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「これを渡そうと思って」無愛想だった常連客。だが、最終出勤日にくれた手紙に心が温まった瞬間

  • 2026.8.9
「これを渡そうと思って」無愛想だった常連客。だが、最終出勤日にくれた手紙に心が温まった瞬間

毎回、同じ注文をする無口なお客様

学生の頃、私は駅の近くにある小さなカフェでアルバイトをしていました。

夕方になると仕事帰りのお客様が続き、レジの前に列ができることも珍しくありません。

慣れないうちは注文を聞き間違えたり、会計に時間がかかったりして、落ち込む日もありました。

そんな店に、週に何度か来店する一人の男性客がいました。

いつも同じ時間帯に現れ、決まって同じ飲み物と軽食を注文します。

「コーヒーとサンドイッチをお願いします」

必要なことだけを静かに告げ、商品を受け取ると窓際の席で過ごす方でした。

怒っているわけではないのですが、表情がほとんど変わらないため、働き始めた頃の私は少し緊張していました。

それでも何度も接客するうちに、注文を覚えるようになりました。

「いつものご注文でよろしいですか」

そう尋ねると、その方は少し驚いた顔をしたあと、小さくうなずきました。

「お願いします」

それからは、会計の際に「今日は寒いですね」「混んでいて大変ですね」と、短い言葉を交わすようになりました。

無愛想だと思っていた方は、口数が少ないだけだったのです。

アルバイト最終日に渡された封筒

大学の卒業が近づき、私はアルバイトを辞めることになりました。

最終勤務日の数日前、そのお客様に退職することを伝えると、少し驚いた表情を見せました。

「そうですか。寂しくなりますね」

それだけ言うと、いつもの席へ向かっていきました。

そして迎えた最後の勤務日。

夕方になり、その方がいつものように来店しました。

「今日で最後なんですよね」

「はい。今までありがとうございました」

いつもの注文を用意してお渡しすると、その方は会計を済ませたあともレジの前に立っていました。

「これを渡そうと思って」

そう言って差し出されたのは、手のひらほどの小さな封筒でした。

「いつも丁寧に接客してくれて、ありがとう。忙しいときでも笑顔で対応してくれるから、ここに来るとほっとしていました」

私は驚きながら封筒を受け取りました。

休憩時間に中を開くと、小さな便箋に丁寧な字で感謝の言葉が書かれていました。

自分では目の前の仕事をこなすことで精いっぱいだったため、接客を見てくれている人がいたことが、何よりうれしく感じられました。

その手紙は、アルバイトを辞めてからも大切に保管しています。

表情や口数だけでは、その人の気持ちは分からないものです。

無口だった常連客が最後にくれた言葉は、接客の仕事に悩んでいた私に、自信を与えてくれました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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