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「じゃあ俺が嘘ついてるってこと?」肉の量をめぐって続いたやり取り。帰り際、店員が見せた表情

  • 2026.9.10

番号を待つあいだ、外はもう暗かった

今年の初め、仕事帰りに駅ビルのうどん屋へ入りました。食券を渡し、番号を呼ばれたら料理を受け取る店です。

夕方で、店内はほぼ満席でした。

少しして、近くの席に肉うどんが運ばれてきました。

ところが、器をのぞき込んだ男性が、すぐに店員さんを呼び止めたのです。

「ちょっと。これ、肉少なくない?」

店員さんは一度器を見てから、落ち着いた声で答えました。

「申し訳ありません。こちらは決められた分量でお作りしています」

男性は納得しませんでした。

「いや、昨日も食べたんだよ。昨日より少ないだろう」

「毎回同じ分量になるようにお作りしております」

「だから、見たら分かるだろ。明らかに少ないじゃないか」

声が少しずつ大きくなり、近くにいた何人かがレジのほうを見始めました。

店員さんは困ったように一度息をついて、それでも声の調子を変えませんでした。

「気になるようでしたら、お作り直しいたしますが…」

すると男性は、さらに眉を寄せました。

「そういうことじゃないんだよ。肉が昨日より少ないだろう。これで同じ値段って、詐欺だろう」

店員さんの表情が固まりました。

「申し訳ありません。ただ、こちらとしては決められた分量でお出ししておりまして…」

「じゃあ俺が嘘ついてるってこと?」

「いえ、そういう意味ではありません」

「だったらまず謝ってよ」

やり取りは、そのあとも数分続きました。

私は自分の番号を呼ばれても、しばらく席を立てませんでした。近くの客も、気になっているのか何度もそちらを見ています。

店長が選んだのは、言い争わないことだった

やがて奥から店長らしい方が出てきました。

男性はその人にも、同じことを繰り返しました。

「昨日より少ないって言ってるだけなんだよ。なのに、ずっと『同じです』って言うんだよ」

店長は器を確認し、少し考えてから頭を下げました。

「不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。こちら、少し追加してお持ちします」

男性はまだ不満そうでしたが、ようやく席へ戻りました。

しばらくして、肉を追加した器が運ばれてきます。

男性はそれを見ると、小さく息を吐きました。

「…最初からこうしてくれればよかったんだよ」

店長は「申し訳ありませんでした」とだけ答えました。

本当に最初の肉が少なかったのか、私には分かりません。

ただ、店員さんが何度も「決められた分量です」と説明し、それでも話が収まらず、最後には店長が別の対応を選んだ。その流れだけは、目の前で見ていました。

帰り際、返却口の近くにいた先ほどの店員さんと目が合いました。

私は迷った末、小さな声で言いました。

「大変でしたね」

店員さんは一瞬驚いた顔をして、それから少しだけ笑いました。

「……ありがとうございます」

それ以上は何も言いませんでした。

店としては、混んでいる時間にこれ以上やり取りを長引かせたくなかったのかもしれません。店長が肉を追加した理由も、私には分かりません。

ただ、声を荒らげた人の要求だけが最後に通ったように見えて、なんとも言えない気持ちになりました。

今でも飲食店で店員さんが困った顔をしているのを見ると、あの日の「……ありがとうございます」という小さな声を思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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