1. トップ
  2. ラッフルズ・ホテル・シンガポールの新レストランへ|「1887 バイ・アンドレ」で味わう時の美食

ラッフルズ・ホテル・シンガポールの新レストランへ|「1887 バイ・アンドレ」で味わう時の美食

  • 2026.8.5
1887 by André

1887年創業の「ラッフルズ・ホテル・シンガポール」。その歴史ある本館に、2026年3月31日、新たなレストラン「1887 バイ・アンドレ(1887 by André)」が誕生しました。

そして2026年8月には「ミシュランガイド シンガポール 2026」で二つ星を獲得。あわせて「オープニング・オブ・ザ・イヤー」をダブル受賞するという快挙を果たしました。

このレストランを手掛けるのは、かつてシンガポールで「レストラン・アンドレ」を開き、この地のガストロノミーに大きな足跡を残したアンドレ・チャンさん。「世界のトップ・シェフ100人」に選ばれた台湾出身のフランス料理のシェフです。

オープン前に予約がスタートすると、世界中のファンからの予約が押し寄せて話題を呼びました。それほどまでに注目を集めるレストラン。まさにここを目的地としてシンガポールへ旅したい、そんなニュースポットの誕生です。

美しいコロニアル建築の「ラッフルズ・ホテル・シンガポール」。「1887 バイ・アンドレ」は、その本館1Fにオープンしました。宿泊しなくても利用できます fujingaho

歴史ある本館に誕生した42席のレストラン

店名の「1887」は、ホテルの創業年に由来します。ここで表現されるのは、フランス料理の哲学に、シンガポールの多文化的な背景とホテルの記憶、現代の技術を重ねたコンテンポラリー・ヘリテージ・ガストロノミー。伝統を現代的な技術で解釈し、受け継がれてきた味や物語を、いまの感性へとつなぎます。

1887 by André

熱帯の温室のような美しいダイニングルーム

デザインを担ったのは、建築家兼デザイナーのビル・ベンスリーさん。100年の歴史をもつフォーマルダイニングルームを、熱帯の温室とホテルの建築様式から着想した没入感ある空間へと再構築しました。

頭上ではエメラルドグリーンの扇形ファンが静かに動き、19世紀の電球をイメージしたシャンデリアは、この地域で初めて電灯を導入したホテルへのオマージュ fujingaho

足元には、建物の初期から残るヘリンボーン柄の木製床。その縁を大理石が端正に囲みます。壁から天井へと伸びるパームツリーはベンスリーさん自身の手描きで、見上げれば、ヤシの木がそびえる空の下にいるようです。

ホテルのアーカイブから選ばれたアンティークやトラベラーズ・パームを刻んだ銀食器も、「ラッフルズ・ホテル・シンガポール」の時間を物語る大切な一部 fujingaho

アラカルトで組み立てる自由な美食の時

料理は60以上あるアラカルトメニューから心の赴くままに選ぶのが「1887 バイ・アンドレ」のスタイル。その日の気分でボリュームをコントロールできるのは、時代の気分にも寄り添っているといえるでしょう。

とはいえ一方で、アンドレさんの旅路に着想を得た「モネ」「エッフェル」「ベルナール」の3つのセットメニューも用意されています。「モネ」と「エッフェル」は手軽に楽しめる構成、「ベルナール」は五感を刺激する体験として設計されています。

〇Formule Monet(モネ) S$198~/1名 支払額の目安:S$237.40 「前菜3品またはアントレ1品」+「スープ/ポタージュまたはライス/パスタ」+「魚介または肉」+「クラシックデザート」

〇Formule Eiffel(エッフェル) S$258~/1名 支払額の目安:S$309.34 「前菜3品またはアントレ1品」+「スープ/ポタージュ」+「魚介」+「肉」+「Les Déclinaisonsまたはクラシックデザート」

〇Formule Bernhardt(ベルナール)S$368~/1名 支払額の目安:S$441.23 デギュスタシオン・メニュー(2名以上からで、2名の料理代はS$736~、支払額の目安はS$882.46)

※S$1=約123円(2026年8月時点)

カウンター席があり、アラカルトでのオーダーが中心のため、じつは1人で来店するお客さまも多いのだといいます。地元の女性の1人客もよくいらっしゃって、ご自身のペースで楽しんでいるとのことです。こういったレストランで「おひとりさまOK」は貴重。ぜひ覚えておいてください 1887 by André

厨房を率いるのは、台湾出身の料理長ベン・ワンさんと副料理長ロイ・クオさん。アンドレさんの台北の名店「RAW」で経験を重ね、10年近くアンドレさんから指導を受けてきた2人が、その哲学を皿の上へと丁寧につなぎます。

左から、アンドレ・チャンさん、ベン・ワンさん、ロイ・クオさん 1887 by André

8つの哲学から導き出される至福の一皿

約100年前のレシピに着想した「1887年からのタートルスープ」、アンドレさんの料理の原点に根ざす「フォアグラのロワイヤル」はぜひ召し上がっていただきたいシグネチャーです。選ばれた料理はテーブルサイドで提供されたり、仕上げられたり。優雅さのなかに親しみやすさを感じさせる時間が生まれます。

「“Turtle Soup” from 1887(1887年の「タートルスープ」)」S$38は、鶏とハタのコラーゲンたっぷりのスープ。かつてのように亀を使うのではなく、鶏と魚(ハタ)、さらにナマコを用いることで伝統的な“タートルスープ”に限りなく近づけているといいます fujingaho

アンドレさんには「オクタフィロソフィ(8つの料理哲学)」があり、彼の作る料理にはこのエッセンスが大切に、散りばめられています。それは①ピュア(素材の味)②ソルト(自然の塩味)③アルティザン(職人への敬意)④サウス(南フランスでの原体験)⑤テクスチャー(さまざまな食感)⑥ユニーク(食材の組み合わせの独創性)⑦メモリー(記憶や経験から生まれる味)⑧テロワール(大地や自然へ感謝)の8つです。

アンドレさんが独立したときに初めて考案し、それ以来自身を代表する1皿になっているのが「Royale of Foie Gras – Memory(フォアグラのロワイヤル“記憶”)」S$38です。これはシェフの“オクタフィロソフィ”の1つ、⑦のメモリーを象徴する味。濃密な舌触りとブラックトリュフの豊かな香りが口のなかだけでなく、感覚をすべて捉えて離さず、忘れられないひとときをもたらしてくれます fujingaho
魚介と蒸し野菜、クリスピーライスがそれぞれ別の皿に出てきて、それを自由に盛り合わせる「Raffles Laksa Paella(ラッフルズ・ラクサ・パエリア)」(シェア用)はS$128。シンガポールらしく“ラクサ”味なので、魚介にはココナッツ風味のエスプーマがたっぷり fujingaho
ついつい食べ過ぎてしまう……パンも絶品。右奥の3つ連なった丸いパンは、「Steam Bun on Cast Iron Pan(鋳鉄パンで仕上げた蒸しパン)」S$25。麻辣タレやピーナッツダレをつけて、エスニックな味わいに fujingaho

デザートと飲み物にも夢物語の続きを

デザートは、一つの主食材を異なる調理法で表現する「レ・デクリネゾン」。自然の色彩や古典的な表現から着想し、季節感と視覚的な美しさを重ねます。

ドーム状になったビーツのメレンゲ。割るとなかからベリーのサラダ、そしてサングリアのソルベが出現します。「Le Violet / Royal Violet(ロイヤル・ヴァイオレット)」は S$32。ほかにアイスクリームから華やかなパルフェまで、この日はデザートだけでも目と舌と心にうるおいをもたらす3皿をいただきました fujingaho

また、ドリンクはワイン、カクテル、スピリッツに加え、レモネード、スペシャルティコーヒー、稀少な紅茶、自家製ノンアルコールペアリングまで幅広く用意。アルコールを選ばない夜にも、料理と響き合う選択肢が豊富にあります。

1887年創業のホテルが受け継いできた記憶を大切にしながら、新しい味へと歩みを進める「1887 バイ・アンドレ」。記念日にも、大切な人との集まりにも、料理とともに過ごした時間そのものが、やさしく心に残るレストランです。

第二次世界大戦中、「ラッフルズ・ホテル・シンガポール」では大切な銀食器を守るため敷地内の庭に埋めて隠していたといいます。それを戦後に掘り起こしたものがこちら。1887年から続く「ラッフルズ・ホテル・シンガポール」の物語をいまにつなぐべく静かな輝きを放ちながら「1887 バイ・アンドレ」のエントランスに飾られています fujingaho
「ラッフルズ・ホテル・シンガポール」では、ここ「1887 バイ・アンドレ」と歴史ある「ティフィンルーム」だけで、創業時から受け継がれている(つまり第二次世界大戦中に埋められていた)銀食器で食事をすることができます。長い歴史に思いを馳せるひとときを fujingaho

電話:(65) 6412 1816
メール:1887byAndre@raffles.com
営業時間:火~土曜 ランチ11時30分~13時30分、ディナー18時~20時(ともに最終入店) 定休日:日・月曜 席数:42席 年齢制限:18歳以上 ドレスコード:スマートカジュアル。男性はテーラードパンツとつま先の隠れる靴を着用

住所:1 Beach Road, Singapore 189673(ラッフルズ・ホテル・シンガポール 本館1F)

〇選りすぐりの記事を毎週お届け。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ