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トウモロコシ&スイカは「食べ合わせ最悪」って本当?「おなかを壊す」といわれる“意外な理由”【医師が解説】

  • 2026.9.6
スイカとトウモロコシは食べ合わせが悪い?(画像はイメージ)
スイカとトウモロコシは食べ合わせが悪い?(画像はイメージ)

暑い時期に食べられる機会が多いトウモロコシとスイカ。「トウモロコシとスイカは一緒に食べない方がいい」「食べ合わせが悪く、おなかを壊す」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

この組み合わせには本当に医学的、栄養学的な問題があるのでしょうか。金沢駅前内科・糖尿病クリニック(金沢市)院長で、糖尿病専門医の小倉慶雄さんに聞きました。

「食べ合わせが悪い」という科学的根拠はなし

結論から言うと、健康な人が通常の量のトウモロコシとスイカを一緒に食べることについて、「食べ合わせが悪い」「避けるべき」とする確立した医学的、栄養学的根拠はありません。

食べ物には古くから「食べ合わせ」「合食禁」などと呼ばれる考え方があります。

しかし現代医学では、「特定の2種類の食品を組み合わせるだけで消化不良や病気が起こる」と一律に考えるものではありません。

トウモロコシには炭水化物や食物繊維、たんぱく質、脂質などが含まれています。トウモロコシに含まれるデンプンや非デンプン性多糖類、たんぱく質、脂質については、通常の食品として消化・吸収されることが研究されています。

一方、スイカは水分を多く含む果物で、糖質のほか、リコピン、アミノ酸の一種であるL-シトルリンなども含まれています。この2つの食べ物を同時に摂取したことで有害な反応が起こるという科学的根拠は、現時点では確立されていません。

実際、食品や栄養については、個々の食品だけではなく、食事全体の組み合わせや摂取量を考えることが重要とされています。

なぜ「一緒に食べるとおなかを壊す」といわれる?

では、なぜトウモロコシとスイカは「食べ合わせが悪い」といわれてきたのでしょうか。1つ考えられるのは、食べ合わせそのものではなく、一度に食べる量や、その人の胃腸の状態です。

トウモロコシには食物繊維が含まれている一方で、スイカは水分が多いのが特長です。そのため、普段より多量に食べたり、もともと胃腸が弱っていたりすると、「おなかが張る」「便が緩くなる」といった症状が出る人はいるかもしれません。

ただし、それは「トウモロコシとスイカを組み合わせたから毒性が生じた」という意味ではありません。

例えば、トウモロコシとスイカ由来の食品成分を組み合わせた食品研究も行われていますが、両者を組み合わせること自体が有害であるとは報告されていません。従って、「この2つを同時に食べると消化器に悪影響が出る」という考えを、医学的事実として扱うのは適切ではないでしょう。

基本的には、体調に問題がなければ何もする必要はありません。「食べ合わせが悪いと聞いたから」と心配して、食事を抜いたり、別の食品を避けたりする必要もありません。

また、特定の食品を食べることでトウモロコシやスイカの影響を「中和する」といった医学的に確立された方法もありません。普段通り、バランスのよい食事を心がければ十分です。

もし一度にたくさん食べて胃もたれや腹部膨満感などがある場合には、無理に追加で食べず、胃腸の状態に合わせて食事量を調整するとよいでしょう。

下痢や腹痛が起きたら「食べ合わせ」と決めつけない

トウモロコシとスイカを食べた後に腹痛や下痢が起きた場合、「やっぱり食べ合わせが悪かった」と考えたくなるかもしれません。

しかし、実際には食べ過ぎだけでなく、感染性胃腸炎、食中毒、他の食品への反応など、さまざまな原因が考えられます。特に次のような症状が出た場合には、「食べ合わせの問題」と自己判断せず、医療機関への相談を検討してください。

【医療機関への相談を検討すべき症状】・強い腹痛が続く・繰り返し嘔吐(おうと)する・下痢が続き、水分がとれない・血便がある・発熱を伴う・ぐったりする、尿量が減るなど脱水が疑われる

糖尿病などで血糖値が気になる場合は「組み合わせ」より量に注意

トウモロコシにもスイカにも炭水化物が含まれるため、糖尿病などで血糖値を管理している人は、「この2つを一緒に食べてよいか」よりも、一度に摂取する炭水化物の総量に注意することが大切です。

食事による血糖値への影響は、単一の食品だけではなく、食事全体の量や構成によって変わります。最近の研究では、炭水化物を含む食品を食事の後半に食べることで食後血糖の上昇が穏やかになる可能性も検討されていますが、研究はまだ限定的です。

スイカについても、それ自体を一律に避ける必要があるわけではありませんが、食べる量によって摂取する糖質量は増えます。

血糖管理が必要な人は、「食べ合わせが良い・悪い」という考え方ではなく、自分に適した一食当たりの炭水化物量について主治医や管理栄養士に相談するとよいでしょう。

昔から伝わる「食べ合わせ」には生活の知恵として興味深いものもあります。何度も強調しますが、現代の食生活では、特定の組み合わせを怖がるよりも、食事全体の量やバランス、そして自分自身の体調に目を向けることが大切です。

【参考文献】・Ai Y, Jane JL. Macronutrients in Corn and Human Nutrition. Compr Rev Food Sci Food Saf. 2016.・Burton-Freeman B, et al. Watermelon and L-Citrulline in Cardio-Metabolic Health: Review of the Evidence 2000-2020. Curr Atheroscler Rep. 2021.・Jacobs DR Jr, et al. Food synergy: an operational concept for understanding nutrition. Am J Clin Nutr. 2009.・Harvard Health Publishing. Is food sequencing worth a try? 2026.

オトナンサー編集部

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