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「じゃあ、音がしたら毎回うちなんですか?!」また届いた騒音の苦情。だが、思わず言い返してしまった理由

  • 2026.8.31

玄関の外に、管理人さんが立っていた

手仕事が趣味で、休みの日には自宅で小さなものを作っています。木を削ったり、紙やすりをかけたりして、箱や小さな棚を作る程度です。

誰かに見せるためでもありません。ただ、黙って手を動かしている時間が好きでした。

ところがある日、玄関のチャイムが鳴り、管理人さんが訪ねてきました。

「すみません。ちょっと音のことで、お話が来ていまして……」

そう言われて、私はすぐに作業のことだと思いました。

「うちですか?」

「どこの部屋とは私からは言えないんですが、作業するような音が聞こえる、ということで」

自分ではそれほど大きな音を出しているつもりはありませんでした。それでも、壁や床を伝えば、自分が思っている以上に響くのかもしれません。

「そうでしたか。すみません。気をつけます」

その日はそう言って頭を下げました。

それからは、家での作業をかなり控えるようになりました。道具を出しかけても、「また何か言われたら嫌だな」と思って棚へ戻すこともありました。

それでもある休日、どうしても仕上げたい小さな小物がありました。

手のひらに乗るくらいの大きさで、残っているのは表面を紙やすりで整える作業だけです。前に注意されたような音は出さないよう、机の上にも布を敷き、できるだけ静かに手を動かしていました。

三十分ほどたったころ、またチャイムが鳴りました。

玄関を開けると、管理人さんが立っていました。

少し言いにくそうな顔で、こう言われました。

「すみません。また音がしていると苦情が来ています」

その言葉を聞いた瞬間、今まで抑えていたものが出てしまいました。

「でも、今日はそんな音、出していませんよ」

管理人さんも少し困った表情になりました。

「そう言われても、こちらには苦情が来ているので…。一応、お伝えしないわけにもいかなくて」

「紙やすりをかけていただけです。それも、かなり気をつけていました」

「お気持ちは分かるんですが……」

その言い方に、余計に気持ちがざわつきました。

「じゃあ、音がしたら毎回うちなんですか?!」

言ってから、少し強すぎたと思いました。

管理人さんも私を責めたいわけではないのでしょう。ただ苦情を受けた以上、伝えに来なければならない。そのことも頭では分かっていました。

それでも、そのときは素直に「分かりました」とは言えませんでした。

玄関を閉めて部屋へ戻ると、手が少し震えていました。

腹が立ったというより、「これでは、家で何もできなくなる」と思ったのです。

「だったら、こちらから時間を出します」

次の週、私は一枚の紙を持って一階へ降りました。

紙には、家で作業する予定の曜日と時間だけを書いていました。

誰かを責める文章にはしたくありませんでした。「苦情は間違っています」とも書いていません。ただ、自分がいつ作業するのか分かるようにしたかったのです。

掲示板の近くで管理人さんを見かけたので、声をかけました。

「この前は、ちょっと強く言ってしまってすみません」

管理人さんは、「いえ」と小さく首を振りました。

私は持っていた紙を見せました。

「また同じやり取りになるのも嫌なので、作業する日と時間を出しておこうと思うんです」

「掲示板に、ですか?」

「はい。問題ないですか?土曜の午後、この時間だけにします。もし問題があるなら、また教えてください」

管理人さんは紙をしばらく読んでから、うなずきました。

「分かりました。こちらでも確認しておきます」

その言葉を聞いて、少しだけ肩の力が抜けました。

それから私は、書いた時間以外にはできるだけ作業をしないようにしました。

張り紙のおかげだったのか、それ以外の理由があったのかは分かりません。ただ、それ以降、管理人さんが同じ苦情を伝えに部屋まで来ることはありませんでした。

あの日、私は思わず言い返してしまいました。

けれど本当に嫌だったのは、管理人さんではありません。

「音がした」「私は出していない」と、答えの出ないやり取りを何度も繰り返すことでした。

今でも土曜の午後になると、小さな道具を机に並べます。

紙やすりを手に取る前に、以前より少しだけ周りの音を気にするようになりました。それくらいが、今の私にはちょうどいいと思っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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