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「子どもが熱で、今日も休みます」6回連続で当日欠席したママ友の本音。だが、たまたま聞いた幹事の決断とは

  • 2026.7.29

掲示板の前に立っていた人

その日、幹事は園の掲示板にプリントを貼っていた。

数歩離れた廊下で、私は同じ役員のママと立ち話をしていた。

話題は、その週に控えていたランチ会のことだった。

「いつも来られなくなって残念だね」

私がそう言うと、彼女は肩をすくめて笑った。

「本当は最初から行くつもりがないの」

「でも欠席って先に言うと、ノリ悪いって思われそうじゃん」

幹事は振り向かなかった。

プリントの角を押さえたまま、聞こえていないふりをしていたのだと思う。

幼稚園のPTAでは、親睦のために年に何度かランチ会を開いていた。

近くのファミリーレストランの個室を、人数を伝えて予約する。

その人数を店に伝えるのが幹事の役目だった。

彼女はいつも出席に丸をつけた。そして当日の朝、決まって連絡が入る。

「子どもが熱で、今日も休みます」

子どもは熱を出す。そこを責める人は誰もいない。ただ、同じ連絡が5回続き、この日で6回目になっていた。

開店前の店に電話をかけて人数の変更を頼むのは、いつも幹事だった。

誰の名前も出さない説明

翌週、次の会の案内が全員に回った。

日付、会場、集合時間。そのあとに、これまでなかった一行が続いていた。

「今回から予約は前日で確定、当日のキャンセルは実費でお願いします」

役員会でその紙を配りながら、幹事は普段どおりの声で説明した。

「お店に人数をお伝えする都合です」

「体調を崩されるのは、どのお宅にもあることですから」

名指しはひとつもなかった。

それなのに、部屋の中で一人だけ、紙から目を上げられない人がいた。

彼女の指が紙の端を折っては伸ばしている。

何か言いかけて、飲み込む。

もう一度言いかけて、今度は声にならなかった。

顔を上げた彼女と、幹事の目が合う。

先に目を伏せたのは彼女のほうだった。

次の出欠の紙が回ってきたとき、彼女は前の日までに欠席へ丸をつけて返した。

当日の朝に電話が鳴ることは、それきりなくなった。

「今回もパスさせてもらうね」

「はい、助かります。前の日に人数が決まりますので」

幹事は前日に人数を確定させ、当日は普通に会場へ入っていくようになった。開店前の店に頭を下げる朝は、もうない。

会は来たい人だけが集まる場になった。誰が欠けたという話も、席で出なくなった。

廊下ですれ違うと、彼女のほうが先に幹事へ頭を下げる。あの日、掲示板の前で背中を向けていた人に。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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