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宇垣美里&篠田麻里子が語る、芸能界「おちたらおわり」と感じる瞬間 「女の園」を生き抜くサバイバル術も告白

  • 2026.8.1
宇垣美里&篠田麻里子 クランクイン! 写真:高野広美 width=
宇垣美里&篠田麻里子 クランクイン! 写真:高野広美

現在放送中の、タワマンに住むママ友たちの泥沼の人間関係を描くドラマ『おちたらおわり』(中京テレビ・日本テレビ系/毎週水曜24時24分)。本作で主演を務める宇垣美里と、彼女を追い詰める最恐のママ友を演じる篠田麻里子が、互いの印象や役作りへの思いをはじめ、過激なタイトルにちなんだ「おちたらおわり」な危機感、女の園での立ち振る舞い方、そして自身が生きる上で大切にしている信条まで、作品の裏側とパーソナルな素顔を語った。

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■本番はバチバチ、カメラの裏では和気あいあい


――台本を読んだ時の役の印象と、実際に現場に入って変化した部分はありましたか?

宇垣:私が演じる明日海は「受難の人」ですが、困難に対しても自分の思いを曲げない頑固さを持っています。怖がっても違うことは違うと言える不器用さに共感しましたし、嫌がらせを仕返さず、同じレベルに落ちない高潔さがかっこいいなと。ただ、私自身ならもっと受け流すだろうなと思うほど繊細なキャラクターです。でも現場で、麻里子さん演じる孔美子と対峙したら、もう普通に怖くて(笑)。「そりゃ震えるわ」と実感し、立ち上がろうとする明日海をより好きになりました。

篠田:原作は人間感情がすごくリアルに描かれています。孔美子は強いように見えて、実は色々な葛藤を抱えている女性です。強さを出しつつ、彼女なりの繊細な葛藤をしっかり作り込まなければと思いました。台本を読みながら、客観的に求められる孔美子像を考えて現場に入りました。

――宇垣さんから見てトラウマになりそうなキャラクターの孔美子ですが、現場での距離感は意識されましたか?

篠田:最初は悩みました。宇垣ちゃんとは以前お仕事もしていて話しやすいのですが、現場で楽しく話してしまうと、あのヒリヒリした距離感が作れないかなと。でも、ずっと孔美子でいると現場全体が怖い雰囲気になってしまうので、カメラが回る時だけスイッチを入れることにしました。

宇垣:私は本当に何も気にしていませんでした(笑)。麻里子さんがいる喜びが強すぎて、直前までキャンキャン懐いていて。シリアスな作品ですが、関西出身のキャストも多く、カメラが回っていない時は関西弁が飛び交う明るい現場でした。全員が楽しいと思える現場であることが、働く上でとても大切だと思っているので、ムード作りはそちらの方向で進めました。

――実際に本番で対峙してみて、お互いのお芝居はいかがでしたか?

篠田:宇垣ちゃんは本当に真っ直ぐで、曲がったことが大嫌いな正義感の強いところが、まさに明日海にぴったりですごくナチュラルでした。思い切りやっても一つひとつしっかりリアクションしてくれるので、やりやすかったです。ルックスも可愛いので、映像としての綺麗さも素敵に仕上がっていると思います。

宇垣:麻里子さんは、カメラが回った瞬間に「孔美子様」になるんです。圧倒的なオーラでカッと睨まれた時、「蛇に睨まれた蛙ってこういう気持ちなんだ」と体感しました(笑)。目の光を消した真っ黒な目で、ねっとりとまとわりついてくるような眼差しが本当に恐ろしくて。おかげで素直にプルプル震えることができました。

篠田:孔美子なりの正義や「裏切られた」という気持ちを持って、明日海に執着しながら睨んでいました。でもそういう負のパワーってすごく体力を使うので、撮影後はすぐにお腹が空いてしまって。2人でよく「お腹空いたね」とキャッキャ言いながら食べていました(笑)。

■2人が語る、「女の園」を生き抜くサバイバル術とは?


――ドロドロした女性たちの人間模様が描かれますが、劇中に登場する男性陣の情けなさについてはどう感じましたか?

篠田:(鈴木紗理奈演じる楠紗都の夫の)英治は愛すべきおバカって感じで、可愛いなと思いました(笑)。子どもを産んでから、男の子って大人になっても変わらなくて可愛いなと思うようになって。

宇垣:確かに作品として見れば「アホで可愛い」と思えますが、自分の旦那だったら絶対に許せないです(笑)。パートナーがいる方にとっては、「うわ、わかる!」と共感できる部分も多いと思います。


――同世代の女性への苦手意識や、ママ友付き合いなど、集団の中での立ち振る舞いで意識していることはありますか?

宇垣:私は(TBSの)局アナ時代、むしろ現場が自分にとって戦場で、アナウンス部の先輩や後輩がセーフティーネットでした。何か嫌なことがあっても、帰って共有して慰め合える、心強い存在でしたね。同世代の集団に飛び込む時は、「誰も私のことなんて見てない」と思うようにしています。

篠田:女性は群れないと難しいと思われがちですが、勝手なイメージで「苦手だ」と判断しないほうがいいのかなと思います。意外と話してみると、お互いに緊張していただけで、共有することで誤解が解けることも多いですからね。

宇垣:私も今回の現場に入る前は「先輩方にどう思われるだろう?」とめっちゃ緊張していましたが、皆さん本当にいい人たちばかりでした。

――すでに出来上がっている集団に入っていくのは得意ですか?

篠田:私は子どもの頃、2年に1回引っ越しをするくらい転校生だったんです。だから、ニコニコしていれば大丈夫だという術を身につけました(笑)。緊張してムスッとしていると話しかけづらいので、「話しかけてほしいオーラ」を出していると、誰か1人くらいは声をかけてくれて、突破口が見つかります。ママ友付き合いも、「子どものために有益な情報をいただこう」という気持ちでいれば、嫌な気持ちにならないですよ。

宇垣:私はおしゃべりなので、最初から「急に入ってきてごめんなさいねー!」みたいな感じで、自分からワーッと話しかけちゃいます。苦手だと思い込まないことが大事かもしれないですね。

篠田:どうしても集団が苦手なら、絶対にグループに属さないスタンスの人もいるので、そういう人を探すのもいいと思います。

■「おちたらおわり」の危機感と、絶対に曲げられない信条


――タイトル「おちたらおわり」にちなんで、競争の激しい世界で「落ちたら終わり」という危機感を持ったことはありますか?

篠田:AKB48にいた時は持っていましたね。総選挙があるので、順位が落ちたら終わりじゃないですけど、数字に気持ちを持っていかれることはありました。競争社会は苦手なのに、競争しなければいけない日々で。休んだら誰かにポジションを奪われるかもしれないという危機感は常にありました。当時は渦中にいて精神的にやられることもありましたが、その負けん気のおかげで頑張れた部分もあるので、あの経験には感謝しています。大人になって比べられるのはキツいですけどね(笑)。

宇垣:私はあんまり人と比べることに意義を見出せなくて。「落ちたら終わり」というより、「走ることを止めたら終わり」という感覚です。自分のペースで走り続けてきたので、モチベーションが下がって足を止めてしまう時が自分の引き際なのかなと。比較する対象は基本的に過去の自分ですね。他人と比べても、条件が違うので比較実験にならないと思ってしまうんです(笑)。

――明日海の「芯の強さ」に通じますが、お二人が生きる上で「これだけは曲げられない」という生活信条はありますか?

篠田:人に対して誠実でいることと、小さな嘘をつかないことです。思ってもいないことを面白おかしく言うのもやめるようにしています。仕事を含め、人とのコミュニケーションはそうした誠実さの上に成り立つものだと思うからです。自分なりにできる最大限の努力をして、仕事にも人にも誠実に向き合うように気をつけています。

宇垣:私は「自分が嫌いな自分にならないこと」です。仕事で手を抜くのはすごくかっこ悪いし、誰かに意地悪をしたり、不誠実なことをしたりするのもダサいからやらない。「正しいか、正しくないか」の基準だと揺らぐことがありますが、「かっこいいか、かっこよくないか」という自分の価値基準は明確でブレづらいんじゃないかと思います。そっちのほうがかっこいいじゃん、という気持ちで常に取捨選択をしています。

――最後に、ご自身が演じたキャラクターの立場から、視聴者へメッセージをお願いします。

篠田:孔美子はいじめの主犯格で悪い役回りですが、彼女には彼女なりの正義や、生きていく上での複雑な背景があります。共感してほしいとは言いませんが、「人には色々な背景があるんだな」「自分の正義だけでなく、それぞれの正義があるんだな」と感じていただける部分があると思います。色々なキャラクターに感情移入しながら楽しんでいただきたいです。

宇垣:明日海はある種、一番感情移入しやすいキャラクターだと思います。自分が同じ立場になったらどうしようという視点で見ていただけるはずです。狭い人間関係の中で翻弄されながらも、どう生き延びようとするのか。彼女の姿を応援しつつ、「じゃあ自分はどうなんだろう」と立ち返って考えることもできる作品です。ぜひそのメッセージを受け止めていただけたら嬉しいです。

(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)

ドラマ『おちたらおわり』は、中京テレビ・日本テレビ系にて毎週水曜24時24分より放送中。

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