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「客なんだから何とかして」何度説明しても引かなかった客。だが、次の客がかけてくれた言葉で状況が一変

  • 2026.8.31

説明しても、同じ要求が返ってきた

接客の仕事をしていたころの話です。その日、レジに来たお客さんから、店の決まりでは受け付けることのできない対応を求められました。

私は確認したうえで、できないことを伝えました。

「申し訳ございません。こちらでは対応できない決まりになっております」

すると、その方は納得できない様子で、もう一度同じことを求めてきました。

私も、ただ「できません」と繰り返すだけでは伝わらないと思い、理由を先に説明したり、別の言い方に変えたりしました。

それでも、その方の声はだんだん大きくなっていきました。

「客なんだから何とかして。そんなのは店側の都合でしょ」

レジの後ろには、いつの間にか何人かのお客さんが並んでいました。

私は列が長くなっていることも気になりましたが、だからといって決まりを変えることはできません。

「申し訳ございません。ただ、こちらではお受けできないんです」

もう一度伝えると、その方はまた同じ要求を繰り返しました。

何度説明しても話が最初に戻ってしまううちに、私自身も少し自信がなくなってきました。

もっと分かりやすく説明できるのではないか。私の伝え方が悪いから納得してもらえないのではないか。

そんなことを考えながら、また言葉を探していました。

後ろから聞こえた、短い一言

そのとき、後ろに並んでいた方が静かに声をかけました。

「さっきから聞いていましたけど、店員さんは何度も丁寧に説明していますよ」

強い口調ではありませんでした。

責めるというより、目の前で見ていたことをそのまま伝えただけでした。

声を荒らげていた方は、そこで初めて後ろを振り返りました。

何人も並んでいることに気づいたのか、少し黙ったあと、私のほうへ向き直りました。

「……もういい」

納得したという様子ではありませんでした。それでも、それ以上同じ要求をすることはなく、そのまま会計を済ませて帰っていきました。

私はすぐに次の方をレジへ案内しました。

すると、その方は商品を置きながら、小さな声で言いました。

「大変でしたね」

私は少しだけ肩の力が抜けて、

「ありがとうございます」

と答えました。

決まりを説明すること自体は、いつもの仕事です。それでも、何度伝えても受け入れてもらえないと、自分の説明が間違っているような気持ちになることがあります。

あの日は、後ろでやり取りを見ていた人の一言に、ずいぶん助けられました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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