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「ここ、祝いの席なんですけど」結婚式で自分の手柄を語り出す仲人。だが、司会の対応で状況が一変

  • 2026.7.31

お見合いで結ばれた二人

友人が結婚することになり、私はそのお祝いの席に招かれました。

二人はお見合いで出会い、何度も会って言葉を交わし、じっくりと時間をかけて心を通わせてきたのだと聞いています。

そのご縁を取り持ったのは、結婚相談所で仲人を務めた年配の女性で、その日は上座に席を用意され、丁重にもてなされていました。

披露宴は終始なごやかで、新郎新婦を囲む誰もが笑顔を絶やしませんでした。

ところが、宴もたけなわという頃合いになって、その和やかさに冷や水を浴びせるような出来事が起こったのです。

奪われたマイク

予定にはなかったはずなのに、仲人の女性が突然、司会者のほうへ歩み寄っていきました。

あとで小耳に挟んだところでは、労をねぎらう御礼の額に、内心で不満を抱えていたようです。

彼女は、ためらう司会者を押しのけるようにして、マイクを手に取りました。

そうして語り始めたのは、祝辞とは似ても似つかない話でした。

(ここ、祝いの席なんですけど)

まさに、その一部始終を私は目の当たりにしました。

彼女は、この縁談をまとめるのにいかに自分が奔走したか、どれほど手間をかけてやったかを、これでもかと得意げに語り続けます。

おまけに、祝いの席だというのに、新郎新婦のいたらぬ点まで次々と引き合いに出すものだから、和やかだった会場の空気は、一気に凍りついてしまいました。

場を立て直した一手

招待客の誰もが身の置きどころに困っていると、司会者が静かにマイクのそばへ歩み寄りました。相手の顔をつぶさぬよう気づかいながら、それでいてきっぱりとした口調で、こう言葉を継いだのです。

「貴重なお話を、ありがとうございました。ここで、おふたりの門出にあらためて乾杯といたしましょう」

見事な切り返しでした。司会者は仲人の話をやんわりと締めくくると、そのままマイクを引き取り、祝福の言葉で会場をふたたび包み直したのです。強引に遮るのではなく、相手の顔も立てながら流れを変えていくその手際に、私は思わず舌を巻きました。

とげとげしくなりかけていた空気は、すっかり元のあたたかさを取り戻しました。友人の門出が、プロの機転によって守られた結婚式の日。あの司会者の落ち着いた振る舞いを、私は今でも忘れられずにいます。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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