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【和田秀樹さん】が語る「終活はいらない」|幸齢期の女性こそ恋をして、ときめきで心と体を若返らせよう

  • 2026.8.26

【和田秀樹さん】が語る「終活はいらない」|幸齢期の女性こそ恋をして、ときめきで心と体を若返らせよう

年金生活に入る頃から、気になり始めるいわゆる「終活」。いつの間にか増えてしまった大量の持ち物を整理したり、生活を縮小したり、あるいは遺言をしたため、エンディングノートを作ったり。後に遺される人たちの負担をなるべく減らすためにも「立つ鳥跡を濁さず」で、そうした準備は必要だよ、という人がいる一方、いやいやそんなものは不要だよという人も。老年精神科医の和田秀樹さんは後者。なぜ「終活」はいらないのか、その考えを全6回でご紹介します。今回は第2回です。

和田秀樹さん 精神科医

わだ・ひでき●精神科医。1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として35年以上にわたり医療の現場に携わっている。『80歳の壁』『70歳の正解』『逃げ上手は生き方上手』『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』『女80歳の壁』など著書多数。

高齢女性になぜ「恋」が必要なのか?

命短し恋せよ熟年女性

日本人の平均寿命は、男性が81.05歳。女性が87.09歳(2022年、厚生労働省調べ)です。ところが、実際に元気で過ごせる「健康寿命」はどうかというと、男性は72.68歳、女性は75.38歳です。つまり、男性は約9年間、女性は12 年間を「不健康な」状態で生きていることになります。

「そうならないためにも、老いは受け入れつつ、もう年だからこそ、残りの人生が少ないからこそ『だから◯◯するんだ』と好きなことを積極的にやっていく。それが大事ですね。

そのために、特に「幸齢期」の女性は何をするのが一番いいのか。和田さんは迷わず「恋」だと言う。

「恋愛をすると性ホルモン(男性ホルモンと女性ホルモン)の分泌量が増えることが、医学的にもわかっています。見た目にも気を配るようになって、おしゃれをしたり、メイクに力を入れたりもする。人間は不思議なもので、外見が若返ると気持ちや体まで若返ります。脳が鏡に映った若い自分を見て全身の細胞まで活性化するのです。本当の恋をするのがいちばんいいのですが、それが難しければ、ときめく気持ちを持つことだけでもいい。推し活でお金を使うのは、健康のためにもいいし、経済を活性化させることにもなります(笑)。ぜひおすすめです」

ダイエットは厳禁

逆に、年をとってしてはいけないのがダイエットだという。

「人間、同じ脳だったら、『枯渇した脳』よりも『豊富な脳』のほうが働きがいいんです。太っているほうが脳に糖分が行くから頭がいいし、活動もよくなる。だからちょっと太っている人のほうが、元気で長生きで、知的にも活躍していることが多い。私は、ダイエットは現代の『纏足(てんそく)』だと思っています。『纏足』とは、かつて中国で行われていた風習で、『足が小さいほど美しい』という価値観を女性に押し付け、小さい頃から足に布を巻くなどして大きくならないようにしたのです。これと同じで『痩せているほど美しい』という幻想を女性たちに植え付け、その活力を奪い、女性が社会で活躍できないようにしているように思えてなりません。ダイエットって、頭が悪くなるわ、免疫力が落ちるわ、鬱になりやすくなるわ、ろくなことがない。しかも、痩せている女性とちょっとぽっちゃりしている女性だったら、後者のほうが絶対に若く見える。だからダイエットはしたらダメです」

和田さんが思う「愚の骨頂」はまさかの…

年をとると、総じて誰でも「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ばれるわけだが、実は人間、年をとればとるほど、その外見も、体力も、健康状態も個人差が大きくなる。「平均寿命まで生きたい」など、周りと同じぐらいの「平均」を求める声が強いが、平均を求めるといのは「愚の骨頂」だと和田さんは言う。

「健康診断も、受診した人の平均を『正常値』としているだけで、根拠はないんです。つまり、健康か健康でないかは、病気かどうかで判断するのではなく、たとえばご飯が美味しいとか、今日もタバコがうまいとか、そうした主観的なものだと考えたほうがいい。特に平均寿命を超えてなお元気な人に、医者がどうこう言うのは僭越だと思います。子育てをしたり、会社で働いたりした『第1の人生』を終えたら、そこからの『第2の人生』は自分のために生きる。人生は自分が主人公のドラマなのですから、今この一瞬を楽しむことを重ねていくことで、より豊かに生ききることができるのではないでしょうか」

撮影/佐山裕子(主婦の友社) 取材・文/志賀佳織 イラスト/ピクスタ

※この記事は「ゆうゆう」2025年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

※2025年3月31日に配信した記事を再編集しています。

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