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夜8時、窓口と改札を1人で担当中…ほろ酔い客「トイレば使うけんねー」制止も届かず改札内へ→駅員「不正乗車を疑われても仕方ない」

  • 2026.9.10
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元鉄道駅員の川里です。

今回は、私が駅員時代に体験した「離れられない状況でのトラブル」を紹介します。駅員には高度な柔軟性と、臨機応変な判断力が必要だと痛感させられた出来事です。

駅員「えっ!きっぷ売り場と改札口を1人で?」

鉄道駅にはきっぷを売る窓口「出札」と、乗車・降車の際にきっぷが正しく有効なものか確認する「改札」があります。

ある程度大きな駅ならこの2つは分かれていて、それぞれに係員がいます。ところが規模の小さな駅は、時間帯によって1人でこの2つの仕事を同時にこなす必要があるのです。

そのような駅は独立した改札室がなく、窓口の隣の窓から改札口を見られるようになっています。

きっぷを売りながら改札口も見なければならず、マルチタスクが苦手な私には大変でした。楽々こなしているように見えた他の係員たちのことが、今でも羨ましく思います。

私は最初に配属された駅と、その後に何度かヘルプで入った周辺駅でこのタイプの駅を経験しました。

このような構造をした駅のことを「出改兼掌(しゅっかいけんしょう)駅」と言います。

ドキドキ!夜の1人運営

これは、私がある出改兼掌駅にヘルプで入ったときのことです。この駅は早出の社員が帰ると、駅に宿泊する1人と遅出の1人という2人体制になります。

夜の8時ごろだったでしょうか。宿泊するほうの社員が夕食のため休憩に入り、遅出の私が1人で窓口と改札の両方を担当する時間帯がやってきました。

1人は気楽だというほんの少しの解放感、いつもは基本的に複数人いる場所に自分ただ1人というほんの少しの不思議な感覚。

窓口にも改札にも誰もいない場合は、改札口に立っていました。出改兼掌になっているような小さな駅の夜8時台。列車も少なければ、お客さまもそう多くありません。やがて1人のお客さまが窓口にお越しになりました。

陽気に強行突破

窓口にて対応をしようとしていたところ、同時に改札口に1人の男性が現れます。

私の場合、もしも窓口対応中に改札口から呼び止められれば、一度は「少々お待ちください」と声をかけ、窓口業務を終了させてから改札対応へ移るようにしていました。改札口のお客さまがお急ぎのようである場合は、窓口のお客さまに了承を得てから改札対応を優先することもあります。

ただ、このときは呼びかけの内容からして異なりました。大抵のお客さまは「すみませーん」とこちらに声をかけるのですが、このときの男性は

「兄ちゃーん、トイレば使うけんねー」

と私に「報告」してきたのです。

慌てて

「少々お待ちください!」

と止めようとしましたが、飲み会帰りなのかほろ酔いの様子のお客さまは、そのまま改札内へ消えて行ってしまいました。

不正乗車を疑えるのではと思ったが…

私のお声がけが届かず、改札内に消えてしまったお客さまが気になりましたが、一旦は目の前のお客さまに集中することにしました。窓口対応を終え、再び基本姿勢である改札口へ戻ります。

改札口の外にもトイレがあるのですが、距離があるため、この駅では改札内のトイレも駅員に申告すれば使えるようになっていました

ただし、その際は申告された方だとわかるように首から下げる「通行証」を渡してから改札内に入っていただき、出るときに通行証を回収するルールでした。

駅員の制止を振り切って改札を強行突破したのですから、不正乗車の疑いをかけられてもおかしくありません。

帰り際に一言声をかけようかとも思いましたが、当時は窓口対応に追われ、結果的にお声がけができず悔しい思いをしました。ワンオペレーションの難しさを痛感した出来事ですが、本来であれば厳正に注意・対処すべき事案であり、無断での立ち入りは絶対に許されるものではありません。

改札内に入りたいときは?

入社前は、改札はきっぷがなければ絶対に通れない場所だと思っていました。

しかし今回紹介した駅のように、利便性のためにきっぷのないお客さまも通行できる場面に何度か遭遇し「改札は乗降車以外で通る人も多い」と知りました。

いずれの場合でも「きっぷを持たずに通行するには駅員の許可が必要」という点は一致しています。

ですので、もしトイレや売店などが改札口の中か外のどちらかにしか見つからないときは、一度駅員に相談してみてください。「通っていい」「通ってはいけない」の判断は、その駅の駅員のほうが確実なはずです。


ライター:川里隼生

鉄道会社の駅係員として8年間、4つの駅を経験しました。コロナ禍やデジタル化を通して移り変わってきた、会社としての鉄道サービスの未来像と、お客様それぞれが求めている鉄道サービスのあり方の両方から学んだことを記事にしていきます。


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