1. トップ
  2. 【ルームツアー】コンパクトで美しい、ロンドンの庭付きフラット

【ルームツアー】コンパクトで美しい、ロンドンの庭付きフラット

  • 2026.8.14
Studio Skey

それは、スタジオ・スケイがイーストロンドンの緑豊かなウォンステッドで、とあるプロジェクトに取り組んでいたときのこと。ひとりの女性が、このインテリアデザイン・スタジオの名が表示された工事標識を見つけた。この界隈に住む彼女は、ちょうどもう少し狭い場所への引越しを考えている最中だった。これから購入しようとしている、あまり魅力的とは言えない(頑丈であること以外、とりえのなさそうな)庭付きのフラットを、理想の住まいへと改装してくれるパートナーを探していたのだ。

「伝えたのは、私たちが美しいものをつくるためには努力を惜しまないということ」と、スタジオ・スケイの共同設立者、ジョルジーナ・ケイは振り返る。「彼女は今は亡き夫と建て、子どもたちが巣立って行った思い出深い家を手放した後の喪失感を抱えていました。先の私たちのコメントは、その気持ちを上書きできる住まいを実現する、という私たちの決意表明でもありました」UK版「エル・デコ」より

Taran Wilkhu

幸運なことに、彼女とスタジオ・スケイの好みは見事に合致していた。「クライアントは、ミニマルでモダン、快適、そしてフェミニンなスタイルを望んでいました。それは私たちがひそかに夢見ていたオーダーでもあったのです。このプロジェクトが私たちのお気に入りのひとつになったのも、至極当然です」とケイ。

Taran Wilkhu

フラットには、統一感のない変更が繰り返し加えられていた。床の高さを上げている場所さえあった。「これを見つけたとき、内部に配管でも通っているのだと思ったんです。ところが、解体してみると何もない。純粋なるデザイン的視点で下された決断だったのです」と、ケイは明かす。低い土地に立つという建物の特性を考えると、最優先すべきは自然光を最大限に生かすことだった。

Taran Wilkhu

ケイと同じく共同設立者のソフィ・スコットが最初に行ったのは、オープンプランのキッチン・リビングエリアに続く2つの開口部のうちの1つを閉じ、そこに上部にガラスをはめた光沢仕上げの両開き扉を設置することだった。続いて、リビングとエントランスの間には屋内用の窓を設えた。

Taran Wilkhu

素材を選ぶ上で大切にしたのは、テクスチャーと快適さ。ライムストーンとチェッカーボード柄のフロアタイルという選択は大正解だった。「これらをエントランスとバスルームに使用したいともくろんでいました。だから、実際に工事が始まってから設置する段階が訪れるまで、18ヶ月も倉庫に保管していたんです」

Taran Wilkhu

磨き上げられた大理石、ブラッシング仕上げを施したオーク材、それからテクスチャー豊かな漆喰が、フェミニンで洗練された雰囲気をつくり上げた。その数々のレイヤーが、スタジオ・スケイが修復した装飾的な張り出しをはじめとする繊細な建築的ディテールと調和し、このモダンなリノベーションが成功したことを知らしめている。

Taran Wilkhu

ケイとスコットのクライアントにとって、30年間暮らした家を離れることは、まさに未知への旅の始まりだった。そして、ふたりは彼女が新たな人生へと一歩を踏み出す手助けができたことを光栄に思っていた。

「とてもエレガントで、聖域のような空間を目指しました」とケイは話す。それは、1人で快適な時間を過ごすことができると同時に、ゲストにとっても居心地のよい場所。この試みは無事に成功したようだ。

Taran Wilkhu

クライアントからはこんな言葉が届いた。「先日友人たちがここに宿泊し、盛大な誕生パーティーを開いたんです。ディナーでゲストをもてなすこともあります。孫たちはここで過ごす時間が大好き。こんなに美しい場所を持つことができて、わたしは本当に幸せです」

Original Text : PHOEBE FRANGOUL Translation : CHISATO YAMASHITA

Hearst Owned

あわせてこちらもCheck!

Hearst Owned
Hearst Owned
元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ