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「立場は違っても同じ葛藤を抱える仲間」SNSで煽がれがちな専業主婦vs.ワーママをあえて描いた理由とは【著者インタビュー】

  • 2026.8.31

【漫画】本編を読む

5年にわたる不妊治療でも子どもを授からなかったため、仕事に専念することを決意したちはる。しかし大きなプロジェクトの責任者に抜擢された矢先、妊娠が発覚する。「タイミング最悪」と思ってしまったことに罪悪感を覚えつつも、育児と仕事の両立を決意。しかし、つわりも重く、うまくいかないことの連続で……。

自身も経験した“産後うつ”をテーマに『もう3年、産後うつ。 消えたい衝動から抜け出せない』(青柳ちか/KADOKAWA)を描いた著者・青柳ちかさん。自身が経験した産後うつや、本作に込めた想いについて話を伺った。

※個人の体験をもとにインタビューを行っています。症状など、詳細は医療機関等にご確認ください。

――ちはるが満員電車の中で、肩身が狭そうな赤ちゃん連れの女性を目撃するシーンがあります。

青柳ちかさん(以下、青柳):ここでちはるはきっと、自分の未来の姿を重ね合わせたと思います。また、同じ車両の中にはいろいろな事情を抱えた妊婦・母子がいて、その苦しみに周りの人はなかなか気づけない、そんな描写です。

――ちはるが妊娠中、冬に生まれる予定の我が子を4月から保育園に入れようと見学などの計画を立てているのに対し、ひろきが「そんなに早く保育園に入れるの?」と驚くシーンが印象的でした。

青柳:ちはるが計画的に物事を進めているのに対して、ひろきが能天気で、ちはるの仕事復帰や子どもの保育園のことをあまり考えていない、というシーンを描きたくて(笑)。私自身は保活(子どもを保育園に入れるための活動)をしたことがないのですが、私の妹が妊娠したときに保活で苦戦していたことから着想を得て考えたシーンです。

――ちはるたちと同じフロアに住む専業主婦の斉藤マキも本作を語る上で欠かせない人物です。専業主婦とワーママの分断はSNSでもよく見かけるトピックですよね。

青柳:そうなんです、SNSで分断が煽られがちだからこそ、描いてみました。マキはちはるのことを「自分よりも恵まれたズルい人」と思い、何かとちはるの家のことを気にしています。家にも乗り込んでくるのですが、結果的にちはるを救っています。妻を支えようとする夫・ひろきとは対照的に、「悪意のあるいい人」というキャラクターです。そして、マキがちはるに冷淡なのは“嫌い”と思いつつも、嫌いだからではないんですよね。専業主婦とワーママって立場は違っても、同じく葛藤を抱える仲間だと思うんです。物語の終盤でマキの娘・舞とちはるが交流を持つエピソードがあります。近い将来、舞がちはるとお手紙のやり取りをしてちはるの家に行くことになり、マキも渋々ついていく……なんて未来を、想像しています。

取材・文=原智香

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