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【2026年夏トレンド】トレンドは「フラワーモチーフ」。ハイブランドでつくる最新スタイル&アイテム図鑑

  • 2026.7.30
PHOTO: MASAYA TANAKA, CUT OUT: HITOSHI FUJIMAKI at FLAME, Courtesy of Brands

色とりどりのフラワーモチーフが咲き誇った2026年春夏シーズン。素朴な野の花も、ドラマティックな大輪も、その時を待つつぼみも、みんな違ってみんな美しい。この春、あなただけの花を咲かせて。

「フラワーモチーフ」が咲き誇る最旬スタイル11選

ドレス ¥314,600 <strong>Stella McCartney</strong> リング 「マクリ ポジターノ」 人さし指上 ¥990,000、下 ¥759,000、中指 ¥781,000 <strong>Buccellati</strong> Masaya Tanaka

オーガニックコットンに鮮やかなコーンフラワー(矢車菊)を描写。花の中央には、ビーズの刺しゅうを施した。

ブラウス ¥370,000、スカート ¥410,000(ともに参考価格)、ネックバンド¥135,000、ハット ¥1,400,000、シューズ ¥320,000 <strong>Dior </strong>タイツ ¥4,620 <strong>Swedish Stockings </strong>グローブ ¥9,900 <strong>Jantiques</strong> MASAYA TANAKA

クラシックなフローラルタペストリーに着想を得たという叙情的な花々。「ディオール シークレット ガーデン」と名づけられた繊細なフラワーモチーフ。そのネーミングがほのめかすように、自分だけの秘密の花園に包まれて。

イヤリング ¥139,700 <strong>Chloé </strong>スイムスーツ ¥25,300 <strong>Opérasport</strong> Masaya Tanaka

耳元で咲く、乳白色の大きな花はひとつひとつラッカー加工されたもの。2層になった花弁がアートピースのよう。

ニット ¥96,800、スカート ¥333,300 <strong>Max Mara</strong> ハット ¥79,200 <strong>Entwurfein</strong> シューズ ¥234,300(参考価格) <strong>Alaïa</strong> ボディピアス モデル私物 Masaya Tanaka

軽やかなシルクオーガンジーを花びらのように重ねたスカート。実はそのファブリックの上にも、淡い花柄がひっそりと隠れている。

ブルゾン ¥588,500、スカート ¥456,500(ともに予定価格) <strong>Fendi</strong> スイムトップ ¥15,950、スイムショーツ ¥13,090 <strong>Baserange</strong> スニーカー ¥165,000(予定価格) <strong>Miu Miu</strong> Masaya Tanaka

ロマンティックなモチーフをあえて快活に、スポーティに仕上げて。ストリート感あふれるスタイルに、ポップな大輪がリズミカルに咲き誇る。

ボディスーツ ¥660,000(参考価格)、ネックレス ¥561,000、シューズ ¥316,800 <strong>Givenchy by Sarah Burton</strong> タイツ ¥7,150 <strong>Swedish Stockings</strong> Masaya Tanaka

ミュールのアッパー部分に縫い付けたのは、大きなローズペタル。センシュアルなムードが、女性たちに自信と強さを与えてくれる。

左:エプロン ¥737,000、トップ¥693,000(ともに予定価格) <strong>Miu Miu</strong> ショーツ ¥94,600(参考価格) Tod’sシューズ ¥248,600 <strong>Roger Vivier</strong> 右:トップ レース¥418,000、レザー ¥363,000、スカート ¥682,000、ブラトップ ¥74,800、パンツ ¥69,300(すべて予定価格) <strong>Miu Miu</strong> シューズ ¥248,600 <strong>Roger Vivier</strong> Masaya Tanaka

繊細な花のレースを敷き詰めた世にもイノセントなエプロン。ストイックなハーフジップトップにあえてミックス&マッチしたら、そのチャーミングな違和感と裏切りがスタイルを完成させてくれる。

ドレス ¥682,000(予定価格) <strong>Celine</strong> ピアス ¥355,300 <strong>Repossi</strong> Masaya Tanaka

1960年代風のレトロシックなミニドレスに、鮮やかなデイジーが花開く。マルチカラーがどこまでもポジティブに、ハッピーなムードを高めてくれる。

ジャケット ¥643,500、パンツ ¥378,400(ともに参考価格)、シューズ ¥266,200、ソックス 参考商品 <strong>Louis Vuitton </strong>ベルト ¥79,200 <strong>Déhanche </strong>ネックレス ¥896,500 <strong>Kiuna</strong> Masaya Tanaka

「暮らしの美学」に着想した今シーズン。インテリアや家具にも用いられそうなノスタルジックな花柄を、意表をつくメンズライクなシャツジャケットにのせて。

ドレス ¥3,630,000 <strong>Valentino</strong> ヘッドドレス ¥20,900 <strong>Jantiques</strong> Masaya Tanaka

贅沢なエンブロイダリーでつづる、アールヌーボー調の花模様。自然界に存在する有機的な美、そして流れるような曲線にうっとり。

左:ドレス ¥3,440,900 <strong>Rabanne</strong> スイムブラトップ(ショーツとセット) ¥71,000 <strong>Courrèges </strong>イヤリング ¥50,600 <strong>Bar Jewellery </strong>ボディピアス モデル私物 右:ドレス ¥3,440,900 <strong>Rabanne </strong>ブラトップ ¥63,800 <strong>Sportmax</strong> Masaya Tanaka

レザーで作った、クラフト感あふれる花のコサージュ。ハードでありながら優美。ロマンティックでありながらロック。その二面性を一枚のドレスに託して。

ハイブランドの「フラワーモチーフ」アイテム図鑑

秘密の庭で咲くモダンなロココ

Getty Images

レトロムードな花が誘うノスタルジックな記憶

Getty Images

クラフトマンシップが宿るアーティスティックな花

Getty Images

懐かしさを感じる夏の思い出に心を馳せて

Getty Images

コラム:なぜ人は花を必要とするのか

By Yasutaka Ochi

Fine Art / Getty Images

なぜ人は花を必要とするのか──なぜなら、人には想像力があり、無意識的に物語を作るから。花、スカーフ、恋人、シャンパーニュ、バッハ。こんなふうに脈絡のない単語の羅列を読んだだけでも情景を思い浮かべられるから。花が喜びだけではなく、深い悲しみにも寄り添えると知っているから。花と自分を重ねることができるから。「開花する」と聞いただけでも、未来に対する明るい予感をいだけるから。

暖かい日と寒い日がくるくる入れ替わるこの時期に、ぴったりな洋服が何なのか、いつもわからない。花屋には春の花が揃っていて、ひとが通り過ぎるたびに、カウンターからそれぞれの香りを投げかけてくる。何年働いていても飽きない魅力。窓から差す陽光はブラインドに切られて線になり、モルタルのフロアに模様をつくっている。

二人組のお客様がいらっしゃった。ひとりの女性が、もうひとりの女性へ「お誕生日だし、一輪プレゼントするよ」と言った。言われたかたは、最初は申し訳なさそうに断ろうとしたけれど、まもなく口元にわずかな喜びを携えて「そしたら、選んでもらおうかな」と言った。僕は「気を使いあってるけど大切な関係、という感じなのかな」と思いながら選ぶのを手伝った。

どの花にするか真剣に選ぶお客様。指定されたいくつかの花材を取り出し、比べてもらう。お客様は少し悩んでから「これかな、これって感じ!」と何か直感したみたいに快活に言った。それから、お選びいただいた一輪を包んで渡すと、すぐにお誕生日のお客様へ手渡された。「はい、おめでとう!」

けれど、受け取ったお客様は黙り込んでしまった。随分長い時間だった気がする。どうしたのだろう、と様子を伺っていると、まもなく「お花もらったの、はじめて。こんなに、きれい……」とつぶやいた。そして涙が。──長く花の仕事をしているけれど、はじめての出来事だった。一輪の花が“ただ花である”ということを超えて、おふたりにとって象徴的な存在となっていた。素晴らしい物語を見せていただいたような高揚があった。 それから、贈られたお客様は、転居して「遠くに住んでいるから会うのが久しぶりなの」と言った。誕生日を覚えていてくれたのも嬉しい、と言った。

僕は、いつも以上に丁寧にお礼を伝え、見送った。

あとになって考えた。花が物として以上に人の心に何かを投げかけるチカラがあるということを。きっとあの時、お誕生日のお客様にとっては周囲の音もかき消え、震えるほどの歓喜が訪れたに違いない。花を贈られるということが、ためらいを超え、自身を大切にして良いのだという赦しをもたらしたに違いない。あるいはこんな想像をした。花は象徴にもなるし、物語そのものを生み出すことができる。もちろん誰かに贈られなくても、自分で選ぶことだってできる。花を通して自分を愛することができる。花と自分を重ねることができる。差し込む光は位置を変え、いま花を照らしている。あるいは自分自身を照らしている。

越智康貴: フローリスト、作家。1989年生まれ。2016年、表参道ヒルズにフラワーショップ、ディリジェンスパーラーをオープン。2026年、『文學界』(文藝春秋)3月号にて小説「出現」で作家デビュー。

From Harper's BAZAAR June 2026 Issue

 

(「フラワーモチーフ」が咲き誇る最旬スタイル11選)Photographs: MASAYA TANAKA at TRON Styling: YOKO KAGEYAMA at EIGHT PEACE Hair: YUSUKE MORIOKA at EIGHT PEACE Makeup: ASAMI TAGUCHI at HOME AGENCY Models: MICHELLE LAFF at DONNA, AREK JOHN at BRAVO MODELS Editor: KAE HAYASHI (ハイブランドの「フラワーモチーフ」アイテム図鑑)Photographs: GETTY IMAGES. CUTOUTS: HITOSHI FUJIMAKI AT FLAME, COURTESY OF BRANDS Styling: MOMOKO SASAKI Editor: SAKI TANAKA

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