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「冷蔵庫を運ぶのは、男の仕事だろう」骨折した右手を見せた私に、義父が返した言葉に絶句

  • 2026.8.3
「冷蔵庫を運ぶのは、男の仕事だろう」骨折した右手を見せた私に、義父が返した言葉に絶句

添え木のついた指

年末に妻の実家へ帰りました。

その少し前、自分の部屋を片づけていて足を滑らせ、右手の指を骨折していました。添え木と包帯はまだそのままです。

「まあ、大変だったねえ」

玄関で義母がそう言い、妻の兄夫婦と従兄も口々に同じことを言ってくれました。荷物は左手で持って上がりました。

大掃除は毎年の行事だそうです。

障子の張り替えと窓拭き、それから台所の奥まで、朝から順に片づけていきます。

お昼を回ったころ、台所の奥から義父の声が飛びました。

「そっちの若いの、こっち手伝ってくれ」

見せた右手

行ってみると、義父が冷蔵庫の脇に立っていました。裏の床を拭くから前へ出したい、ということでした。

「冷蔵庫を運ぶのは、男の仕事だろう」

私は右手を持ち上げて見せました。

包帯は、廊下の蛍光灯の下でよく目立ったはずです。

「すみません、先週折ってしまって」

「気合で何とかなる」

言葉が続きませんでした。

「そのくらい大丈夫だろう。若いんだから」

居間のほうで、テレビの音量が少し上がりました。従兄はカーテンをたたむ手を止めず、妻の兄も雑巾を絞ったままこちらを見ません。

台所に居た義母も、鍋の蓋を持ったまま何も言いませんでした。

結局は、義兄と従兄の二人が冷蔵庫を前に出しました。私は玄関先の段ボールを左手で運びました。誰も、あとからその話には触れませんでした。

消えなかった言葉

夕食の席で、義父は上機嫌でした。今年は例年より早く終わった、と何度も言っています。

「来年は障子を全部替えような」

「そうですね」

私はそう答えました。

それ以外の言い方を、この人の前ではまだ知りません。

布団に入ってからも、天井を見ていました。骨折を疑われたわけではないと思います。悪気があったわけでもないのでしょう。それでも、包帯を見せたあとに返ってきた言葉が、暗い部屋の中で何度も再生されました。

隣で妻の寝息が聞こえます。台所の換気扇が、低い音を立て続けていました。

翌日の帰り道、高速に乗ってから妻が言いました。

「お父さん、ああいう人だから」

「うん」

「気にしないでいいよ」

それにも「うん」と返しました。右手の添え木は、あと二週間はこのままです。年が明けたら病院へ行く、それだけを考えていました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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