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「子どもが3人いるんだから近くに停めさせて」駐車場の優先を求めた保護者。だが、先生が返した一言で態度が一変

  • 2026.8.12

朝の送迎で、車の列が止まった

息子が保育園に通っていた頃の話です。

園には送迎用の駐車場が二か所ありました。ひとつは園舎のすぐ横、もうひとつは150メートルほど離れた場所です。

近い駐車場は台数が少ないため、朝の混雑時は入口に立つ先生の案内に従って、空いているほうへ順番に停める決まりになっていました。

ある朝、私が息子を乗せて園へ向かうと、入口の手前で車の列が止まっていました。

前を見ると、一台の車が入口付近に停まったまま動きません。

運転席の女性が窓を開け、誘導していた先生に何か訴えていました。

「どうしてうちが向こうなんですか?」

先生は離れた駐車場を示しながら、落ち着いた声で説明していました。

「こちらが満車ですので、今日は第二駐車場へお願いします」

すると女性は納得できない様子で言いました。

「でも、うちは子どもが3人いるんですよ。3人を連れて150メートルも歩くの、大変なんですけど」

車内を見ると、後部座席には園児くらいの子どもたちが乗っています。

確かに大変そうだとは思いました。

しかし、女性はさらに続けました。

「子どもが1人の家庭を向こうに案内すればいいじゃないですか。人数が多い家庭を近くに停めさせるほうが普通じゃないですか?」

後ろには送迎の車が何台も並んでいました。

私も息子を乗せたまま待っていましたが、列はなかなか動きません。

先生が変えなかったルール

先生は女性の話を遮らず、最後まで聞いていました。

そして一度うなずいてから、静かに答えました。

「お子さんを何人も連れての送迎が大変なのは分かります」

女性の表情が少し緩みました。

しかし、先生は続けました。

「ただ、近い駐車場を使えるご家庭を、お子さんの人数で決めることはしていないんです」

「皆さんそれぞれ事情がありますので、混雑する時間帯は空いている場所へ順番にご案内しています」

女性は不満そうに眉を寄せました。

「でも、3人ですよ?」

すると先生は声を荒らげることなく、もう一度言いました。

「大変だからこそ配慮できることは考えます。でも、ほかのご家庭の順番を後ろにすることはできません」

その言葉を聞いて、女性は黙りました。

少し間があったあと、「分かりました」と窓を閉め、ゆっくりと車を動かしました。

先生は第二駐車場へ向かう道を示し、女性の車を見送りました。

そしてすぐに私の車へ向き直りました。

「お待たせしました。こちらへどうぞ」

その一言で、止まっていた列が再び動き始めました。

数日後、第二駐車場から子どもたちと歩いてくるあの女性を見かけました。

一人の手を引き、もう一人にも声をかけながら歩く姿を見ると、毎朝の送迎が大変なのは伝わってきました。

それでも、その日は先生の案内に従って普通に門へ向かっていました。

家庭によって、大変さの中身は違います。

だからこそ、誰か一人の事情だけで順番を変えないという先生の対応が、今でも印象に残っています。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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