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【ルームツアー】古民家を改修した、緑とモノトーンで彩られたフローリストの住まい

  • 2026.7.31
PETER FEHRENTZ(LIVING INSIDE)

築200年を超える伝統的な民家をリノベーションした、フローリストデュオの住まい。仕事では常に色に囲まれている彼らが選んだのは、控えめな心地よさを追求した空間だった。『エル・デコ』6月号より。

PETER FEHRENTZ(LIVING INSIDE)

ドイツのハンブルクでフローリストとして長年活動する、マリオ・マールシュテットとモーリッツ・レオンハルト。2人が住居として選んだのが、およそ築200年のハンブルク郊外の茅葺屋根の家。見つけたその年のうちに購入し、大規模な改修に取り組んだ。「以前は一つの家族が45年以上住んでいたので全体的な改修が必要な状態でした」と当時を振り返る。2人は外観をそのまま残し、インテリアは意図的に対照的なスタイルでデザインすることに決めた。目指したのは開放感があり光にあふれた、ミニマルな空間だ。

<写真>ドイツ北部を中心に見られる、伝統的な建築様式。かつては農作業小屋やソーセージを燻製する場として使われることが多かった。

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フローリストの2人が家では緑の数を絞る理由

外観はおとぎ話に出てくるような、木々に囲まれて立つレンガ造りの家。しかし室内に一歩足を踏み入れると、そこには白と黒のインテリアで整えられた、モダンで開放的な空間が広がる。特定のブランドにはこだわらず、何年もかけて集めてきた家具や自分たちでデザイン、製作したものなど、えりすぐりのコレクションを配置した。フローリストの仕事から思い浮かぶ、鮮やかな色彩とは対極の「静」を感じる設えだ。

<写真>モノトーンを基調としたリビングダイニング。家具は特徴的な梁の色と調和するように、ブラックのアイテムを中心にセレクトした。

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「私たちの仕事は慌ただしく、とてもにぎやか。仕事では色彩や装飾を多用するため、家には『静けさ』を求めていました。実は室内にはあまり植物を置いていません。その代わり、庭が居住空間の延長のような役割を果たしています」

<写真>光と風が心地よく入る、落ち着いたリビングルーム。モノトーンでまとめているからこそ、少量のグリーンでもアクセントになる。

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広大な庭にはサウナや温室、小さな池もある。刈り込んで形を整えた植物が並ぶ一方で、隙間から宿根草がワイルドに顔を出す。そのすぐ隣にはチェアがひっそりと置かれる。単なるガーデンではなく居住空間の一部になっているのだ。

<写真>庭に設けた約30㎡の温室。植物の生育のためだけでなく、友人や家族と中央のテーブルを囲む、パーティの場としても活用。

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<写真>庭はヨーロッパで主流の「トピアリー」と呼ばれる、幾何学的な形に刈った植物と、ナチュラルな多年草との対比をつけるプラン。

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「光の入り方や日照時間に合わせて、庭のあちこちに座って楽しめる場所をつくっています。ある時は石のベンチで、またある時はラウンジチェアに身をまかせる。庭の池のそばに座って過ごす時間も、私たちにとって大切なひとときなんです」

<写真>“バタフライチェア”を置いたリラックスエリア。窓から庭が見え、幅広の黒い窓枠がよりいっそう、グリーンを際立たせる。

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<写真>オープンキッチンにして、リビングダイニングとつなげることで、家全体をより開放的な印象に仕上げた。

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第一線で活躍するフローリストの2人が、家づくりで何より重視した静かな豊かさ。より本質的に植物と共生する暮らしを選び、心の落ち着きとシンプリシティを追求した空間に身を置くことで、彼らのクリエイティビティが高められている。

<写真>リノベーションの際に、ふんだんに取り入れたのがガラス素材。これによって空間に奥行きと透明感が生まれた。「光があふれ、広々としていて、余計なものを一切そぎ落とした、理想の住空間を実現できました」

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<写真>寝室の家具は最小限にとどめ、とにかくシンプルに。

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グリーンを上手に取り入れるためのTIPS

1. 温室は植物を育てるだけでなく自分自身のリラックスタイムにも活用

当初は野菜を育てる予定だった温室だが、さまざまな使い方で楽しんでいる。「長いテーブルは、家族や友人と食事を楽しむのにぴったり。寒い時季でも座って日光浴ができる、お気に入りの場所です」

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2. 庭のあちこちにアウトドア家具を置いて室内の延長となる場をつくる

本格的なアウトドアリビングのセットや、ちょっと腰掛けられるベンチまで、ガーデンのさまざまな場所に屋外家具を配置した。内と外を完全に分けるのではなく、室内を延長するように庭を有効的に活用。

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3. 室内では植物は控えめに一点もののユニークな花瓶に生ける

広大な庭がある分、室内の植物は控えめにしていると語る。「室内にはたくさんの植物は置いていません。陶芸家の友人や工房の作品、蚤の市で見つけた一点もののベースや器を選んでいます」

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4. 庭の手入れのコツは変化を楽しむこと

ユーフォルビアやスカビオサなどの花や、風にそよぐグラス類など、多様な植物が見られる。メンテナンスのコツは、変化を受け入れることだと語る。「植物は季節はもちろん、環境の変化にも影響を受けるため状況に合わせて調整することが大事。庭には終わりはなく、形を変えていくものなのです」

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<写真>ユーフォルビア。

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<写真>スカビオサ。

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Moritz Leonhardt(モーリッツ・レオンハルト)&Mario Mahlstedt(マリオ・マールシュテット)

ドイツのハンブルクでフラワースタジオ「Himmel und Erde(ヒンメル・ウント・エルデ)」を運営するフローリストデュオ。店での販売のみならず、ホテルやショップのスタイリングも手掛ける。

Photo:PETER FEHRENTZ(LIVING INSIDE)

Hearst Owned

『エル・デコ』2026年6月号

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