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「ママ、うえに、ひとがいる」滑り台の踊り場でご飯を食べていた親子。だが、順番を待つ子供が増えた結果

  • 2026.8.22
「ママ、うえに、ひとがいる」滑り台の踊り場でご飯を食べていた親子。だが、順番を待つ子供が増えた結果

滑り台のいちばん上に、レジャーシートが広がっていた

よく晴れた休日の午前でした。私は子どもを連れて、歩いてすぐの公園へ出かけました。

うちの子のお目当ては、いつも決まって滑り台です。

その滑り台は、階段を登りきったところの踊り場が広めに作られています。滑る前に一度立ち止まって、下を見渡せるくらいの広さです。

「ママ、すべりだい、いってくるね」

走っていく背中を見送って、私はベンチのそばで待っていました。ところが、登っていったはずの子が、途中で止まったまま戻ってきます。

「ママ、うえに、ひとがいる」

言われて見上げて、私は自分の目を疑いました。踊り場に、レジャーシートが広がっていたのです。

その上に親子が座り、お弁当らしきものを膝にのせて、のんびりと食事をしていました。芝生も、木陰のベンチも、すぐそこにあるのにです。

うちの子はもう一度、階段を登りきりました。

けれど目の前をシートがふさいでいて、滑り口へは進めません。

それでも親子は、こちらを見ようともしませんでした。場所を空ける気配もありません。

「……すみません」

下から声をかけてみましたが、反応はありませんでした。もう一度言おうとして、やめました。強く言って揉めるのが、怖かったのです。

「ちょっとだけ、待ってみようか」

そう言うのが精いっぱいで、私は子どもをブランコのほうへ連れていきました。

階段に、順番を待つ子が増えていった

ブランコを押しながら、私はときどき滑り台を見上げていました。親子はまだ動きません。

「ママ、まだ、たべてるよ」

子どもがそう言うたびに、私は曖昧にうなずくしかありませんでした。

そのうち、公園に来る家族が少しずつ増えてきました。

滑り台へ向かった子が階段を登り、途中で止まって、また下りてくる。それが何度か繰り返されました。

やがて、下りずにその場で待つ子が出てきました。

一人が階段の途中で立ち止まると、その後ろにもう一人、さらに後ろにもう一人。

階段が、順番を待つ子どもたちで埋まっていきました。誰も文句は言いません。ただ静かに、自分の番を待っているだけです。

その並びに、ようやく親子が気づきました。座ったまま下を振り返り、階段いっぱいの子どもたちを見て、動きが止まりました。

そこからは早かったです。食べかけの包みをまとめ、シートの端を持ち上げてたたみ、抱えて階段を下りていきました。

「ママ、もう、いっていい?」

待っていた子どもたちが、次々に滑っていきます。うちの子も列の後ろに並んで、何度も何度も滑りました。帰り道、私は言いました。

「滑れてよかったね」

子どもは笑ってうなずきました。当たり前のことをわざわざ言葉にした自分が、少しおかしくなりました。

※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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