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【ホラー】墓石にかけられた液体…「なんで帰ってきた」長男の異常行動→実は酒好きの父への“供養”だった?【作者に聞く】

  • 2026.9.2
【漫画】僕が死ぬだけの百物語「第九十一夜 ポルターガイスト」(01) 的野アンジ(@matonotoma)
【漫画】僕が死ぬだけの百物語「第九十一夜 ポルターガイスト」(01) 的野アンジ(@matonotoma)

今回は、的野アンジ(@matonotoma)さんの漫画『僕が死ぬだけの百物語』(小学館)より「ポルターガイスト」を紹介。2025年に完結した同作の連載の舞台裏について、作者の的野さんに話を聞いた。

僕が死ぬだけの百物語「第九十一夜 ポルターガイスト」(02) 的野アンジ(@matonotoma)
僕が死ぬだけの百物語「第九十一夜 ポルターガイスト」(02) 的野アンジ(@matonotoma)
僕が死ぬだけの百物語「第九十一夜 ポルターガイスト」(03) 的野アンジ(@matonotoma)
僕が死ぬだけの百物語「第九十一夜 ポルターガイスト」(03) 的野アンジ(@matonotoma)
僕が死ぬだけの百物語「第九十一夜 ポルターガイスト」(04) 的野アンジ(@matonotoma)
僕が死ぬだけの百物語「第九十一夜 ポルターガイスト」(04) 的野アンジ(@matonotoma)

罰当たりな長男と実家で起こる怪現象

『僕が死ぬだけの百物語』は、「少年サンデーS(スーパー)」および「サンデーうぇぶり」で連載されたコミックス全10巻のホラーオムニバス漫画だ。今回紹介する「ポルターガイスト」は第10巻の収録エピソードで、物の移動など人の手を介さずに起きる心霊現象をテーマにしている。

お盆の季節、墓石にビチャビチャと液体をふりかけ、笑みを浮かべる男。彼は数年ぶりに帰郷した一家の長兄だった。「なんで、帰ってきたんだよ!」と激昂する弟。兄は数年前に家を出たきり、父の葬式にも参列していなかった。

「兄貴が飲んだくれているから!」「それは親父も…」と言い争う兄弟をよそに、家の中では不可解な現象が次々と巻き起こる。誰もいないのに開く玄関、水が流れるトイレ、ひとりでに倒れる花瓶や遺影。弟は、兄の帰宅が亡き父の怒りを買っているのだと指摘する。

しかし兄は「墓参りくらいはよく行っている」と反論。その日も墓参りを済ませていた兄は、ポルターガイストの原因に思い至り、大笑いしながら弟に「父の墓に酒をあげたんだ」と告げるのだった。

自分でも予想外の方向に転がった物語

読者には罰当たりな行為と思わせつつ、実は酒飲みだった父の供養になっていたという本作。的野さんにとっても印象深い一篇だという。

「描く直前に祖母が亡くなったので『お酒好きの祖母が天国で好きなだけ飲めますように』と願いを込めて描きました」と明かす。

本作は1話につき1つの「百物語」が少年・ユウマによって語られる形式だ。独立した短編ホラーとして読めるだけでなく、ユウマを取り巻く物語が進展する縦軸も盛り込まれている。既存の怪談をモチーフにせず、すべて的野さんが編み出した完全オリジナルストーリーだ。「新しい怖い話を書くことは毎回大変でした」と連載を振り返る。

「話数を重ねるごとに、前に描いた話と似ていないか、同じ手法を使っていないかと考えました。そうして既出のお話とズラしていく中で、自分では思ってもいなかった方向に転ぶお話もありました。それを読者に受け入れてもらえたのは意外でうれしかったです」

最終巻の表紙に込められた「祝祭感」

本作の単行本表紙はすべて主人公のユウマが描かれているが、最終10巻の表紙だけは9巻までの不気味なテイストと異なり、どこか祝祭感のある色彩が特徴だ。

的野さんは「ユウマくんにとって百物語達成だけが生きる目的でした。その百話目にようやく到達したので、祝う気持ちで表紙を描きました。ここまで読んでくださった方が、絵を見て今までのモチーフを見つけて楽しんでもらいたいと思いました」と意図を語る。

一篇ごとに異なるホラーとしても、ユウマの長編ホラーとしても楽しめる本作。的野さんは「一つひとつのお話は短いので、ホラー好きの方はもちろん、苦手な方にも挑戦してみてほしいです」と読者へメッセージを寄せた。

取材協力:的野アンジ(@matonotoma)

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