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オリヴィア・ディーン「Man I Need」に日本発カバー。発端は1本の投稿動画

  • 2026.8.14

第68回グラミー賞で最優秀新人賞に輝いたオリヴィア・ディーンの大ヒット曲「Man I Need」を、FRUITS ZIPPERの仲川瑠夏がカバー。その映像が公開された。海を越えたこのコラボレーションは、SNSに上がっていた1本の動画から始まっている。(フロントロウ編集部)

レコード会社の担当者が、たまたま見つけた

いま、英国からもっとも遠くまで届いている声のひとつが、オリヴィア・ディーンのものだ。第68回グラミー賞の最優秀新人賞を受賞し、ブリット・アワード2026では最優秀アルバム、最優秀アーティストを含む主要4部門を制覇。アワードを総なめにした彼女の代表曲が、日本語圏のリスナーに向けて歌い直された。

カバーしたのは、7人組アイドルグループFRUITS ZIPPERの仲川瑠夏。『Man I Need / Olivia Dean』 covered by 仲川瑠夏(FRUITS ZIPPER)と題された映像が、グループの公式YouTubeチャンネルで公開された。白い壁を背景に、カメラを見つめて口ずさむ場面から始まる映像で、FRUITS ZIPPERでの愛らしいイメージとは違う一面が引き出されている。

FRUITS ZIPPERの仲川瑠夏
画像提供:ユニバーサル ミュージック

興味深いのは、この企画が日本側の売り込みから生まれたものではないという点だ。きっかけは、オリヴィア・ディーンのレコード会社の担当者が、仲川が自ら投稿していた英語歌唱の映像を目にしたこと。そこから声がかかり、コラボレーションが実現した。アワードの常連となったアーティストの陣営が、日本のアイドルの投稿にたどり着く——ストリーミングとSNSが同じ地平に並んだ時代らしい経路と言える。

「今までやったことのない難しい曲」

当の仲川にとって、この曲は自分の得意な引き出しの外側にあった。今回のカバーについて、仲川瑠夏はコメントで語った。

「この企画をいただいた時にオリヴィア・ディーンさんを知って、いっぱい聞いたのですが、とてもカッコよく、グルーヴ感が最高で、素敵な機会に素敵なアーティストさんに出会えてすごく幸せでした」

惹かれたのは、曲の佇まいと歌詞の落差だったという。「格好良さの中に、歌詞には”話して”といった女の子らしい部分があって、楽曲とのギャップに惹かれたので『Man I Need』が大好きです」と明かしている。

そのうえで、準備には相当な時間をかけた。「楽曲を普段カバーする時に、自分の声に合った曲を選びがちなのですが、この企画をいただいた時に今までやったことのない難しい曲だと思い、ボーカルの先生にたくさん教えてもらって、リズムの取り方、英語、発音なども指摘してもらい、ボイスメモで撮って何度も振り返って気をつけるところ、楽しんで歌うところをずっと考えていた」。何カ月ものあいだオリヴィアの曲を聴き続けたことが、いい思い出になったとも語っている。

総再生21億回、まもなくリリース1周年

カバーの対象になった「Man I Need」は、2025年9月発売のアルバム『The Art of Loving』に先駆けて同年8月15日にリリースされたシングル。全英シングルチャート1位、全米シングルチャート2位を記録し、アルバム発売から1年近くが経った今も、両チャートのトップ20に居座り続けている。楽曲の総再生回数は21億回を超え、ミュージックビデオも1億回を突破した。カバー映像が出たのは、この曲がリリース1周年を迎える直前というタイミングだった。

アルバム『The Art of Loving』のジャケット
画像提供:ユニバーサル ミュージック

オリヴィア・ディーンは、ネオ・ソウルとR&B、ジャズを溶かし込んだサウンドで支持を広げてきたシンガー・ソングライターで、Spotifyの月間リスナー数は全世界で4,400万人を超える。『The Art of Loving』では全英のシングル・チャートとアルバム・チャートで同時に1位を獲得し、両チャート同時制覇は女性ソロアーティストとしてアデル以来の快挙となった。全米ではアルバム5位、シングル4位。

日本との縁も浅くない。2024年にはサマーソニックに初出演し、神田スクエアホールでの単独公演も行なっている。日本盤アルバム『ジ・アート・オブ・ラヴィング』(UICW-10035/3,300円税込)は2026年1月23日に発売済みで、ライヴ音源3曲がボーナストラックとして加えられている。

直近では、ロラパルーザ2026でヘッドライナーを務め、約10万人を沸かせたばかり。2月からは英O2アリーナ6公演、マディソン・スクエア・ガーデン4公演を含むツアーを走り続けている。その最中に届いた日本発のカバーは、彼女の1年がどこまで届いたかを示す、ひとつの目印でもある。

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