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血管の若さが、見た目の若さを左右する? 循環器専門医が解説

  • 2026.8.29

血管の若さが、見た目の若さを左右する? 循環器専門医が解説

「最近、老けて見える」「おなかがぽっこりしてきた」。その原因、実は血管の衰えかもしれません。見た目の若さと血管にはどんな関係があるのでしょうか。循環器専門医の池谷敏郎さんの新刊『血管の専門医が30年間欠かさない すごい習慣』(エクスナレッジ刊)からお届けする第1回は、見た目と血管の意外な関係!

血管は「天然の美容液」を届けるパイプライン

よく、「人は見た目が9割」と言われます。鏡に映る自分の顔を見て「最近、なんだか老けた気がする……」と感じると、ため息をつきたくなるもの。高価な美容液を使っても、エステに通っても、なかなか肌の調子が戻らない。ハリがなくなってくすみも目立ち、シワやたるみが増えていく……。それはもしかすると、「外側からのケア」だけに頼りすぎて、「内側のケア」がおろそかになっているサインかもしれません。

実際、見た目の衰えは体の衰えとリンクしています。私は医師として、循環器、つまり「血管」や「心臓」の専門家として、長年多くの患者さんを診てきました。その経験から確信しているのが、「見た目の若さは、血管の若さで決まる」ということです。

私たちの体は約37兆個の細胞でできています。肌も、髪も、骨も、すべて細胞の集合体です。この膨大な数の細胞の一つ一つが元気に活動し、新しい細胞に生まれ変わるためには、何が必要でしょうか? それは、「栄養」と「酸素」です。栄養は細胞が生まれ変わるためのエネルギー源であり、材料。そして、酸素はエネルギーを燃やすための燃料です。その酸素と栄養を、肌の奥にある細胞たちに届けているのは誰でしょうか? それが、「血管」なのです。

血管は、全身に張り巡らされた「命のパイプライン」です。心臓というポンプから送り出された血液は、大動脈という太い幹線道路を通って全身へ運ばれ、そこから枝分かれして、最終的には髪の毛の10分の1ほどの細さしかない「毛細血管」となって、体の隅々の細胞にまで到達します。

実は、私たちの血管の99%はこの毛細血管が占めています。肌の表面、つまり表皮の下にある「真皮」には、この毛細血管が網の目のようにびっしりと張り巡らされています。血液は毛細血管を通って、肌の細胞に酸素と栄養を届けます。それを受け取った肌細胞はエネルギーを生み出し、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリを支える成分を産み出し、古くなった細胞を押し上げて新しい皮膚をつくるのです。

血液は「天然の美容液&クレンジング剤」

血液の役割は「届ける」だけではありません。「回収する」という重要な任務もあります。細胞が活動した後に出る二酸化炭素や老廃物を回収し、静脈を通って持ち帰るのも、血液の仕事です。

回収されない二酸化炭素が細胞周辺に留まると、血液の鮮やかさが失われ、肌が暗く沈んだ印象(くすみ)になります。老廃物は細胞の生まれ変わり(新陳代謝)を邪魔するため、古い角質が表面に残り、肌の透明感が失われます。また、シミの原因となるメラニンも、通常は血流やターンオーバーによって排出されますが、巡りが悪いとその場に留まり、シミが定着しやすくなります。

結果、肌細胞は「汚れた水がたまった池」のようになり、どんなに高価な化粧水を使っても効果が届きにくくなってしまうのです。

つまり、血液とは、肌にとって最高の成分を含んだ「天然の美容液」であり、同時に老廃物を洗い流してくれる「クレンジング剤」でもあるということ。

そして、その美容液を届けるための血管は、もっとも重要な「パイプライン」と言えます。ではもし、このパイプラインが詰まったり、ボロボロになって途切れてしまったら、どうなるでしょうか?

どんなに高級な化粧水を肌の表面からパシャパシャと叩き込んでも、内側からの補給が断たれてしまっては、肌の細胞は干上がってしまいます。酸素不足、栄養不足になった細胞は活力を失い、老廃物がたまったゴミ屋敷のような状態になります。これでは、肌が「枯れる」のも当然です。

私たちは、家の水道管が錆びついて水が出なくなったら、蛇口を磨くのではなく、配管を修理しますよね? 体も同じです。肌という「蛇口」から美しい水(美肌)を出したければ、まずはその元となる「配管(血管)」をメンテナンスすることが、最重要となります。

※この記事は『血管の専門医が30年間欠かさない すごい習慣』池谷敏郎著(エクスナレッジ刊)の内容を、ウェブ記事用に再編集したものです。

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