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「今の私、ニコール・キッドマンみたい」。その一言から曲が生まれた

  • 2026.9.4

オーディション番組で落選した22歳が、自分の名前でデビュー・アルバムを出した。スロバキア出身のアデラが9月4日、デビュー作『PRIMA』(読み:プリマ)をリリース。同時に公開された収録曲「Nicole Kidman」のミュージック・ビデオには、実在の女優へのオマージュが敷き詰められている。(フロントロウ編集部)

コルセットがきつくて、髪が弾んでいた夜

アデラについては、7月にデビュー作の発売が発表された時点でお伝えしていた。その『PRIMA』がついに世に出た。共同エグゼクティブ・プロデュースを手がけたのは、ブレイク・スラットキンとディラン・ブレイディだ。

アルバムのリリースと同時に公開されたのが、収録曲「Nicole Kidman」のミュージック・ビデオ。監督はハンナ・ラックス・デイヴィスで、映像にはニコール・キッドマンの代表作『アイズ ワイド シャット』『ムーラン・ルージュ』『記憶の棘』『ベイビーガール』、さらに彼女が出演したAMC TheatresのCMへのオマージュが随所に盛り込まれている。

この曲が生まれたきっかけを、アデラは米W Magazineにこう語っている。

「なぜかゴールデングローブ賞関連のイベントに招待されたんです。映画に出たことなんて一度もないのに、思いきりドレスアップして、ドレスを着せてもらって、髪もセットしてもらったら、すごくいい感じになって。髪はものすごく弾んでいたし、コルセットも本当にきつくて、その時『今の私、ニコール・キッドマンみたい』って思ったんです」

その後に実際に『アイズ ワイド シャット』を観て、彼女に夢中になったのだという。「私にとって、彼女こそ“ムービースター”なんです」

「22歳の女の子そのものの音が鳴るアルバムにしたかった」

アデラは本作についてこう説明している。

「このアルバムは、22歳の女の子そのものの音が鳴るアルバムにしたいと思いました。今の私の人生では本当にいろいろなことが起きていて、それこそ若い女性でいるということなんだと思います。この年齢だと、『すごく深い子だね』と言われるか、『面白くて何も真剣に考えていない子だね』と言われるか。その両方を表現したかったんです」

アデラのデビュー・アルバム『PRIMA』ジャケット写真
画像提供:ユニバーサル ミュージック

実際、アルバムには硬軟の両方が入っている。カシミア・キャットがプロデュースした「I’m The Man」は、初期のアリアナ・グランデ作品を思わせるイントロを持ちながら、従来のジェンダー観を反転させて恋愛関係を捉え直す一曲だ。アデラはこの曲について、「成功すればするほど、私の成功を心から受け入れられる男性を見つけるのが難しくなっていきます」と話し、「女の子がボスでいることを受け入れるには、精神的に成熟していて、自分に自信のある男性じゃないと難しいんです」と続けている。

一方の「Therapy」は、ツアーとレコーディングが重なる過酷なスケジュールのなかで体調をひどく崩していた時期に書かれ、録音された。最小限の鍵盤を背景に、強くオートチューンをかけたボーカルが日記のような言葉を吐き出す。音楽業界のエグゼクティブたちへ向けた鋭い言葉と、約6,000マイル離れて暮らす姉妹とのかけがえのない絆が、同じ曲のなかに同居している。

母の写真から生まれた曲が、Hot 100で61位まで上がった

先月、アデラは「Ain’t In LA」で自身初となる米Billboard「Hot 100」入りを果たした。初登場85位から、最新チャートでは61位まで順位を上げている。

この曲は、故郷を訪れた際に見つけた一枚の写真から生まれた。ポップカルチャーのイメージで埋め尽くされた壁の前でポーズを取る、18歳当時の母親の写真だ。

「祖父がドイツからこっそり持ち込んだポスターだったんです。それを見て、『私の母のように、夢を抱きながらも、その価値を認めてもらえない美しい女の子たちが、世の中にはたくさんいる』と思いました。この曲は母や、世界中にいる何十億人もの、きっと私よりもクールな女の子たちのために書きました」

11歳でバレエのプロの道に進み、14歳でウィーンやロンドンの名門アカデミーへ渡りながら、音楽への情熱を抑えきれずにその道を離れた経歴を持つアデラにとって、アルバムのタイトルは自分の来歴そのものでもある。

「『PRIMA』には『最初』という意味があって、デビュー作にはまさにぴったりなものです。プリマ・バレリーナと言えば、そのバレエ団のトップ、つまり最高のバレリーナのこと。私はポップ界のプリマ・バレリーナになることを目指していて、これはその夢を叶えるための第一歩なのです」

9月9日からは、発売数分で完売した自身初のヘッドライン・ツアー「The Red Bottoms Tour」がスタートする。デトロイト、トロント、ニューヨーク、ナッシュヴィル、アトランタ、シアトル、ロサンゼルス、メキシコなど北米各地をまわり、2027年にはこちらも完売済みのヨーロッパ/UKツアーでダブリン、ロンドン、ベルリン、プラハ、オスロ、ワルシャワなどを訪れる予定だ。

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