1. トップ
  2. 「アップル」の本社&研究所へ潜入! 役目を終えたiPhoneの行方とサステナブル最前線を現地リポート

「アップル」の本社&研究所へ潜入! 役目を終えたiPhoneの行方とサステナブル最前線を現地リポート

  • 2026.8.4
Hearst Owned

皆さんは今持っているスマホを、何年くらい使っている? 「毎年新しいものに買い替えるのがステータス!」なんて時代もあったけど、実は今、ひとつのiPhoneを長く大切に使い、そして“賢く手放す”ことも、サステナブルなアクションなんだとか。

今回は、カリフォルニア州・クパチーノの「アップル」本社からテキサス州のリサイクル技術の研究所まで、アメリカを横断し、私たちが毎日使っているiPhoneのヒミツに迫るツアーに潜入!

※記事内の一部写真は最新のiPhone 17 Pro Maxで撮影したもの。現地の空気感と美しい画質にもぜひ注目して!

Hearst Owned

本社「Apple Park」に潜入!

敷地面積は約70万8,200平方メートルで、東京ドーム約15個分! Kirby Lee / Getty Images

ベイエリアだけで200以上の拠点があり、約1万5,000人ものスタッフが働く本拠地「Apple Park」。広大な敷地内には約7,000本(うち4,000本はカリフォルニアオーク)の木々が植えられ、スタッフが移動に使う600台のシルバーの自転車が並ぶ。屋根には一面ソーラーパネルが敷き詰められ、池には再生水を使用。自然の風を取り入れた換気や冷却システム(ラジアートシステム)を採用するなど、環境保全への本気度が伝わってくる。

日常のハプニングを完全再現⁉ iPhoneの限界に挑むテスト現場

続いて足を運んだのは、本社近くのサニーベールにある耐久性ラボ。ここでは、私たちが日常で経験するヒヤリとする瞬間を再現し、デバイスにとって過酷なテストが繰り返されている。 なぜそこまで厳しく検証するのか。アップルプロダクト・インテグリティ担当バイスプレジデントのケイト・バージェロンさんによると、耐久テストはiPhoneが2人目、3人目の持ち主にわたっても、最初と同じように楽しく使えるようにするためなのだという。壊れにくくして長寿命化することが、結果的にエコにつながる。 実際にどんなテストが行われているかというと……

水没も高圧放水もクリア

小雨(IPX1)を降らせるものから、強力なウォータージェットを浴びせるIPX4テストなどを実施。

Hearst Owned

iPhone 7以降に備わっているIPX7・8は完全防水ではなく耐水(30分)だけど、新しいiPhone 17シリーズはIP68規格で水深6メートルに沈めても耐えうる設計。さらにラボでは水深50メートルの水圧をかけるテストや、消防ホースのような高圧放水を当てるテストも行われていた。

Hearst Owned

実際にiPhoneの落下を完全再現

業界基準の落下テストは金属の床で行われることが多いそうだけど、「アップル」では“普通の家に金属の床などない”という独自の視点を持つ。よりリアルな生活環境に合わせるため、花崗岩(御影石)やパーティクルボード(木材)、さらには本物のアスファルトのブロックを用意し、そこに落とすテストを実施している。ロボットアームを使い、絶妙な角度で何度も落下させて検証を重ねていた。

Hearst Owned

日焼け止めやケチャップの付着も検証

驚いたのが「ケミカルカクテル」と呼ばれるテスト。スマホに日焼け止め、ケチャップ、マスタード、アルコール除菌シートなどを実際に付着させ、素材が傷まないかを入念にチェックしているんだという。このほかにも、新幹線や悪路を走るトラックでの移動を想定した、激しい振動テストも行われていた。

Hearst Owned

パッケージングラボに日本メディア初潜入! 梱包からプラスチックが消えた理由

今回、日本のメディアとして初めて「パッケージングラボ」への潜入取材も!

歴代iPhoneのパッケージがずらり。 Hearst Owned

最近のiPhoneの箱には、透明なビニール(シュリンク)がなくなり、紙のシールで開ける仕様になったと気づいている人もいるのでは? プラスチックを完全に排除し、繊維ベース(紙など)の素材だけでデバイスをしっかりと守る。地球への優しさと、箱を開けるときの洗練された美しさを両立させたパッケージデザインの秘密が、このラボで研究されている。

持ち手の紐(ハンドル部分)は一見すると合成繊維のように見えるけど、実は紙をよじって糸状にし、緻密に編み上げた100%紙製! Hearst Owned

引き出しに眠らせてない? 「Apple Trade In(下取り)」で賢く手放すという選択

長く大切に使ったiPhone、機種変更した後はどうしている? 「いつか使うかも」と思いながら、引き出しにしまったまま……なんて人も多いのでは。

「アップル」が公式で行っている「Apple Trade In(下取り)」プログラムを利用して使い終わったデバイスを「アップル」に返すと、下取り額分が新しいiPhoneの購入代金からその場で直接割り引かれたり、Apple Gift Cardとして還元されたりする。今まで使っていたスマホがそのまま次の買い替えを安くする軍資金になる。やり方は簡単で、店頭に持ち込むかオンラインで下取りを申し込むだけ。

完全に壊れるまで使い倒すのもすてきなことだけど、まだきれいで動く(=壊れる前の)うちに手放すほうが、下取り価格も高くなりやすく、お得に!

公式サイトより Hearst Owned

下取りに出されたiPhoneのうち、まだ使えるものは整備済製品として新しい持ち主のもとへ。寿命を迎えてもう使えないiPhoneは、リサイクルのステップへと進む。つまり、壊れる前に下取りに出せば、お財布にも地球にも優しい一石二鳥のアクションになるということに!

Justin Sullivan / Getty Images

現場で聞いてハッとさせられたのが、寿命を迎えたデバイスから電子基板(メインロジックボード)などを1トン分リサイクルできると、なんと新しく2,000トン以上もの岩石を採掘しなくて済むそう。使わなくなったiPhoneを放置せず、「アップル」に返す(Trade Inに出す)ことが、地球の資源を削り取らないための有効なアクションにつながる。

思い出の詰まったiPhoneを引き出しの肥やしにするのではなく、高く売れるうちに「Apple Trade In」を使って次のiPhoneへとつなぎ、自分自身もお得に買い替える。それは今の私たちが選べる、賢い手放し方なのかも!

役目を終えたiPhoneはどうなる? 解体ロボット“Daisy”の仕事

寿命を迎えてリサイクルに回されたiPhoneは、その後どうなるのか。その答えを探るべく、テキサス州の研究所へ。

一般的な電子機器廃棄物(e-waste)のリサイクルは、ハンマーミルなどのシュレッダーでデバイスを細かく砕き、風の力で軽いものを飛ばし、過電流セパレーター(Eddy current separator)でアルミニウムを取り出すというダイナミックなラインがベースになっている。

Hearst Owned

「アップル」ではそれらと組み合わせた、独自の解体ロボット“Daisy(デイジー)”が活躍している。「アップル」の解体ロボットの歴史は深く、2012年に登場した初代“Liam 1.0”は、1種類のiPhoneを解体するのに約12分かかっていた。それが2016年の“Liam 2.0”では15秒に1台へと飛躍的に進化。現在の“Daisy”は、なんとiPhone 5以降の36種類ものモデルを自動で識別して処理できるまでに賢くなっている。

粉々に砕くシュレッダーとは違い、“Daisy”はリサイクル素材の純度を高く保つため的確に解体していく。その工程は大きく4ステップ。

  1. ディスプレイを外す。
  2. バッテリーを外す:マイナス80℃の冷気を吹き付け、接着剤の粘着力を奪ってスムーズに外す。
  3. ネジを外す: 内部の部品を留めているネジを、回すのではなく正確にパンチして打ち抜く仕組み(今回は特別に、音が響かないよう速度を50%に落として実演してくれた)。「アップル」のロゴマークの金属もここで別に取り外す。
  4. モジュールを外す: 素材ごとに仕分けて完了。


私たちにできる一番スマートなエコってなんだろう?

Hearst Owned

「エコ」や「SDGs」と聞くと、何かを我慢したり、特別な努力が必要だったりするイメージがあるかもしれない。けれど、私たちが今持っているiPhoneを大切に長く使うことと、そして、引き出しで眠らせる前に「Apple Trade In」でお得に賢く手放すこと。たったそれだけで、私たちは無理なく環境負荷を減らすサイクルの一部になれる。

現在、2030年までに会社全体のカーボンフットプリントを実質ゼロ(カーボンニュートラル)にするという目標「Apple 2030」に向けて、着実に前進している「アップル」。私たちも日々の生活の中で、長く使って、賢く手放すという選択を取り入れてみてはいかが?

問い合わせ先/Apple

https://www.apple.com/jp/

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ