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1日1組だけのオーベルジュで極上のひととき【贅沢な旅を叶える私だけの“サンクチュアリ”】

  • 2026.8.31
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ローカルガストロノミーの注目が高まるなか、存在感を高めているのが泊まれるレストラン、オーベルジュ。1日1組だけのエクスクルーシブな宿で特別な一夜を過ごしてみませんか?

Photo : SONO[mame]

【山梨・北杜】宿場 esoto

世界が認めた美酒の哲学に浸り、清らかな水に心をほどく旅を

1750年の創業以来、清らかな水が湧く白州の地で酒造りを続けてきた七賢。世界最大級の酒類コンペティションで最高賞に輝くなど、国内外から注目を集める老舗が6月、明治期の屋敷を再生した1日1組の宿を開きました。

〈写真〉建築当時のままの欄間が残る3間続きの和室の先に美しい庭が。アンティークの家具を配した趣のあるしつらえ。ほかラウンジ、2階にベッドルームも

Photos : SONO[mame]

頭文字を宿の名に掲げたコンセプトは“選び抜く”“削ぎ落とす”“研ぎ澄ます”。七賢が酒造りで大切にしているこの哲学は、古きよきものを継承した凛とした空間や庭、そして心地よいおもてなしにも息づき、館内で過ごすうちにすがすがしい気分に。そんな滞在のハイライトは、心ゆくまで銘酒を楽しめるディナー。旬の味覚がたっぷりの日本料理が酒と引き立て合う、夢心地のひとときです。

〈写真〉客室内のラウンジの扉を開くとカウンターが出現! 名だたる日本料理の店で研さんを重ねた料理長は、「ここでの主役は酒。料理にも惜しみなく酒を使い、相性のいい味に仕上げています」と語ります。旬を感じる八寸(中)は、蔵元限定生酒「七賢人」シリーズより「嵇康(けいこう)」と。フルーティな酸味が実にエレガント。 締めには土鍋で炊き上げるご飯が登場(右)。季節替わりのコースは8品ほど。スパークリング日本酒からスピリッツまで、ペアリングも味わい深い。※料理は取材時のものです。

Photos : SONO[mame]

また、この地の魅力を伝えるアクティビティもぜひ体験を。美しい水の源流まで渓谷を散策したり、酒米を育てる田んぼを巡ったり。美酒美食を育む自然との触れ合いによって、味わいも感動もいっそう奥深いものになるはずです。

〈右〉水源地ツアーでは、エメラルドグリーンの清流で有名な千ヶ淵まで30分ほど散策。

〈左〉ほの暗さが心地いい蔵を改装した浴室。肌当たりが優しい白州の名水につかり、体の芯まで温まって。

Photos : SONO[mame]

〈写真〉「宿場 esoto」の並びに立つ酒蔵は、明治天皇の「行在所(あんざいしょ)」となった由緒ある建物。ショップも併設。

宿場 esoto

山梨県北杜市白州町台ヶ原2291
tel.055-244-3895(予約専用)
1泊2食・体験付き1名¥85,800~[サ別]

Photo : SONO[mame]

【新潟・新発田】Né(ね)

失われつつある土地の記憶に新たな価値を与え、次世代へつなぐ

新潟駅から車で1時間弱。かつて城下町として栄えた新発田に、2025年10月、食材から建物、調度品まで“新潟メイド”に徹したオーベルジュが誕生しました。

〈写真〉平屋内にダイニングと客室が。コンクリートを使わず、多数の丸太杭を土台に建物を“浮かす”構造など、自然と共存する建築も注目を集めています。

Photo : SONO[mame]

「この地域で受け継がれてきた自然と人の営みを次世代に伝えたい」と語るのは、フランスの名シェフのもとで腕を磨いた布施 真シェフ。例えば、冬の厳しさから発達した発酵、乾燥、酢漬け、燻製などの保存の知恵を「過去の旬を今味わい直すためのもの」と解釈。うまみを引き出す技術としてだけでなく、時間の移ろいの表現として取り入れるなど、13皿のコースは風土や歴史までも内包するかのよう。地産食材や旬を楽しむ料理とは異なる、全く新しい食体験です。

〈写真〉ディナーは全13品にドリンクペアリング付き。蜂の子のローストが潜んだ柔らかなフランに、滋味深い椎茸を添えた「遠い実りのために」。日本酒のリキュール「越後武士」と。

※料理は取材時のものです。

Photo : SONO[mame]

土に還る地域の素材だけで造り上げた空間で過ごすひとときも、このディナーの延長上に。土地の息づかいを五感で味わう――唯一無二のステイを堪能して。

〈写真〉スイート仕様の客室にはベッドルームのほか和室があり、最大4名宿泊可。発酵させた敷地の土を用いた土壁をはじめ、地元の素材や職人技を生かしたしつらえに心が和みます。また、敷地内にはサウナ施設「sui」があり、“ととのう”時間を楽しめるのも嬉しい。

Photos : SONO[mame]

〈右〉料理を仕上げながら料理に込めた思いを語る布施シェフ。ダイニングは外来利用も可。炭火の香りが食欲を刺激して。

〈左〉8皿目「森の終焉」は鹿肉とナスタチウムのソース、ぶどうのうまみが一体に。

Né(ね)

新潟県新発田市石喜180
※お問い合わせは公式サイトより。
定休日:火・水
1泊2食付き1名¥90,200~[サ込み]

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【山口・宇部】maison owl(メゾン・アウル)

まるで別世界に迷い込んだよう! 幻想的な洞窟で過ごす魅惑の一夜

宇部の地で18年続いた仏料理の名店が生まれ変わる。しかも、設計を担ったのは世界的建築家・石上純也さん。美食家からも建築ファンからも熱い視線が注がれる、泊まれるレストランが誕生したのは5年前のこと。以来、招待制をとっていましたが、昨年、ついに一般ゲストへのドアが開かれました。

〈写真〉建物は3つの庭を中心に客室とレストランを配置した回廊設計。客室には掘り込みのソファが設けられ、岩に包まれるような不思議な感覚に。

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オーナーシェフの平田基憲さんが旧知の仲の石上さんへリクエストしたのは「時間と共に重みを増していくような建物」。1万年前もここにあり、1万年先にもここにあるような建物で、本物の料理を供したい――。その思いが、大地に隠れた洞窟のような建築として結実。芸術作品ともいえる造形美と心づくしの料理が織りなす幻想的なステイ、魂がゆさぶれらる体験となるでしょう。

〈右〉一般ゲストが予約できる「スイートステイエクスペリエンス」では、レストランを含む全館を貸し切りで過ごせます。

〈左〉季節の素材をふんだんに使った、クリエイティブな料理と、珠玉のワインコレクションに酔いしれて。

maison owl(メゾン・アウル)

山口県宇部市大字中宇部字西山1677-1
※お問い合わせは公式サイトより。
1泊2食付き2名¥360,000~[サ込み]

Photo : SACHI MONJI

【長崎・壱岐】彼は誰

極上の島時間へと誘う、海と空の境界で味わう壱岐の恵み

玄界灘を一望する高台。かつて公共施設だった場所が、地元の建築家夫妻の手により洗練されたオーベルジュに生まれ変わりました。厨房を預かるのは、壱岐で生まれ育った辻信太郎シェフ。半径10キロメートル以内の食材と東京や福岡の名店で培った技術を駆使し、この地ならではの“豊かさ”を表現した料理でもてなします。

〈写真〉ダイニングに隣接する客室。眼下に砂浜が広がるリビングは、海と空を切り取るデザインが印象的。刻々と変わる光が窓辺を彩ります。

Photos : SACHI MONJI

宿の名が、夜が明けゆく薄暗い時間を意味する「彼は誰時(かわたれどき)」に由来するように、壱岐は水平線から朝日が昇る瞬間、言葉を失うほど美しい光に包まれるとか。その絶景をお目当てに早起きをした後には、島の米と季節の野菜が彩る滋味深い朝食を堪能するのもお楽しみ。ここを訪れる人だけに許された、とびきり贅沢な島時間が待っています。

〈右〉美しい盛り付けが目を楽しませるディナーコースは全13品。壱岐の食材の豊かさに魅了されるはず。

〈左〉ダイニングから望む海の美しさも格別。ランチ(不定期)、ディナー共に外来利用も可。

彼は誰

長崎県壱岐市芦辺町芦辺浦648-2
tel.070-9328-4466
1泊2食付き1名¥42,000~[サ込み]



Text : CHIHARU HONJO(3, 4)
25ans(ヴァンサンカン)9月号掲載(2026年7月28日発売)

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