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セラカイ・スタジオが現代アートのグループ展「CERTAINLY TOKYO」を東京・表参道にて開催

  • 2026.8.6
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Serakai Studio(セラカイ・スタジオ)が、東京・表参道のPath Omotesandoにて、グループ展「CERTAINLY TOKYO」を開催。2026年3月に香港のサロン「GOLD」で初開催された展覧会「CERTAINLY」の第2章として巡回展のような位置付けで展開されています。

セラカイ・スタジオのグループ展「CERTAINLY TOKYO」が表参道で始動

Maria Taniguchi《Figure Study》2015年 Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery

建築環境への先進的な投資家であり、東京や香港、バンコクをはじめとする各都市にて、アートと文化を基盤としたコミュニティに根差した場所を創造するセラカイ。その活動全体を牽引するシンクタンク兼研究開発拠点のセラカイ・スタジオが、2026年3月に香港で開催された展覧会「CERTAINLY」の第2章として、表参道にてグループ展「CERTAINLY TOKYO」を開催。

Santiago Sierra《250 cm Line Tattooed on Six Remunerated People,Espacio Aglutinador, Havana, Cuba, December 1999》1999年 Courtesy Estudio Santiago Sierra

同展の着想源となっているのは、アーティストであり作曲家でもあるラ・モンテ・ヤングが1960年に発表した《Composition 1960 #10》という先駆的な作品。これは、「直線を引き、それに従え」というたった一行の単純な指示作品でした。しかし実際に線を引こうとすると、手元が揺らいだり、思いがけない方向へ逸れてしまったりと、完璧に実行することの難しさに直面します。この「計画通りにいかないこと」を、単なる失敗ではなく、新しいものを生み出すための「前向きな力」として捉え直すのが同展の試みです。

世界各地のアーティストが“不確かさ”を芸術的な視点で紐解く

Weng-Io Wong《Untitled(I see myself seeing myself)》2017年 Courtesy of the artist

同展を企画したのは、セラカイ・スタジオの共同創設者でありキュレトリアル・ディレクターを務めるトビアス・バーガーさん。日本の大竹伸朗(オオタケ シンロウ)さんをはじめ、香港、韓国、米国、スペイン、ニュージーランド、マカオからアーティストたちが参加しました。彼らの作品は、完全に予測できないという不可能性を問いながらも期待が崩れ始めた時に現れる「創造的な空間」を照らし出し、結果が分からない状況に直面した時、どのような表現が生まれるのかという問いに挑みます。

セラカイCEOのベンジャミン・チャが語る「CERTAINLY TOKYO」開催の意義とは

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長年にわたってアジアでの現代美術機関の発展に貢献してきた、セラカイCEO兼創業者でありセラカイ・スタジオ共同創業者のBenjamin Cha(ベンジャミン・チャ)さん。「CERTAINLY TOKYO」の開催に至った経緯や今後の展望について話を伺いました。

<Profile>
Benjamin Cha(ベンジャミン・チャ)/セラカイCEO兼創業者、セラカイ・スタジオ共同創業者

スタンフォード大学経営大学院にてMBA、ミドルベリー大学で国際政治学および経済学の学士号を取得。アジアにおいて25年にわたる不動産投資の経験を有し、地域およびグローバルのプリンシパル、機関投資家、ジョイントベンチャー・パートナーを代表する受託者として活動。香港における現代美術機関の発展に20年以上関わっている。M+ミュージアム、ウェスト・カオルーン文化地区管理局、大館(Tai Kwun)文化・芸術センターの理事を歴任し、同センターではプログラミング委員会の委員長に就任。また、テートのアジア太平洋収集委員会およびサーペンタイン・ギャラリーズのアジア評議会のメンバーを経て、現在はアジア・アート・アーカイブの理事として、アーバン・ランド・インスティテュートのグローバル・ガバニング・トラスティーも務めている。

――セラカイが東京という都市に興味を持ち、魅力を感じている理由を教えてください。

東京は、ダイナミックなアートと文化が有機的に発展する、稀有な文化環境の好例です。表参道や原宿といったエリアを見ても、その活気は、歩行者中心の都市設計や用途の混在、そしてボトムアップに育まれる文化によって生まれる「生成的」な性質に支えられています。その結果、人のスケールに寄り添った都市空間の中に、洗練された陶芸のギャラリーやヴィンテージの書店・ファッションのブランドショップ、さらには分野横断的なデザインスタジオが、主要なアートや建築のランドマークと呼応するように自然発生的に共存しています。

セラカイは、こうした既存の文化的対話に真摯に耳を傾け、そこに参加しながら、コミュニティの社会的な織物に対して誠実に価値を加えていくことに、大きな意義と喜びを感じています。最近のオープニングを通して、地元の牧師やSF作家、哲学からファッションへと領域を横断する編集者など、近隣の方々と出会えたことも大きな刺激となりました。私たちはこのコミュニティの一員として、責任ある長期的な関わりを持つために、時間とリソースを惜しまず投資していきます。

――東京での活動のスタートとして、香港で初めて発表したアート展「CERTAINLY」のポップアップ版を開催されていますが、その理由は何ですか?

「CERTAINLY TOKYO」は、異文化間の対話を育むという私たちの哲学を、静かに体現する試みです。本展は、2026年3月に香港・黄竹坑の現代アートエリアにオープンした新たなサロン「GOLD」で開催した初回展の巡回的な展開でもあります。黄竹坑のサブカルチャーから生まれたこの展示を表参道へと移し替え、その土地固有の空間に応答することで、より深い対話を生み出したいと考えました。不確実性や実験性を創造の原動力として捉え、それらがいかに普遍的で人間的な経験であるかに目を向けています。文化や人々の間にこうしたダイナミックで持続的な流れを生み出すことは、私たちにとって極めて重要です。

South Ho Siu Nam《Heaviness and lightness》2021年 Courtesy of the artist and Blindspot Gallery

――香港で最近オープンしたサロン「GOLD」のように、東京でも常設のサロンスペースを設ける予定はありますか?また、サロンの目的やプログラム、運営方法について教えてください。

はい、東京においても常設のサロンスペースを設立することを視野に入れています。私たちは、20世紀初頭にゲルトルード・スタインがパリ左岸で開いたサロンや、ブラック・マウンテン・カレッジにおけるヨゼフ&アニ・アルバースの活動に見られるような、知的かつ分野横断的な文化交流の場に着想を得ています。アジアにおいて新たな空間の在り方を提示し、サロンを通じてコミュニティと深く関わっていくことが、私たちの大きな目標です。例えばこの2年間、東京で3カ月に1度サロン形式のディナーを開催してきました。20年来の友人やコラボレーターに加え、新たに生まれた刺激的な関係性も広がっています。これらは社交的な場でありながら、常に知的で創造的な対話を伴うものです。また別の機会には、M+ミュージアムと共に支援したサラ・モリスの長編映画『ETC(2023)』の上映会を行い、都市空間について活発な議論を交わしました。

――日本(あるいはアジア)でどのようなコミュニティを育てたいと考えていますか?

私たちは、ローカルのアーティストやファッションデザイナー、思想家、建築家、電子音楽家など、多様な領域を横断する人々が交差するコミュニティを育てていきたいと考えています。彼らは現代アジアの文化を形づくる存在であり、そこから新たなコラボレーションやアイデアが生まれることを期待しています。そして何より、豊かで刺激的な友情が育まれることです。突き詰めれば、とてもシンプルなことです。人は、活気ある文化とダイナミズムに満ちた空間の中で、互いに質の高い時間を共有することを楽しむものだと、私たちは信じています。

「CERTAINLY TOKYO」の会期は9月30日まで

Young-Hae Chang Heavy Industries《LET A HUNDRED ARTWORKS BLOOM, WILT, AND DIE》2026年 Hearst Owned

グループ展「CERTAINLY TOKYO」はPath Omotesandoにて9月30日(水)まで開催されています。交流や実験、そして予期せぬものを受け入れる姿勢を大切にするセラカイ・スタジオの理念が込められた同展で、不確かさの中に宿る豊かさとはという芸術的な探求の姿を感じてみてください。

【CERTAINLY TOKYO】
会期/~2026年9月30日(水)
会場/Path Omotesando
所在地/東京都渋谷区神宮前5-6-5
開館時間/15:00〜18:00
※休館日/月~木曜日
⼊館料/無料
参加アーティスト/
・Pak Sheung Chuen(白雙全)
・South Ho Siu Nam(サウス・ホー・シウ・ナム)
・Lousy(ラウジー)
・Young-Hae Chang Heavy Industries(チャン・ヨンヘ重工業 )
・Santiago Sierra(サンティアゴ・シエラ)
・Shinro Ohtake(大竹伸朗)
・Peter Robinson(ピーター・ロビンソン)
・Maria Taniguchi(マリア・タニグチ)
・Weng Io Wong(ウォン・イウ・ウォン)
URL/www.serakai.studio/happenings

問い合わせ先
Serakai Studio
MAIL/enquiry@serakai.studio
URL/www.serakai.studio

INTERVIEW:AYANO ISHIHARA

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