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「レジに誰もおらんかったんじゃ!」隣の店の商品を持ってきた客。数日後、隣の店の店員から聞いた事実

  • 2026.9.5

カウンターに置かれたのは、うちの品ではなかった

ショッピングセンターの中にある、小さな衣料品店で働いていました。

三十代で、平日の昼はたいてい一人で店番をしています。

すぐ隣にも衣料品店がありますが、入っている会社は別です。

同じ通路に似たような棚が並んでいても、もちろん会計はそれぞれの店です。

その日の昼下がり、年配の男性のお客様がレジにいらっしゃいました。カウンターに置かれたのは、衣類の入った箱です。

「こちら、お会計でよろしいでしょうか」

「そうじゃ」

商品を確認すると、ついていたのは隣の店の値札でした。

私は、店を間違えてしまわれたのだと思いました。隣同士ですから、そういうことがあっても不思議ではありません。

「すみません。こちら、隣のお店の商品なので、うちのレジではお会計できないんです」

そう伝えると、お客様は少し不満そうな顔をして言いました。

「レジに誰もおらんかったんじゃ!だから隣に持ってきた」

怒鳴られたわけではありません。ただ、少しムッとしたような口調でした。

私は一瞬、戸惑いました。こちらでは会計できないことを説明しただけなのに、どうしてそんな言い方をされるのだろう、と思ってしまったのです。

「申し訳ありません。お会計はあちらでお願いできますか」

お客様はそれ以上何も言わず、箱を抱え直して隣の店へ歩いていかれました。

私はその後ろ姿をレジの中から見送りました。間違った案内をしたわけではありません。それでも、なぜか少し引っかかるものが残りました。

数日後、通路での立ち話で分かったこと

数日後、開店前の通路で隣の店の方と立ち話をする機会がありました。

入荷が遅れているという話をしていたとき、その方が何気なく言いました。

「うちは昼の交代で、引き継ぎとかで5分ほどレジが空くことがあるんです」

その言葉を聞いた瞬間、私はあの日のお客様を思い出しました。

「レジに誰もおらんかった」と言われたとき、私はてっきり、会計を断られたことへの不満を口にされているのだと思っていました。

けれど、実際に隣の店ではレジが空く時間があると知り、見え方が少し変わりました。

あの日、本当にその時間と重なっていたのか、男性がどのくらい待っていたのかまでは分かりません。ただ、あの言葉が単なる言い訳だったとは限らなかったのです。

私が見ていたのは、商品についている値札でした。けれど、お客様にはその前に何か事情があったのかもしれません。

それ以来、同じように別の店の商品を持ってこられたときは、すぐに間違いだと決めつけず、「向こうのレジに店員はいませんでしたか」と一度事情を聞くようにしています。

会計できないという答え自体は変わりません。それでも、その人がなぜこちらへ来たのかを少し聞くだけで、こちらの受け止め方も変わるのだと感じた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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