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「昨日は100円安かっただろうが!」レジで文句を言う客。だが、店長が突きつけた現実に黙り込んだ

  • 2026.8.1
「昨日は100円安かっただろうが!」レジで文句を言う客。だが、店長が突きつけた現実に黙り込んだ

レジの先頭で上がった声

夕方のスーパーは、いつもの混み具合でした。

かごを提げて、レジの列に並んでいたときです。

前の会計が済んだところで、急に声が上がりました。

「昨日は100円安かっただろうが!」

先頭に立っていた年配の男性が、惣菜のパックをレジ台に置いたまま言っています。

会計はもう終わったあとのようでした。

応対しているのは、若い女性の店員です。

「申し訳ございません。こちらの商品は、本日は通常価格になっております」

「そんなの知らないよ。昨日と同じ棚から取ったんだ」

店員はレジの脇のチラシを開いて、指でなぞりながら説明していました。

「本日のチラシですと、こちらのお値段でして」

「だから昨日は安かったって言ってるんだ。あんたじゃ話にならない」

店員は同じ説明を繰り返し、頭を下げ続けます。

後ろに並んだ人は、誰も動けません。カートを押すお母さんの隣で、小さい子まで静かになりました。

台に並べられた2枚の紙

やがて奥から店長が歩いてきました。

急ぐ様子はなく、手には紙を持っています。

「お待たせいたしました。店長でございます」

「昨日は100円安かったんだよ。それを、この人が」

「かしこまりました。確認させていただきますね」

店長は袋詰め台の端に、持ってきた紙を2枚、並べて置きました。

「昨日までの特売でございました。こちらが昨日のチラシ、こちらが本日のものです」

責める調子はありませんでした。

棚の場所を案内するのと、同じ声です。

男性は身をかがめて、2枚の日付を順に見ました。

左の紙には昨日の日付と、赤い枠の特売の値段。

右には今日の日付と、100円上がった値段が並んでいます。

「……いや、だが」

そこから、言葉が続きませんでした。

一度顔を上げて、もう一度日付に目を落とします。

口を開きかけて、そのまま閉じました。

台についていた手が、ゆっくり下ろされます。

「本日はお安くできず、申し訳ございません」

店長は勝ち誇りません。最後に頭を下げたのも、こちらのほうです。

男性は黙って残りの会計を済ませ、袋を持ち上げました。

誰とも目を合わせずに出口へ歩いていきます。あれだけ響いた声は、最後まで戻りませんでした。

自動ドアが閉まると、列の空気がゆるみました。

店長はレジの店員へ向き直って、短く言いました。

「ありがとう、よく説明してくれたね」

店員が、そこで初めて息をついたのが見えました。

後ろのほうでは、黙っていた子が「ママ、これ買う?」とまた話し始めています。

私の番が来たとき、その店員はいつもの声で迎えてくれました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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