようやく携帯を伏せます。そしてスーツケースの持ち手をつかむと、キャスターを転がして自分の座席の前まで引き寄せました。

「ありがとうございます。それでは発車いたします」

運転手さんの声が流れ、バスが再び動き出しました。

男性はスーツケースを両脚の間に置き、それからは通路へ出すことはありませんでした。

女性が降りる停留所が近づいたとき、私は思い切って声をかけました。

「さっき、大丈夫でしたか」

女性は少し驚いたあと、ほっとしたように笑いました。

「はい。ちょっと怖かったですけど…運転手さんが言ってくださって助かりました」

「転ばなくて本当によかったです」

女性は小さくうなずき、杖を手に取って降りる準備を始めました。

男性はその二つ先の停留所で、スーツケースを引いて降りていきました。

大きな言い争いにはなりませんでした。それでも、誰かを名指しして責めるのではなく、安全のために必要なことだけを伝えた運転手さんの対応が、強く印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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