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「さすが社長です。あの1打は誰にも真似できませんよ」ゴルフ場で何度も聞こえたお世辞。褒め続けた男性が、急に弱気になった理由

  • 2026.9.1
「さすが社長です。あの1打は誰にも真似できませんよ」ゴルフ場で何度も聞こえたお世辞。褒め続けた男性が、急に弱気になった理由

三人とも、社長のプレーを褒めていた

ずいぶん前、私は会員制のゴルフ場にあるレストランでウエイトレスをしていました。

昼になると、午前のプレーを終えたお客様が次々に入ってきます。飲み物を運んだり、空いた皿を下げたりしていると、こちらから聞こうとしなくても会話が耳に入ってくることがありました。

その日、四人がけの席に座ったのは、年配の男性と、それより少し若い男性三人でした。

飲み物を運んだとき、一人が楽しそうに話していました。

「いやあ、社長。さっきのあれ、すごかったですね。あそこから乗せるとは思いませんでした」

すると、隣の男性もすぐに続きます。

「本当ですよ。僕だったら、あの場面で力んで絶対ミスしてます」

もう一人も笑いながら身を乗り出しました。

「さすが社長です。あの1打は誰にも真似できませんよ」

どうやら年配の男性は、三人の会社の社長のようでした。

社長は少しうれしそうに料理を見ながら、

「そんなに大したもんじゃないよ」

と答えました。

ところが三人は止まりません。

「いやいや、あれは大したものですよ」

「今日ご一緒できて、本当に勉強になります」

「午後もぜひ、いろいろ教えてください」

一人が言えば、もう一人が重ねます。私は別のテーブルへ向かいながら、「ずいぶん褒めるなあ」と思っていました。

社長が笑いながら返した一言

しばらくして、空いたグラスを下げに行ったときです。

先ほど「僕だったら絶対ミスしてます」と話していた男性が、また午前中のプレーを褒めていました。

「ああいうところでちゃんと決められるのが、やっぱり違うんですよね」

すると社長が、その男性の顔を見て笑いました。

「でも君、俺よりずっと飛ばすじゃないか」

男性は一瞬、言葉に詰まりました。

「いや、それは…飛ぶだけですよ」

社長はさらに楽しそうに続けます。

「そんなに俺のことばかり褒めなくていいよ。午後は君の打ち方を見せてもらおうかな。今度は俺が勉強するから」

「いやいや社長、勘弁してくださいよ」

男性が困ったように笑うと、隣の二人も吹き出しました。

「ほら、急に弱気になった」

社長がそう言うと、四人の席に笑いが広がりました。

私も皿を持ったまま、思わず口元が緩みそうになりました。

どうやら社長は、三人が自分を持ち上げていることに最初から気づいていたようです。それでも嫌な顔をせず、最後は冗談にして返していました。

三人も仕事上の付き合いがあり、その場を盛り上げようとしていたのでしょう。ただ、褒めれば褒めるほど、かえって本人には分かってしまうものなのかもしれません。

午後のプレーへ向かう四人を見送りながら、褒め言葉も多すぎると難しいものだな、と少しだけおかしくなった出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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