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浜田敬子さん59歳「首をもぎ取りたかった」ほどの不調の原因。元AERA編集長でも気づけなかった、その“正体”

  • 2026.4.30

ジャーナリスト、コメンテーターとして活躍する浜田敬子さん。メディアの最前線にいても自身の更年期に気づかず回り道することもあるというお話は、柔軟に情報を取り込む感受性の大切さを教えてくれます。

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浜田敬子さん profile

1966年10月29日、山口県生まれ。1989年、朝日新聞社入社。記者として地方支局を経て、2014年に女性初のAERA編集長に就任。その後、経済メディアの統括編集長などを務め、2020年からフリーランスに。現在は講演のほか、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)「サンデーモーニング」(TBS系)のコメンテーターとしても活躍中。

47〜48歳のころが更年期症状のピーク

今思うと「AERA」の編集長だった47〜48歳のころが更年期症状のピークだった気がします。頭痛(*1)や肩凝りがひどく、いくら薬を飲んでも石や鉄のような頭の重さがなくなりません。首から上をもぎ取って替えたかったくらい。ペインクリニックにも行きましたし、脳外科でMRIもとりましたが、病気は見つからず、最後の砦として毎週のようにマッサージや鍼にも行っていました。その費用を捻出するために働いていたんじゃないかと思うほどです(笑)。

鼻の奥、目の奥に何かが詰まった感覚が続いて副鼻腔炎(*2)を疑いました。耳鼻咽喉科では検査しても検査しても異常なしと言われるばかり。当時は「体調が悪いのは仕事が忙しすぎるせい」だと思い込んでいて、不調が更年期から来るものだとは全く考えていませんでした。

いちばん知られている症状のホットフラッシュもなかったこと、毎日、常に何かに追い立てられるような感覚で仕事に邁進していたこと、まだ40代だったということなどがあって、自分が〝更年期〟に入っているという自覚がなかったんです。

【*1・頭痛】

案外見過ごしがちなのが更年期頭痛。偏頭痛や肩凝り・首凝りを伴う緊張型頭痛の両方が起こることも。更年期外来で漢方やホルモン補充療法の相談をするのも◎。

【*2・ 副鼻腔炎】

更年期には女性ホルモンの急激な低下によって鼻の粘膜が乾燥しやすくなることがあります。その結果、免疫力低下や自律神経の乱れなどが起こり、副鼻腔炎になりやすくなったりすることも。鼻詰まりが結果的には頭痛や肩凝りを引き起こすこともあるので、45歳をすぎての症状はまず婦人科で相談を。

「先取りする意識」があれば 早く気づけたのに、と反省

— 浜田敬子さんは女性初の「AERA」編集長を経て、現在は様々な番組のコメンテーターとしても活躍。女性のキャリアと人生設計に関する深い考察なども共感を呼んでいます。

50歳をすぎてやっと「あの症状はホルモンが原因だったのかな。更年期だったのでは?」と思い当たりました。というのも、身近な女友だちに次々と更年期症状があらわれるようになったからです。一緒に旅行に行っても朝起き上がれず、歩けない友だちもいて、私一人で観光することになったこともあります。

そこで痛感したのが、更年期は人の数だけ症状がある、人によってあらわれる症状が異なるということ。症状のバリエーションを知らないと更年期だということを見過ごし、他の対処法を探してしまうこともあるということです。同世代の親しい友だちが更年期の症状に見舞われるようになってから初めて、頭痛や肩凝り、鼻の異常も更年期症状を疑ってみるという選択肢もあったのでは、と思いました。

45歳すぎての不調は、まずは更年期が原因だと考えるといいですね。それと症状が出ているからと言って自分を責める必要はありません。集中力が続かなくなって仕事も思い通りに進まなかったりすると、本人は自分が違う人間になってしまったような罪悪感にとらわれる。でも決して怠けているわけではなく、ただ体内で女性ホルモンが急激に低下して自律神経が不安定になっているだけ。自分を責めても仕方ありませんし、まして周囲がそれに対してジャッジする権利もありません。

更年期は逆に「健康資本を見直すチャンス」

もうひとつ気づいたのは、更年期で不調を感じることを逆に「健康資本を見直すチャンス」だと考えるのがいいということ。人生100年時代と考えて、80歳でも元気でいたいと考えると、30年は頑張れる健康を維持しなくてはならない。元気という資本を大事にしないと長く仕事もできないし、好きなことも続けられません。

そう考えると、ここから先30年を健やかに生きるために、不調を機に、一旦体調管理や生活習慣を洗い出して組み直すことも大切ではないでしょうか。

50歳で「AERA」の編集長を辞めてフリーになったとき、働きすぎのせいか1年で3回も倒れて入院したことがありました。また以前テニスをしていたこともあって、運動量や骨の丈夫さには自信があったのですが、55歳をすぎてちょっとした動作で突き指や足の親指を捻挫するということが増えてショックで。仲のいい産婦人科の先生に言われて骨粗鬆症の検査をしたら、平均よりかなり低くてこれもショックで。若いころの健康を過信しないで、今はビタミンDを摂るなど、対策をするようになりました。

手前の時期から考え始めて対策しておくことも大事

— 人生100年時代には、更年期の過ごし方、対応策が大切と話す浜田さん。それはご自身がライフワークとしている「女性の働き方」にも密接な関係があると言います。

50歳になる直前、世界的ベストセラー『ライフシフト〜人生100年時代の人生戦略』を書かれた著書のひとり、リンダ・グラントン教授が来日された際、トークショーでご一緒する機会がありました。そこでうかがったお話に感銘を受けました。

本の内容は、テクノロジーの進化や寿命が長くなったりすることで働く環境が劇的に変化し、従来よりも働く期間が長期化する、そのために生き方を見直し、真の豊かさを再定義すべきだというもの。そんな内容に加え、会社員なら定年を迎える60歳、65歳以降の働き方を見据え、50代から早め早めに準備をしておくのがベターだということ。60代では二の足を踏むことでも、50代ならチャレンジできるというわけです。

少し先のことを、体力や気力がある、ちょっと手前の時期から考え始めて、先手先手で対策しておくことも大事だと感じました。それは更年期にとっても同じです。情報を取り損ねていると、いざ不調を迎えるとテンパってしまって、うまく対応できないことも出てきます。40代前半のうちから症状のバリエーションだけでも知ったうえで、健康管理を見直すことができれば、慌てずに済む気がします。

失敗しても50代ならリカバリーできます

— 女性の生き方、キャリアをテーマとする浜田さんにとって、もうひとつの重要項目が〝シスターフッド〟、つまり女性同士の助け合い、支え合いといった女の絆です。

娘が大学生になって子育ても一段落しましたが、やはり40代から50代は仕事も家庭もフル稼働。気が休まるときがありませんでした。育児が落ち着いたと思ったら、今度は親の介護が始まり、今は両親のケアで頭がいっぱい、息つく暇もありません。

そんな中でも好きな映画や韓国ドラマ、旅のことを考える時間は癒しのひととき。お友だちとの旅行や食事会を自分で企画したりしてワイワイ話す時間もリフレッシュにつながります。

また年に2回、呼んでいただく紹介制のセレクトサロン「ドレスアンレーヴ」の受注会はテンションが上がって日ごろのストレスも忘れられます。オーナーの新出美紀さんの、日本のデザイナーを応援したいというコンセプトで国内のブランドからピックアップしていること、商品ロスをなくすため、受注生産しているという考えにも共感しています。

睡眠も大事なので、寝る前にYouTubeで「寝落ちヨガ」を見て、ぐっすり寝ています。

私は今年、60歳。50歳で朝日新聞社を辞めてフリーになりましたが、今考えると早期退職に踏み切ったのはこれからの人生を考えるとベストな選択だったと思います。体力気力が充実しているうちに思い切ってチャレンジする、一歩踏み出すことが、その後の人生に大きな実りをもたらしてくれるからです。

もし失敗しても50代ならリカバリーできます。キャリアでも健康管理でも、いつもと違うことをやってみる、トライ&エラーで自分にとって最もいいものを探してみる。そんなチャレンジ精神が発揮できる更年期はいいチャンスなのではないでしょうか。

花柄コート¥97,900 黒ジャンプスーツ¥103,400(ともにAKIKO OGAWA/アキコ オガワ)ネックレス¥69,300イヤリング・右¥23,100左¥17,600(すべてENAK…/エナッ)バッグ、靴/スタイリスト私物

撮影/田頭拓人 ヘア・メーク/渡部悠美子(六本木美容室) スタイリスト/二井里佳子 取材/柏崎恵理 撮影協力/シアター・イメージフォーラム ※情報は2026年4月号掲載時のものです。

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