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医者に診せたけど消えない違和感…「母の勘」が我が子を救うこともある。 知っておきたい子どもの体調不良との向き合い方【書評】

  • 2026.8.7

【漫画】本編を読む

『母の勘を信じて 次男が入院するまでの記録』(みほはは:著、Dr.しば:監修/KADOKAWA)は、幼い次男の体調不良をきっかけに、「母の勘」と医師の診断との間で揺れ動く母親の葛藤を描いたコミックエッセイ。子育てをしてきた親なら経験する、「医者に行くべきか、様子を見るべきか」という難しい判断に真正面から向き合った一冊だ。

主人公は、ふたりの子どもを育てる母親。ある日、次男の様子がいつもと違うことに気付く。病院に行ったものの、医師の診断では深刻な状態とは言われない。しかし、「何かがおかしい」という違和感だけは消えなかった。そんな自分の勘を信じるべきか、それとも医師の判断を信じるべきか。迷い続けた末に下した決断が、次男の運命を大きく左右することになる。

本作で描かれる「母の勘」は、決して精神論やオカルトなどではない。毎日子どものそばで過ごし、わずかな表情や声、仕草の違いを見続けてきた親だからこそ気付ける異変がある。その一方で、医師の診断を疑うことへのためらいや、「気にしすぎではないか」という外野の声も描かれており、母親という役割がいかに大変なものであるか、痛いほど伝わってくるだろう。

本作は医療機関を否定する作品ではないものの、病院の対応に憤りを感じる場面も少なくない。だから小児科医・Dr.しば氏による監修コラムの存在が大きい。医師に対する不満や不快な体験談だけで終わらせるのではなく、子どもの体調不良とどう向き合うべきか、保護者が知っておきたい知識がこのコラムで補われており、実用書としての側面も備えている。

子どもの命を守る責任を負う親にとって、「あのとき病院へ行くべきだったのではないか」という後悔ほど苦しいものはないだろう。本作は、「親として抱いた違和感を信じて行動すること」の重要性を教えてくれる。今まさに小さな子どもを育てている人はもちろん、これから親になる人にもぜひ読んでほしい作品だ。

文=富野安彦

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