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「みんなで考察して哲学して」鹿目まどかを再び演じる声優・悠木碧に聞く『まどか☆マギカ』の魅力とは?

  • 2026.8.27
【写真・画像】「みんなで考察して哲学して」鹿目まどかを再び演じる声優・悠木碧に聞く『まどか☆マギカ』の魅力とは? 1枚目
ABEMA TIMES

2011年に放送されたTVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』は、圧倒的なビジュアル表現と奥深いストーリーで瞬く間にアニメファンはもちろん、一般層にも波及し多くの話題を集めた。

【映像】魔法少女まどか☆マギカ

翌2012年にはTVアニメを再構成した『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語』の前後編2作が公開され、2013年にはその続編となる『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』が公開。話題は社会現象と呼べるまで広がり、現在までに繋がるアニメの大衆化の一端を担った。

『[新編]叛逆の物語』の公開から13年の時を経て、その続編となる完全新作『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』が、2026年8月28日(金)に公開される。本作で再び主人公・鹿目まどかを演じる声優の悠木碧にインタビューを行い、改めて過去作を見返して発見できた『まどか☆マギカ』という作品の魅力や、これほどまでに大きな作品となった要因について話を伺った内容を、本記事にてお届けする。

——『ワルプルギスの廻天』を見る上で、予習・復習ではないですが、過去作を見ておいた方がより楽しめると思っていまして。

悠木:私たちの間では当たり前になっていましたけれど、見返さないとわからないこともありますよね(笑)。けど、いま見返してもらっても、新しい作品に感じられるんじゃないかなと思うんです。

私も『ワルプルギスの廻天』の収録にあたって見返していたのですが、『まどか☆マギカ』って人の心理描写を細かく描いているので、自分が今どんな気持ちでどんな状況に置かれているのかで、見え方も変わってきますし、共感できるキャラクターも変わってくるんですよね。

あと『ワルプルギスの廻天』に至るにあたって、たとえばさやかちゃんやマミさん、杏子ちゃんもTVシリーズでは悲しい終わりを迎えてしまっているけれど、『[新編]叛逆の物語』や『ワルプルギスの廻天』では彼女たちのお話も新たに描かれている部分があるので、悲しい終わりを知ったうえで振り返ると、それぞれのキャラが正当に頑張るところを見られますよね。

——マミさんが特にですが、TVシリーズの放送当時って熱狂があったじゃないですか。だから落ち着いた今だからこそ客観的に見えてくるものもあると言いますか。

悠木:そうですね。たとえばマミさんってこんなに強いんだよねとか、さやかちゃんの正義感って誰よりもヒーロー気質だよねとか。ほむらちゃんのことも守ってくれるし、光と闇も知った上で戦えるヒーローとして活躍してくれたりで。あと実はなぎさちゃんがいちばん歴の長い戦士で、大活躍したり。

悲しいお話をまどかがなんとかしたお話ではなくて、その先で彼女たちがさらに頑張って戦うかっこいいところを見てもらえるという意味では、振り返ってから見ていただくほうが喜びも増すと思いますね。

——TVアニメ放送当時と絶対的に違う点としては、ここまで続くシリーズになるということがわかっているという点もありますよね。

悠木:そうなんですよね。TVシリーズは美しい終わり方をしているお話ではありましたが、その先が見られるという喜びが『[新編]叛逆の物語』の公開当時にはあって。でも『[新編]叛逆の物語』の終わり方も決して幸福には終わっていないからこそ、今回のお話は見てくださる方に刺さると思っています。

『ワルプルギスの廻天』だけ見ても、本当に動くアートとして映像を浴びる楽しさがありますが、キャラクターの心理描写は積み上げたお話を見ていただいたほうがきっと楽しいと思いますし、放送当時ってお祭りだったから、お祭りのままちょっと浮かれて見ていたけれど、落ち着いて改めて見たときの『まどか☆マギカ』は全然違う味がするよねと思います。

【写真・画像】「みんなで考察して哲学して」鹿目まどかを再び演じる声優・悠木碧に聞く『まどか☆マギカ』の魅力とは? 2枚目
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——実はTVシリーズの放送当時はすでに業界側にいたので、そのお祭りにいちアニメファンとして100%乗っかれなかった部分があるんです。

悠木:ただただお祭りとして純粋に楽しむには、働いている人たちが近すぎますよね。彼らの頑張りが身近な分、浮かれられないというか。

——引いた視点でそのお祭りを見ていたからこそ、その熱狂の根源となった要因がなんだったのだろうかと今にして考えてしまうんですよね。特に放送当時の2011年に比べて、2026年ではアニメを取り巻く環境も変わってきています。悠木さんは『まどか☆マギカ』という作品がここまで大きな作品になった要因はなんだと考えますか?

悠木:いちばん最初にみなさんが面白いと感じたきっかけは“考察”だったと思うんですよね。世界観の考察をして、このあとどんな展開になるのかみんなで予想しながら見ようという動きがあって。こういう描写が描かれているからこうなるのでは? とか、みんなで想像して考えることが楽しい作品だったのだと思います。

当時は、アニメはオタクのものという風潮もありましたけれど、今ではそんなこともなくて、あらゆる人がアニメを趣味として楽しんでくれるようになっていて。

そのきっかけの1つになった作品であると私は胸を張っているのですが、答えを(作品の中で)出さないからこそみんなで考察して哲学して楽しむことができる作品。『ワルプルギスの廻天』にもその要素は含まれていて、それが現代の人の口に合うのかはまだわかりませんが、そこを変えずに作っているところが私はすごく好きだなって思いました。

——インターネットの普及からSNSの普及があって、当時は確かにたくさんの考察がありましたよね。記事を書く参考にさせていただいたこともあります(笑)。

悠木:私もアニメを見たら自分の中でその作品がどうだったか、描かれた世界や描かれたひとりひとりの正義や幸せについて考えるのがめちゃくちゃ好きなんです。もちろん、役者という仕事柄もありますが、そこが楽しいんですよね。

考察できるだけの材料がそろっていて、総合芸術であるアニメーション表現でなければできない考察の余地があるお話が詰め込まれているのが『まどか☆マギカ』の良さだと思っています。

——おっしゃることに本当に共感するのですが、絶対に答えがあってそれをすぐに知ってしまうことが正義みたいな風潮も、SNSの発達で生まれてきているのがもどかしいなとも思っています。

悠木:おっしゃる通り、考えることが楽しいなと思える作品が意外と減っているかもと思っていて。みんなで一緒に何かを考えるということがこんなに楽しいんだということが『まどか☆マギカ』でもありましたし、何が正解かはあなたたちの中にしかないのですよとされているところがすごいオシャレだなと思うというか、実際そうなんですよね。

真実に意味があるのではなく、あなたがどう捉えたかに意味があるということを徹頭徹尾貫いているのが、『まどか☆マギカ』のかっこよさだなと思っています。

それこそ私たちもアフレコのなかで「これってこういう意味かな?」っていうことを(暁美ほむら役の斎藤)千和さんたちとも話しながら「こうなんじゃないですか?」「こうだったんですね!」ということを、辻褄を合わせながらやっていて。

——台本のセリフやト書きから読み解くのも難しい作品ですね。

悠木:でも私はまどかの視点しか見られていないので、逆に追いきれていないこともいっぱいあって。それぞれの視点で見るとまた違う真実がいっぱいあるんだろうなと思います。ぜひ回数を重ねて見ていただいて、あなたの真実に辿り着いていただきたいなと。

それこそ、かつてアニメは子どもが見るものという風潮もありましたけれど、逆にいま子どもたちがこれを見たらどう思うの? どんな子に育っていくの? と思っちゃうくらい、いろいろな哲学が入った作品になっていますし、全然アニメを知らない人が見てもとりあえず映像と音がすごいことはわかってもらえるとも思っています。

——わからなくても、何かとんでもないものを見たということだけはわかるという(笑)。

悠木:ショート動画じゃ満足できないくらいのとんでもないドーパミンが出るよって(笑)。ひとりで見に行ってじっくり考察してもらってもいいですし、友達と見に行って自分はこう思ったと話し合ってもらってもいいと思います。それを話し合ったことでその友達がどんな人なのかよりわかるという(笑)。

一同:(笑)

悠木:そういう意味でも、作品を見るということは自分を見るということでもあり、相手を見ることでもあるということがめっちゃ詰まっているので、ぜひそういう楽しみ方をしてもらえればいいんじゃないかなと思います。

【写真・画像】「みんなで考察して哲学して」鹿目まどかを再び演じる声優・悠木碧に聞く『まどか☆マギカ』の魅力とは? 3枚目
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『ワルプルギスの廻天』で描かれる映像と物語を体感して、どう感じて考えるのか。その過程に意味があるのだと実感できるインタビューとなった。ぜひ劇場で自分だけの真実を見つけてみてほしい。

取材・撮影・テキスト/kato
(C)Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

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