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見どころは死喰い人!「ハリー・ポッター」シリーズの振付師に聞いた、スタジオツアー東京の特別企画「闇の魔術のハロウィーン」のオススメポイント

  • 2026.9.9

「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター(以下、スタジオツアー東京)」にて、9月10日(木)から11月8日(日)まで、開業以来初となるハロウィーン特別企画「闇の魔術のハロウィーン」が開催される。

【写真を見る】「ハリー・ポッター」シリーズの振付師ポール・ハリスが、デスイーターの振付や杖を用いた戦闘シーンを披露

特別企画「闇の魔術のハロウィーン」は、9月10日(木)~11月8日(日)までの期間限定で開催 All characters and elements [c] & ™ Warner Bros. Entertainment Inc. WB SHIELD: [c] & ™ WBEI. Publishing Rights [c] JKR.
特別企画「闇の魔術のハロウィーン」は、9月10日(木)~11月8日(日)までの期間限定で開催 All characters and elements [c] & ™ Warner Bros. Entertainment Inc. WB SHIELD: [c] & ™ WBEI. Publishing Rights [c] JKR.

本企画では、映画「ハリー・ポッター」シリーズに登場する闇の帝王ヴォルデモート卿と、その配下である死喰い人(デスイーター)が支配する “闇の魔術(ダーク・アーツ)” の世界観をテーマに、スタジオツアー東京が不穏な魔法界へと姿を変える。期間中は、魔法省のセットでスタジオツアー東京初のライブパフォーマンス「デスイーター デモンストレーション」が行われるほか、館内のいたるところに死喰い人(デスイーター)たちが出現。象徴的なセットのひとつである大広間では、映画『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)のハロウィーンシーンを思わせる幻想的な装飾に一新され、空中に浮かぶジャック・オー・ランタンやテーブルいっぱいのお菓子が、ハロウィーン気分を盛り上げる。さらに、プロジェクションマッピングで演出されるホグワーツ城の模型も期間限定仕様で、吸魂鬼(ディメンター)が漂う恐ろしい世界へと変貌。闇の魔術の世界を臨場感たっぷりに体験できる企画となっている。

スタジオツアー東京が死喰い人(デスイーター)に占拠され、闇の魔術が渦巻く危険で不穏な世界へと変貌…! Warner Bros. Studio Tour Tokyo – The Making of Harry Potter.
スタジオツアー東京が死喰い人(デスイーター)に占拠され、闇の魔術が渦巻く危険で不穏な世界へと変貌…! Warner Bros. Studio Tour Tokyo – The Making of Harry Potter.

このたび、特別企画「闇の魔術のハロウィーン」で初登場するデスイーター デモンストレーションの振付け・演出を担当するイギリスの振付師、ポール・ハリスが来日。映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)よりシリーズに参加し、映像化にあたり、原作のエッセンスを活かしながら、魔法界ならではの杖の動きや、魔法使いたちの構えや動き、感情表現に至るまでを生み出したハリスに、死喰い人(デスイーター)の不気味な所作を表現する秘訣や、魔法使いたちの杖の構えや動きをどのように創りだしたのか、そして、本特別企画の見どころについてもたっぷりと語ってもらった。

【写真を見る】「ハリー・ポッター」シリーズの振付師ポール・ハリスが、デスイーターの振付や杖を用いた戦闘シーンを披露
【写真を見る】「ハリー・ポッター」シリーズの振付師ポール・ハリスが、デスイーターの振付や杖を用いた戦闘シーンを披露

今回の来日ではハロウィーン企画の振付け指導だけではなく、個人向けディナープラン「ホグワーツディナー」にて、日本で初めて杖を使った戦闘パフォーマンスを披露したというハリス。日本のファンの熱量を直に感じることができたと笑顔を見せる。「100%の熱量でコスプレをしてくれる人がいると、パフォーマンス中に巻き込みやすいので本当にうれしいです。さらに、そういった方たちはその喜びを楽しみながらこちらにも返してくれるので、本当にすばらしいと思っています」と日本のファンの印象を語る。

「『闇の魔術のハロウィーン』の演出では、強い音楽的なスキルが必要になる」

いろいろなポーズを見せてくれた
いろいろなポーズを見せてくれた

映画での振付けと、今回の「闇の魔術のハロウィーン」や「ホグワーツディナー」でのライブパフォーマンスの演出では、表現方法や演出の工夫に違いがあるのかを尋ねると、「大きな違いのひとつとして、ライブパフォーマンスで死喰い人(デスイーター)を演じるには、ある程度のフィジカルなスキルが必要です。映画の場合は、ダンサーもいれば、スタント系の方、演劇をバックグラウンドにしている方など、いろいろな方が演者として参加しています。映画では必ずしも音楽的なスキルは必要ないけれど、ライブパフォーマンスの場合は、強い音楽的なスキルが必要になるのです」と映像とリアルなパフォーマンスでの表現で大きな違いとなる要素を指摘する。もうひとつの大きな側面が「ボイスオーバー」とのマッチングだ。ライブパフォーマンスでは「音楽とセリフを物語に合わせなければいけません。今回は日本語のセリフになるので、日本語を話すボイスアクターが必要になりました。ラッキーなことに、ボイスアクターをお願いできる方が近くで見つかって。彼は僕がいた演劇学校の元生徒さんで日本人。日本をベースに活動しているので、音楽に合わせて、さらに物語に合わせてセリフを言うということを可能にしてくれました。パーフェクトな表現を追求することができてとても感謝しています」。

「監督から『10年後に世界中の子どもたちが(杖の構えや動きを)真似をするよ!』と言われた」

「どんなポーズがいい?」と尋ねてくれる場面も
「どんなポーズがいい?」と尋ねてくれる場面も

ハリスがシリーズ5作目『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』へ参加することになった経緯はデイビッド・イェーツ監督からのオファーだった。イェーツ監督との出会いは、役者として活動していたハリスにスパイス・ガールズ、カイリー・ミノーグといったアーティストの振付けを手掛けるエージェントから、振付けの仕事に興味がないかと声がかかったことだという。当時は役者として活躍していきたいと思っていた時期で受けるかどうかを保留にしていたのだが、その3か月後にある映画用の脚本が届いた。

「それが1997年のこと。そして脚本を読んで48時間後には飛行機に乗ってロケ地に向かっていました。その映画の監督がデイビッド。彼のアクセントが気になったので、出身を尋ねたら僕と同じ街の出身だとわかって。すごい縁だと思いました」とイェーツ監督との出会いを振り返る。「それからしばらく経って、君にピッタリの仕事がある!と言われて紹介されたのが『ハリー・ポッター」でした」と語ったハリス。「だから彼とは20年以上の付き合いになります。すごく印象に残っているのは、『ハリー・ポッター」の企画の話をするなかでデイビッドが『10年後に世界中の子どもたちが(杖の構えや動きを)真似をするよ!』って。当時は誰もそういうビジョンを持てていなかったけれど、デイビッドには完全に見えていた。撮影最終日に、だから君が必要だった!と言われた時は、うれしいと同時に納得しかなかったです」。20年経った現在でも新しくクリエイトする仕事ができていることについては「シリーズがそれだけ愛されていることの証」とニッコリ。

「監督から『ダンスのようでなければいけない』『優美さと芸術性が必要である』とリクエストがあった」

カメラに向かって杖を振るお茶目なハリス
カメラに向かって杖を振るお茶目なハリス

杖の戦いの演出は、どのようなものからインスピレーションを受けていたのだろうか。「すでに映画シリーズのなかで使われている動きがありました。セブルス・スネイプ教授(アラン・リックマン)とギルデロイ・ロックハート教授(ケネス・ブラナー)がとっていた杖の構えや動きにはすごく顕著なポジションがあって、それは踏襲する必要がありました。彼らはフェンシングや舞台の殺陣(ステージコンバット)から教わったのだと思います」と、映画シリーズのなかで使われていた動きも採用した上で演出を考えていったと明かす。イェーツ監督からは、「ダンスのようでなければいけない」「優美さと芸術性が必要である」というリクエストもあったという。

ビシッとポーズを決めるハリス
ビシッとポーズを決めるハリス

そんななか、「ある呪文に対する動きを考えてほしいといわれたのですが、映画と原作を確認した上で、その表現を考えるのは難しいと答えました。そう答えた大きな理由は、シリーズのなかで過去に登場した呪文で、既に身体的な動きがほとんどなく表現されていたからです。また、若きハリー・ポッターとマルフォイが戦うシーンのなかでも、2人は違う呪文を口にするのに、同じポジションをとっているパターンもありました。つまり僕が言いたいのは、1つの呪文と1つのポジションを紐づけることはできないと考えたということです。そこで、もしバレエの様にすべてが5つの基本ポジションから生まれるとするならば、この作品にも同じように応用できるはずだ」と本質的な部分についての自分の考えを伝えたという。ハリスが考えたインスピレーションの1つは、「どんなに複雑な振付けであっても、バレエは5つのポジションから派生している」という概念だ。

さらにハリスは続ける。「もう1つ頭にあったのは、当時、僕の娘が伝統的な中国武術『虎鶴双形拳(Tiger Crane Kung Fu)』をやっていたことです。バレエのポジションのいくつかが、カンフーの基本的なポジションと共通していることに気付きました。なので、コンテのイメージや、これまでの映画のビジュアル、監督の『ダンスのようにしてほしい』という要望、そして僕のバレエとカンフーに対する理解。これらをすべて組み合わせたもの、それが僕のインスピレーションでした。これが見事に着地しましたね(笑)」と充実感を滲ませた。

ハロウィーンイベントでは、館内のいたるところに死喰い人(デスイーター)たちが出現する
ハロウィーンイベントでは、館内のいたるところに死喰い人(デスイーター)たちが出現する

日本のカルチャーで影響を受けているものや、興味を持っているもの、さらに日本の作品で興味のあるバトルシーン(殺陣など)の演出についても訊いた。「ハリー・ポッター」の振付けに日本文化は使っていません。日本の武術と中国の武術がどのくらい交差しているか具体的にはわかりませんが、僕はどちらかというと中国武術のほうに馴染みがありました。数年前に『People Just Do Nothing: Big in Japan』という映画をやりました。一部のシーンは東京で撮影されています。僕は来日しませんでしたが、アシスタントが来日し、その映画の俳優に振付けをするなかで、歌舞伎の動きを取り入れています。日本にも以前来たことがあり、福岡の『九州バレエフェスティバル』でバレエの振付けをしたこともあるので、日本の文化にはとても興味を持っています。まだまだ知らないこともたくさんあると思っています」。

スタジオツアー東京開業以来初となるハロウィーン特別企画「闇の魔術のハロウィーン」の見どころも教えてもらった。「観客それぞれが自分なりの楽しみ方をしてくれることを望んでいます。ある人はスペクタクル(壮大な演出)を楽しむでしょうし、ある人はキャラクターの個性に魅力を感じるでしょう。人によって見方は違います。私はただ、目の前で起きていることを楽しんでほしいと思っています。そのなかには、デスイーターのパフォーマンスを怖いと思う人がいるかもしれません。でも、それも含めて体験として楽しんでほしいです!」。

取材・文/タナカシノブ

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