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オタクの夫が突然他界し、妻が直面したのは悲しみだけじゃなかった。押し寄せる手続きに幼い子どもふたりを抱えて大奮闘!【書評】

  • 2026.8.10

【漫画】本編を読む

『ある日突然オタクの夫が亡くなったら? 身近な人が亡くなった時にやるべきこと、起こること』(こさささこ/KADOKAWA)は、夫に突然先立たれた著者・こさささこ氏が、その後に直面した現実を描いた作品だ。大切な人を失った悲しみだけでなく、その直後から始まる数々の手続きや生活の変化についても描かれており、「もしも」に備える大切さを教えてくれる。

ある日突然、著者は40代の夫を亡くす。しかも残されたのは幼いふたりの子ども。深い悲しみに暮れる間もなく、役所への届け出や保険、年金、相続など、次々と押し寄せる手続きに追われることになる。さらに、オタクだった彼が残した膨大なコレクションの整理という、いわゆる「オタクの遺品」問題も発生する。予期せぬ死が家族にもたらす影響の大きさを痛感させられる。

行政の手続きやお金の問題、相続の手順などは複雑で、普段の生活のなかではなかなか知る機会がない。だから本作に描かれている著者のひとつひとつの苦労話には強い説得力がある。

一方で、突然パートナーを失った人間の心の揺れや、幼い子どもたちを支えながら前を向こうとする姿も描かれる。夫の食生活や睡眠時間にもっと気を配るべきだったと後悔したり、夫の死後不安定になった子どもとの生活に思わず「死にたい」と漏らしてしまったりしながら、それでも少しずつ日常を取り戻していく過程には胸を打たれるものがある。

タイトルにある「オタクの夫」が集めた趣味のフィギュアやDVDなどのコレクションの処分も、現代ならではの問題だろう。死後の備えが決して高齢者だけの問題ではなく、金融資産や不動産、保険以外にも共有しておくべき情報があるということを気づかせてくれる。

人は誰しも、いつかは必ず大切な人との別れを経験する。しかし、その別れが突然訪れたとき、何が起こるのかを具体的に知る機会は少ない。悲しみの記録であると同時に、残された人がその後を生きていくための実用的なガイドでもある本作に、教えられることは多いはずだ。

文=練馬麟

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