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男女雇用機会均等法の施行前夜に、女性自衛官は何を見た? 昭和の自衛隊で青春時代を過ごした著者が描く実録コミックエッセイ【書評】

  • 2026.8.3

【漫画】本編を読む

『さきがけ女性自衛官 はじめて物語』(あまのすみ/KADOKAWA)は、1980年代の陸上自衛隊で女性自衛官として青春時代を過ごした著者・あまのすみ氏自身の体験を描いたコミックエッセイだ。現在では当たり前となった女性の社会進出も、当時はまだ多くの壁に囲まれていた。そんな時代に自衛官として働いた女性のリアルな日常がユーモアたっぷりに綴られている。

主人公は、母親から「自衛隊なら働きながら臨床検査技師になれる」と勧められたことをきっかけに、陸上自衛隊への入隊を決意。そして自衛官募集に応募してみると、地域でわずか3名という狭き門を突破し、女性自衛官としての第一歩を踏み出すことになった。しかし、そこで待っていたのは想像以上に厳しい訓練の日々だった。

本作では、昭和の自衛隊の空気が生き生きと描かれている。当時はまだ女性自衛官が「婦人自衛官(WAC)」と呼ばれていた時代。男女雇用機会均等法の施行前後のタイミングということもあり、「女性だから」という偏見や固定観念が今より色濃く残っていた。そんな環境のなかで、主人公は男性と同じ訓練に挑み、一人前の自衛官を目指して成長していく。

厳しい訓練や失敗談もコミカルに描かれているため思わず笑ってしまう場面も多い。泣いて笑って、ときには落ち込みながらも前へ進んでいく主人公の姿には、自衛隊という多くの人にとって未知の組織の話でありながらも親しみを感じる。また、訓練を重ねるなかで国防や災害派遣の重要性に気づいていく過程も描かれており、自衛隊への理解を深めるきっかけにもなるだろう。

近年は災害や国際情勢等で自衛隊に注目が集まることが多い。そんな時代だからこそ、自衛隊という存在をあらためて知るために手に取ってほしい一冊だ。また、道を切り開いてきた先駆者たちの歴史と青春が詰まっているため、自衛隊というテーマに加えて働く女性の奮闘記として、女性の背中を押してくれる作品である。

文=七井レコア

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