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子連れ外出にプレッシャーを感じていた母親が、ファミレス店員の気づかいに思わず号泣! 育児不安に寄り添うコミックエッセイ【書評】

  • 2026.8.20

【漫画】本編を読む

ベビーカーは邪魔ではないか。急に泣き出したらどうするか……。小さな子ども、特に乳幼児との外出は緊張の連続で、そんな不安と日々戦っている親は多い。『ちっちゃなやさしさに、今日も救われてます るしこの子育て日記』(るしこ/KADOKAWA)は、育児中に出会った人々の何気ない優しさと温もりを描いたコミックエッセイだ。

著者・るしこ氏は、生まれたばかりの息子との毎日に奮闘している母親だ。子どもとの時間は幸せいっぱいだが、思い通りにいかないことが多いために心も体もヘトヘトに。外出先では子どもがぐずりだしてしまい、親も泣きたくなるような場面も度々訪れる。しかし、そんな彼女を救ったのは、見ず知らずの「通りすがりの人」たちである。

妊娠中のころに電車でさりげなく席を譲ってくれた学生や、寝ている息子の前で小声になってくれる店員。ぐずる息子を道すがらあやしてくれるおばあさん。本作には、そんな街中にあふれているささやかだけど大きな救いになる優しさを描いたエピソードが、優しいタッチで詰め込まれている。

なかでも胸を打つのが、ファミレスでの出来事だ。幼い息子を連れて買い物へ行き、ささっと軽く食事を済ませようとファミレスへ。しかし息子を抱えている姿を見た店員が、親切に座敷席へと案内してくれたおかげで息子が眠り、しっかり食事をとることができたのだ。その後も続く店員の気づかいに、るしこ氏は思わず涙を流してしまうのだった。ほぼ息子との時間ばかりを過ごしているなかで久しぶりに誰かと会話し、誰かが作ってくれたご飯をゆっくり食べ、誰かに親切にされるという「最強のカード」がそろった瞬間、ずっと張り詰めていた心が緩んでいく描写には、子育て経験のある人は激しく共感することだろう。

本作は育児に奔走する親の気持ちに寄り添い、「明日も我が子のためにがんばろう」というパワーを与えてくれるだろう。そして子育て中ではない人にも、「まだまだ世の中捨てたもんじゃない」「困っている人がいたら手を差し伸べよう」といった前向きな気持ちをくれるはずだ。

文=坪谷佳保

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