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欧米カップルに広がる“DIY Wedding”【ウエディング・パーティ最旬トレンド】vol.96

  • 2026.9.8
Sasha Souza Events

手作りは、節約ではなく「ふたりらしさ」を表現する時代へ

欧米のウエディングを見ていると、ここ数年あらためて存在感を増しているのがDIYウエディングです。DIYとは「Do It Yourself」の略。つまり、ウエディングの装飾やペーパーアイテム、ギフト、演出の一部を、カップル自身が手作りしたり、友人や家族と一緒に準備したりするスタイルです。

もちろん、以前からDIYはありました。しかし今の欧米カップルにとってのDIYは、単なる節約術ではありません。むしろ、自分たちの価値観、思い出、趣味、家族とのつながりを、結婚式の中に表現するという意味合いが強くなっています。

欧米で人気のブライダルメディア『The Knot Worldwide』の「2026年リアル・ウエディングから学ぶ」というコーナーでも、アメリカのカップルの結婚式では「パーソナライゼーション」や「価値観を反映した選択」が大きなテーマになっており、宗教・文化的要素、環境配慮、地産地消などを取り入れるカップルが増えていることが紹介されています。DIYもまさにこの流れの中にあるといえます。

DIYを楽しむカップルは、どこに魅力を感じているのか?

ふたりで旅行した場所などの写真を添えた短冊がお出迎え。 Sasha Souza Events

さて、欧米のカップルがDIYに魅力を感じる理由は、大きく3つあります。

1.“私たちらしさ”を形にできること。

たとえば、初デートの場所をイラストにした招待状、家族写真を使ったウエルカムディスプレイ、ふたりの旅の思い出をテーブルナンバーの代わりに使用するなど、既製品では出せないストーリーを込めることができます。これは、結婚式を通して少しでも自分たちのことを知ってもらいたいという、欧米カップル共通の考えの表れです。

2.予算の使い方を自分たちでコントロールできること。

すべてをプロに任せるのではなく、「ここは手作りする」「ここはプロに任せる」と選ぶことで、写真、料理、会場、ドレスなど、本当にこだわりたい部分に予算を振り分けやすくなります。もっとも、DIYは時間も手間もかかるため、「安く済むから」というだけで始めると意外と大変。だからこそ、今の欧米では手作りしたい理由がある部分だけをDIYするという考え方が主流になっています。

3.準備そのものが思い出になること。

欧米では、ブライズメイドや家族と集まり、席札やプチギフト、装飾小物などを一緒に手作りする“DIYナイト”のような時間を楽しむカップルもいます。これは単なる準備作業ではなく、結婚式までの時間を大切な人たちと共有する、もうひとつのウエディング体験といえるでしょう。

欧米ではブライズメイドとひと晩を過ごし、DIY準備をする花嫁も。 Victoria Angela Photography

日本のDIYとの違いは?

日本でも、ウエルカムボード、席札、プロフィールブック、ムービー、プチギフトなどを手作りする花嫁は多く、メディアでも結婚式のために手作りするアイテムとして紹介されています。特にペーパーアイテムやウエルカムスペース、ゲストへのメッセージなど、丁寧さやおもてなしを伝えるDIYが人気です。

一方、欧米のDIYは、もう少し空間全体や体験そのものを自分たちで作る方向に広がっている印象があります。たとえば、自宅やガーデンでのウエディング、納屋や倉庫を使ったラスティックな会場づくり、友人が司式者を務める挙式、家族が作った焼き菓子、手書きの誓いの言葉、ヴィンテージ家具を持ち込んだラウンジなど、DIYの範囲がより広いのです。

カラフルなペーパーポンポンで彩られたエントランス。 Sasha Souza Events
レセプションの最中にふたりが落ち着けるソファチェアを持ち込むカップル。 Sasha Souza Events

日本のDIYが「きれいに整えた手作りアイテム」だとすれば、欧米のDIYは「多少ラフでも、その人たちらしい世界観を作る」感覚に近いかもしれません。完璧に仕上げることよりも、ふたりの物語が伝わることが大切にされています。

いま欧米で人気のDIYアイデア

1.手書き&手作りのペーパーアイテム
ふたりのイニシャルによるボードをゲストブックとして利用。完成したボードは新居にディスプレイして楽しむことも。 Sasha Souza Events

招待状、席札、メニューカード、誓いの言葉カードなどを、ふたりの世界観に合わせてデザインするスタイル。最近はCanvaやCricut(家庭で使える小型のデジタル裁断機)のようなデジタルツールを使い、プロ仕様に近い見た目に仕上げるカップルも増えています。Cricut関連のDIYトレンドでも、2026年は「ひとつの流行に合わせる」より、さらにパーソナルなウエディングを作る方向が注目されています。

2.ゲスト参加型のウエルカム演出

ゲストがメッセージを書き込むカード、ポラロイド写真を貼るゲストブック、ゲストの指印による葉で完成させるウエディング・ツリーなど、当日にゲストに参加してもらうDIYも人気です。日本でもウエルカムスペースの一部として取り入れやすく、ゲストとの距離を縮める演出になります。

3.サイン&フォトスポット
セルフサービスの飲み物を用意し、メニューを手描きで添えるだけで温かみが生まれます。完璧に整えすぎない手作り感が、欧米DIYウエディングらしい魅力。 Sasha Souza Events

ウエルカムサイン、バーサイン、席次案内、フォトブースの背景などは、DIYの中でも特に人気の高いアイテムです。『The Knot』の2026年装飾トレンドでも、テーブル上のメモやミニアート、ポラロイドなど、感情的なつながりを生む“記憶に残る小物”が注目されています。

4.思い出を飾るメモリーコーナー
ふたりが旅した写真や旅先の絵葉書で作られたメッセージボード。 Yoshiyuki Kohara

家族の結婚写真、祖父母の写真、ふたりの旅の写真、ペットの写真などを使って、ウエディングの中に「人生の時間」を飾るスタイル。欧米では、亡くなった家族を思うメモリアルテーブルとして設けられることもあります。単なる装飾ではなく、ふたりの背景をゲストと共有する、とても温かなDIYです。

5.手作りのプチギフト

小瓶に入れたジャム、ハチミツ、スパイス、紅茶、キャンドル、石けんなど、持ち帰れるギフトを手作りするアイデア。大切なのは高価であることではなく、「ふたりが選んだ理由」が伝わること。地元の素材や旅先の思い出に結びつけると、より欧米らしいストーリー性が生まれます。

6.DIYフラワー&装飾で
ウエルカムスペースでは手作り感満載のエスコートカードがお出迎え。 Sasha Souza Events

すべての装花を自分たちで用意するのは大変ですが、ウエルカムスペース、チェア装飾、小さな一輪挿し、キャンドル周りなど、一部だけをDIYする方法は取り入れやすいです。欧米では、ドライフラワー、押し花、リボン、布、ヴィンテージの花器などを使い、既製品にはない手の跡を残す装飾が好まれます。

7.家族や友人が参加する、“人のDIY”

欧米らしいと感じるのは、物だけでなく、人の関わり方もDIY化することです。友人が司式をする、家族がデザートを作る、兄弟が音楽を演奏する、友人がブーケを束ねる。プロに任せる完成度とは違う、関係性そのものが演出になるのです。

日本で取り入れるなら、全部手作りではなく“一点集中”で

日本の皆さんへのご提案です。私は「全部をDIYしよう」とは言いません。結婚式の準備はただでさえ忙しく、手作りに追われすぎると、本来の楽しさが失われてしまうこともあります。おすすめは、一点だけふたりらしさが伝わるDIYを取り入れること。
たとえば、ゲスト一人ひとりへの手書きメッセージ。ふたりの旅をテーマにした席札。家族写真を使ったウエルカムコーナー。披露宴後にゲストへ渡す小さな手作りギフト。こうしたアイテムは、豪華でなくても心に残ります。

欧米のDIYウエディングから学べるのは、「上手に作ること」よりも、なぜそれを作るのかを大切にする姿勢です。きれいに整った既製品も素敵ですが、そこに少しだけふたりの手が入ることで、結婚式はぐっと温度を持ちます。

おふたりの物語を伝えるDIYという視点を加えてみてはいかがでしょうか。

最後に余談ですが、こちらは、スター・ウォーズの大ファンという新郎が作ったブートニア。ランの花に、金色のドロイドのミニフィギュアを合わせ、フォーマルな胸元にさりげなく自分らしさを忍ばせています。

Sasha Souza Events

好きな映画やキャラクターをそのまま大きく見せるのではなく、小さなディテールとして取り入れる。この遊び心も、欧米らしいDIYウエディングのひとつです。

Photos:Sasha Souza Events、Victoria Angela Photography

※この記事は2026年8月31日時点のものです。

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