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マドンナが2026年夏のファッションアイコンに君臨するまで。最新スタイルを解説

  • 2026.8.17
James Devaney / Getty Images

マドンナは5月、シュールレアリスムの巨匠レオノーラ・キャリントンによる、1945年の絵画『聖アントニウスの誘惑』にオマージュを捧げた大胆なメットガラでのルックで、自身のファッション・ルネサンスをスタートさせた。漆黒に包まれた「サンローラン」の魔女のようなガウンに、フィリップ・トレイシーによるイザベラ・ブローの伝説的な難破船ハットを合わせた。

5月のメットガラでは「サンローラン」のミステリアスなガウンをチョイス。 Michael Loccisano/GA / Getty Images

6月には、まばゆいばかりのアルバム『Confessions II』をリリースし、続いてタイムズスクエアでメタリックレザーとピンクのランジェリーを身にまとった大掛かりなサプライズパフォーマンスを披露。7月には、スポーティーなピンクとパープルのコルセット姿でワールドカップのハーフタイムショーを大成功に導いた。そして8月上旬には、アムステルダムで開催されたワールドプライド・ミュージック・フェスティバルにて、カイリー・ミノーグとともに幻想的なパープルの衣装でパフォーマンスを行っている。ポップスの女王が、アーカイブのヴィンテージファッションと無限に広がるピンクやパープルのグラデーションで、またしても自己改革を遂げた、まさに“マドンナの夏”だった。ランジェリー風のブドワール・スタイルやニッチなヴィンテージに対する近年のファッション界の熱狂を考えれば、2026年のサマースタイルのアイコンとして彼女が王冠を手にするのは当然のこと。トレンドがトレンドになる前からすべてをやり尽くしてきた彼女こそ、今のファッションシーンを導く青写真なのだ。

6月4日、ニューヨークのタイムズスクエアで行われたサプライズコンサートにて。 James Devaney / Getty Images

「マドンナはまるで、宇宙のナイトクラブから舞い降りてきた、ポップアイコンの女神のようです」と、専属のスタイリストであり衣装の立役者であるリタ・メルセンは表現する。ふたりはタッグを組み、彼女の新時代に向けた方程式を考案した。それは、マドンナ自身の境界を打ち破るファッションを参考にしつつ、挑発的で規格外なポップテイストのブドワール(貴婦人の寝室)スタイルに新たなひねりを加えたものだ。「ピンクとパープルという、明確なテーマカラーがあります」とメルセンは語る。「アルバム『Confessions II』で私たちが試みたのは、前作から少しだけソフトにすることでした。小さなレースのスリップドレスやテディを取り入れ、ブドワールの美学にもっと傾倒してみたのです。でもだからこそ、オリジナル版のアルバムでフリーダ・ジャンニーニが手がけた素晴らしいレザージャケットなども残しています。なぜなら、私たちは常に何かしらのコントラストを効かせたいと思っているからです。かわいすぎたり、ハードすぎたり、際どすぎたり、ディスコっぽすぎたりするのは避けたい。一見すると両極端にあるようなふたつの要素を、いつもミックスさせたいと考えています」

6月のパリで「サンローラン」のパーティーに来場。 Aflo

アーカイブピースについて言えば、ふたりはマドンナ自身のコレクションと、ポップスの女王がお気に入りのデザイナーたちのアーカイブの両方からアイテムを引き出している。シューズに関しては特にそれが顕著だ。パフォーマンスで履いている「イヴ・サンローラン」のレースアップブーツは、オリジナル版のアルバム『Confessions on a Dance Floor』の時代に、トム・フォードが彼女のために作ったもの。「何年も踊り続けてきたことで、とてもいい味が出ていて、本当に素晴らしいです」とメルセンは付け加える。たとえば、『Confessions II』のショートフィルムでは、ヴィンテージの「ドルチェ&ガッバーナ」のPVCミニドレスと、クリスタルがちりばめられたコルセットを着用している。

6月、パリのメンズファッションウィークでホテルを後にするマドンナ。 Aflo

アルバムカバーで履いていた、カスタムメイドによるメタリックパープルの「イヴ・サンローラン」のパンプスも、マドンナが自身のパーソナルコレクションとして所有していた一足だ。オリジナル版『Confessions on a Dance Floor』の時代に彼女と仕事をしたスタイリスト(B・アカーランドとアリアンヌ・フィリップス)によるカスタムメイドのヴィンテージコルセットは、コルセットメーカーの「ロサモサリオ」や「ピリオド・コルセット」によるアンティーク調の新作アイテムとともに、重要な役割を果たしている。「私自身ヴィンテージの服が大好きなので、これはとても大切なことです」とメルセン。「アーカイブの服を収集する人々をサポートすることが好きなんです。なぜなら、それは歴史の非常に重要な一部であり、過去に起きたことを私たちは決して忘れるべきではないと思うからです」

4月、コーチェラフェスティバルにてサブリナ・カーペンターと共演。 Kevin Mazur / Getty Images

また、このアイコニックな最新ルックの鍵となるのは? それは、彼女のデビュー当時からのシグネチャーな美学へのオマージュである、個性的なグローブなどのアクセサリーだ。レースの手袋、ドライビンググローブ、オペラ丈のグローブなど、彼女はあらゆるスタイルを網羅してきた。現在、彼女はそれらをレイヤードし、シアーなカラーのオペラグローブの上にドライビンググローブを重ねるスタイルを楽しんでいる。「あらゆる色のグローブやシアーなオペラ丈のグローブをそろえ、ルックに合わせて同系色や反対色を組み合わせています」とメルセン。さらに、絶妙な透け感のあるカラフルなヴィンテージサングラスも欠かせない。タイムズスクエアでのサプライズパフォーマンスで着用した、ジョン・ガリアーノによるヴィンテージの「ディオール」のサングラスなどがその好例だ。「サングラスはまさに彼女の代名詞だと思います」とメルセンは語る。「でも私たちは、常に彼女の目を見たいのです。それが、心を通わせるためのとても重要なポイントだと感じています」

7月、FIFAワールドカップのハーフタイムショーに出演。 Carl Recine / Getty Images

マドンナの過去のファッションの探求は、ディープなチャコールブラックやレッド、ディープブルー、あるいはシャンパンカラーやピュアホワイトといった色合いに大きく傾倒していたのに対し、新たな美学はピュアなポップであり、2005年以前への軽快で明るいノスタルジーのスパイスが効いている。

「これは彼女のフェミニニティと柔らかさを表現しています。彼女は超自立した最高にクールな女性だからこそ、少し雰囲気をソフトにすることが新鮮だったのだと思います」とメルセンは付け加える。「時代をミックスさせ、過去、未来、そして現在をこの瞬間にブレンドすることがテーマなのです」。コルセットやコーンブラからブルマー、そして現状維持を拒む過激な姿勢に至るまで、マドンナは常にスタイルを定義し続けている。彼女の次なる展開から、目が離せない。

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