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「この洗剤、昨日よりずっと高いだろ」レジで執拗に値下げを迫った客。だが、店員が毅然とした対応をした結果

  • 2026.8.4

夕方のドラッグストアで

仕事帰りに立ち寄った、夕方のドラッグストアでのことです。

レジには数人の列ができていて、私はその後ろに並んでいました。

早く帰って夕飯にしようと、私はかごの中身をぼんやり眺めていました。

ごく普通の、なんでもない夕方になるはずでした。

私のすぐ前にいたのは、40代くらいの男性でした。

会計の途中で、急にその人の声が大きくなったのです。

「この洗剤、昨日よりずっと高いだろ」

手にした洗剤を、レジ台に叩きつけるように置きました。

周りの空気が、一瞬で張りつめたのを覚えています。

レジに立っていたのは、まだ若い店員でした。

それでも慌てる様子はなく、落ち着いた声で応じました。

「ただ今、価格をお調べいたします」

ところが男性は、その一言さえ気に入らないようでした。

「確認なんかいらん!早く直してくれ」

声には棘がありましたが、店員はうろたえませんでした。

表情を変えず、手元の端末で値段を照らします。そして、はっきりとした声で告げたのです。

「昨日と、同じお値段でございます」

それでも、男性は引きませんでした。

「値札の位置が悪い。客を混乱させる気か」

同じ主張を、言葉だけ変えては何度も繰り返します。

気づけば十分以上、レジはそこで止まったままでした。

何も買わずに

後ろの列は、じりじりと伸びていきました。

どこからか小さなため息が漏れ、私も思わず店員に、同情の視線を送っていました。

すぐ後ろに並んでいた年配の女性が、小声でこぼしました。

「もう、十分待ったわよね」

私も内心で深くうなずきましたが、当の男性には、その空気がまるで届いていない様子でした。

それでも店員は、淡々と、けれど毅然と応じ続けました。

声を荒げるでも、言い負かそうとするでもありません。

ただ、正しい値段だけを、静かに伝えるのです。

店員が落ち着いた声で正論を返すたび、男性の声は、かえって上ずっていきました。

やがて言い返す材料が尽きたのか、こめかみを引きつらせ、ぐっと言葉に詰まります。

とうとう男性は、洗剤をレジ台に残したまま、吐き捨てるように言いました。

「もういい、買わん」

そして財布もしまわず、結局何も持たずに、店を出ていったのです。

店員は乱れた商品をそっと戻すと、私に向き直り、軽く頭を下げました。

「お待たせして、申し訳ございませんでした」

列がようやく、動き出しました。十分以上もごねた末に、あの人が手にしたものは、結局ひとつもなかったのです。

理不尽に振り回されず、最後まで筋を通したその後ろ姿に、私はむしろ胸がすく思いでした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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