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「なぜ富岡だった?」明治政府が国をあげ、“本気”で『富岡製糸場』を建てた知られざる【5つの理由】

  • 2026.8.21
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(C)主に日本の歴史のことを話すラジオ

『主に日本の歴史のことを話すラジオ(おもれき)』は、日本の歴史をテーマに歴史好きな2人が雑談を繰り広げるポッドキャスト番組。パーソナリティのKELLY(ケリー)さんと水無月(みなづき)さんが、毎回ひとつの歴史テーマをゆるーく語り合います。

今回のテーマは「富岡製糸場(とみおかせいしじょう)」。世界遺産にもなった、あの有名な工場です。とはいっても、追いかけるのは工場の“中身”ではありません。「そもそも、なぜこの工場が作られたのか」「なぜ富岡だったのか」という誕生のヒミツをたどっていきます。

明治の大文豪もうなった!シルク王国・群馬

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写真:PhotoAC ※画像はイメージです

富岡製糸場があるのは群馬県。群馬県といえば、昔から絹に関する産業で栄えた土地でした。明治時代には、当時の大文豪・徳冨蘆花(とくとみ ろか)が「機の音、製糸の煙、桑の海(はたのおと、せいしのけむり、くわのうみ)」とその情景を表現したほどです。

「『機の音』と『製糸の煙』はわかるけど、『桑の海』ってどういうこと?」と思う方もいるかもしれませんね。実は、絹糸の原料はカイコ(蛾の幼虫)が作る繭(まゆ)。カイコは生き物ですから、当然エサが必要です。そのエサが桑の葉というわけです。

ちなみに、歴史の教科書などでよく目にする「生糸(きいと)」とは、加工前の絹糸のことです。

ヨーロッパと中国で大ピンチ!世界中が日本の糸を欲しがった

富岡製糸場が生まれる背景には、実は世界の大事件がありました。まず、19世紀の半ば頃、ヨーロッパで、生糸のもとになるカイコの伝染病が大流行。この病気で、なんとカイコの約8割が死んでしまったのです!大切な糸の材料がごっそり消えてしまったのですね。

さらに、当時もう一つの製糸大国だった中国も大ピンチ。アヘン戦争(中国とイギリスの戦争)や、太平天国の乱(中国国内で起きた大きな争い)が続き、生糸を作るどころではなくなっていました。ヨーロッパも中国も、そろってダウンしてしまったわけです。

そこで白羽の矢が立ったのが、日本でした。ちょうど開国の時期と重なったこともあり、生糸を求める注文が、どっと日本に押し寄せます。なんとこの頃、日本の輸出品の3分の2が生糸を含む糸類だったというのですから驚きですね。世界中が日本の糸を欲しがる“生糸バブル”が起きたのでした。

なぜ富岡だったの?国が本気を出した製糸工場づくり

ところが、ここで問題が。当時の日本の生糸づくりは「座繰り(ざぐり)」という昔ながらのやり方。座って、繭から糸をぐるぐると手で巻き取る手作業です。これでは数も作れず、品質もバラバラ。「もっと安定した良い糸を、機械で大量に作ってほしい」と、外国からも注文が続いていました。

そこで明治政府が動きます。諸外国の要望に応えるため、そして日本の生糸の信頼回復のため、近代的な機械の工場を作ろうと決意。お手本にしたのは、機械の技術が進んでいたフランスです。横浜居留地で働いていたフランス人技師のポール・ブリュナを招き、工場づくりを手伝ってもらうことにしました。

そして選ばれた建設地が、富岡でした。理由は5つ。「もともと養蚕が盛んで繭が手に入りやすい」「広い土地がすぐ確保できた」「近くの利根川(とねがわ)の水が使えた」「機械を動かす燃料(亜炭)が近くで取れた」「地元の人の同意も得られた」。まさに、いいことずくめの土地だったのです。

世界のピンチと日本のチャンスが、富岡で重なった

ヨーロッパと中国の生糸ピンチ、日本に押し寄せた大量の注文、そして「日本の威信をかけて質の良い生糸をたくさん作る!」という国の本気。この3つが重なって、富岡製糸場は生まれました。

明治政府はまだお金に余裕のない時期。それでも国をあげて工場づくりに乗り出したのは、生糸が「間違いなく儲かる」大チャンスだったから。世界の事情と日本の思惑が、富岡というひとつの土地でぴたりと出会った瞬間でした。

※番組内のお話は、『富岡製糸場 継承される改革の歴史』(富岡市・岡野雅枝 編著)を参考にしているそうです。気になった方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。


主に日本の歴史のことを話すラジオ
おもれき671 富岡製糸場(前編)

[配信日時]2026年7月18日
[出演者]KELLY、水無月
[番組URL]https://open.spotify.com/episode/6d6CPy4ByAkHoV9mT4DPGA?si=4exPOb9qRR6pSr5t6A5b5g

(C)主に日本の歴史のことを話すラジオ

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