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【60代二拠点生活】アメリカでは謝らない!?日本との「ごめんなさい」の違い【リサ・ステッグマイヤーの二拠点生活Diary】

  • 2026.8.3

家族でハワイに移住したリサさんの、ハワイと東京の二拠点生活の日常をお届けするエッセイ。
今月は「〝ごめんなさい〞の違い」についてのお話です。

ハワイで暮らしていて改めて気づいた「文化の違い」

この連載も早いもので5回目。いつも読んでいただき、ありがとうございます。ハワイも本格的な夏に突入しました。常夏のイメージがあるハワイですが、実は1年のなかで季節の変化はあります。ホノルルでも、冬と呼ばれる1月や2月にはひんやりする日があり、薄手のセーターやフリースが必要になることも。日本のようにはっきりとした四季はありませんが、微妙な変化は感じられます。あえて言うなら、乾季と雨季の「二季」といったところでしょうか。 今年の1月から3月は例年より気温が低い日もあり、なにより雨がよく降りました。何日も降り続いたり、豪雨になったり。パタゴニアのフリースとノースフェイスのレインジャケットが大活躍でした。ハワイは雨が続くと本当に大変です。短時間で大量の雨が降ると、水の行き場がなくなり、道路があっという間に川のようになってしまうことも。低い場所や海に近いエリアでは家が浸水するなど、被害が大きくなることもあります。 今年は特にノースショアでの被害が大きく、場所によっては車や家が流されるなど、深刻な影響が出ました。現在も道路の復旧作業が続いており、場所によっては片側1車線のみの通行となっているところもあります。オアフ島では汚水の流入による「ブラウンウォーターアドバイザリー(茶色い水への注意報)」が相次ぎ、さまざまな場所で海に泳ぎに行けない日々が続きました。

ハワイで暮らしていて改めて気づいた「文化の違い」について書いてみたいと思います。私の母は日本人、父はアメリカ人。いわゆる国際結婚の家庭で育ちましたが、中学1年生からは日本で長く生活し、社会人、結婚まで日本で過ごしてきました。見た目は外国人寄りでも、中身はすっかり日本人だと思っています。学生のころは年に1度アメリカに里帰りしていましたが、年々〝away 感〞を持つようになり、いまでもアメリカ本土に行くと、自分はどこか「外側の人間」だと感じることがあります。それは外見ではなく、人と接するなかで感じるものかもしれません。 その違いを感じるのは、例えば会話の仕方です。アメリカでは、まず結論をはっきり伝え、そのあとに理由を述べるのが一般的です。たとえば 〝No, Ican’t go because I have a dentist appointment.〞。英語は最初に「Yes」か「No」で答えを示すのに対し、日本語では理由が先に来て、最後に結論が続くことが多いですよね。「今日は歯医者に行かなければならないので行けません」といったように、文末まで聞かないと答えがわからない、そんな特徴があります。さらにその前に「ごめんなさい」や「申し訳ありません」といった言葉が添えられることも少なくありません。 この違いに加えて、もうひとつ印象的なのが「謝るタイミング」です。たとえば、道で知らない人とぶつかってしまったとき。アメリカではすぐに〝Excuse me〞 や 〝I’m sorry〞と声をかけるのが一般的なマナーです。日本では人が多い東京のような場所では、軽くぶつかっても言葉が交わされないことも少なくありません(あくまで私の経験ですが)。自分が「すみません」と言っても、何事もなかったように去っていくこともあり、そんな場面に「あれ?」と感じたことも何度かあります。とはいえ、日本では日常的に「すみません」や「ごめんなさい」をよく耳にします。いわば〝ごめんなさい文化〞。相手への配慮や空気を和らげるための、大切な言葉です。

ハワイの価値観やコミュニケーションはやはりとてもアメリカ的

ではハワイはどうなのか。日本とアメリカ、ちょうどその間にある場所で、日本文化にも親しみがありますが、やはりここはアメリカ。アジア系の人が多くても、価値観やコミュニケーションはとてもアメリカ的だと感じます(当たり前ですね、笑)。 先日、視力検査のために眼科へ行きました。水泳用の度入りゴーグルを作るためです。帰り際に、まつ毛美容液をすすめられ、「安全で効果も高い」と言われたので、試しに購入してみました。価格は188ドル。日本円にするとおよそ2万8000円ほどでしょうか。気軽に買えるものではありませんが、試してみることにしました。その日の夜、楽しみに箱を開けて説明書を見ると……、あれ? 使用期限が過ぎている? たった1か月とはいえ、目のまわりに使うものですし、少し気になります。 翌日、クリニックに連絡してその旨を伝えると、「期限が過ぎていても使えるから大丈夫」との返答。〝I’msorry〞の一言もなく、少し驚いてしまいました。もちろん使えるのかもしれませんが、効能や衛生面を考えると、やはり気になるところです。結局こちらから「返金は不要なので、新しいものが入ったら教えてください」とお願いする形になりました。 アメリカでは、必要以上にクレームをつける人のことを〝Karen〞(ミームや動画をきっかけに広まり、よくある女性の名前がそのまま使われているスラング)と呼ぶことがあります。そう思われたくない気持ちもあり、少し気を遣ってしまった自分もいました。翌日、実際に商品を持って行くと、特に謝罪もなく確認され、「新しいものが入ったら連絡します」とだけ。日本ではなかなか考えにくい対応かもしれませんが、アメリカではこういうことも珍しくありません。 もちろん人にもよりますが、「この程度のことは大ごとではない」という感覚があるように思います。たとえば、スーパーで買ったいちごにカビが生えていても、商品が期限切れでも、それほど大きな問題にはならない。でもその代わり、返品はとてもスムーズにできます。  

日本とアメリカ、「I’m sorry」を使う場面はそれぞれの文化のなかで自然に育まれてきたもの

「No」と言えない日本人。「I’m sorry」を使う場面が、日本とは少し違うアメリカ人。どちらが正しいというわけではなく、それぞれの文化のなかで自然に育まれてきたもの。その違いに戸惑うこともありますが、こうした発見もまた、二拠点生活の面白さだと感じています。無駄にエネルギーを使って怒るより、少し肩の力を抜いて、笑って受け流す。そんなバランスも大切なのかもしれませんね。

文/リサ・ステッグマイヤー ※素敵なあの人2026年8月号「東京⇔ハワイ リサ・ステッグマイヤーの二拠点生活Diary vol.0⑤」より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人 リサ・ステッグマイヤーさん

1971年、米国生まれ。13歳で来日し、知的な美しさとバイリンガルとしての見識を活かしてタレント、司会など幅広く活躍する。趣味は水泳、トライアスロン、芸能界きっての器好きでもある。

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