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「配達員を探しています」表示が30分続いた末に届いた通知…20階タワマン暮らしで知った“想定外の現実”

  • 2026.8.13
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

最近では、フードデリバリーやネットスーパーを利用する方も増え、「家から一歩も出ずに食事や買い物ができる」という便利さを実感している方も多いのではないでしょうか。

一方で、マンションなどでは建物の構造や管理ルールによって、配達に通常より時間がかかったり、エントランスでの受け渡しが必要になったりするケースもあります。特にタワーマンションでは、オートロックや受付、エレベーター待ちなどが重なり、配達がスムーズに進まないことも少なくありません。

今日は、高層階のタワーマンションに住むご夫婦が、便利なはずのフードデリバリーで思いもよらない苦労を経験したお話をご紹介します。

憧れの高層階タワマンで始まった新生活

市街地にあるタワーマンションを数年前に購入された30代後半のAさんご夫婦。仕事が忙しい共働きで、「通勤しやすく、セキュリティがしっかりした物件に住みたい」と、20階の部屋を選びました。

仕事で帰宅が午後9時や10時になる日も多く、夕食はフードデリバリーを利用するのがご夫婦の定番でした。アプリで注文すれば温かい料理が自宅まで届くため、便利な暮らしを満喫。

ところが、住み始めて数週間が過ぎた頃から、その便利だったはずのサービスが、思いもよらないストレスへと変わっていったのです。

「配達員が見つかりません」の表示が何度も続く

ある日の夜、午後9時過ぎ。残業を終えて帰宅したAさんは、いつものようにスマートフォンから夕食を注文しました。

「今日は料理をする元気もないし、いつものお店にしよう」

注文を済ませると、配達状況を確認しながら到着を待ちます。ところが、アプリにはいつまで経っても「配達員を探しています」という表示が続いたままでした。しばらくすると、ようやく配達員が決まります。

「やっと届けてもらえる」

そう安心したのも束の間、数分後には担当の配達員が別の人へ切り替わり、その後も同じことが何度も繰り返されました。

画面を見つめながら待ち続けた約30分後。スマートフォンへ届いたのは「ご注文はキャンセルされました」という無情な通知でした。その日は、「雨で注文が多かったのかもしれない」と深く考えず、近くのコンビニで夕食を買って済ませたそうです。

しかし、それは一度きりではありませんでした。翌週も、さらにその翌週も、別のお店を選んでも「配達員を探しています」という表示が長時間続き、ようやくマッチングしてもキャンセルになることが何度も起こります。

一方で、近所に住む友人は問題なく商品が届いていると聞き、Aさんはますます原因が分からなくなったそうです。

原因は高層階ならではの配達事情だった

「どうして自分の家だけ届きにくいのだろう」

不思議に思ったAさんは、管理会社へ問い合わせるとともに、フードデリバリーサービスの案内も調べてみました。そこで初めて知ったのが、タワーマンション特有の配達事情です。

配達員は建物へ到着しても、すぐに商品を届けられるわけではありません。オートロックの解錠を待ち、受付やコンシェルジュで手続きを行い、混雑するエレベーターを待って高層階まで移動する必要があります。こうした工程が重なることで、一般的なマンションより1件あたりの配達時間が長くなる場合があるそうです。

また、マンションによっては防犯上の理由から、配達員が住戸前まで立ち入れず、エントランスで受け渡しを行うルールになっているケースもあります。

さらに、フードデリバリーは1件ごとの報酬体系で運営されるサービスも多く、建物の構造や配達に要する時間によっては、配達効率に影響することもあると知りました。その後、Aさんのマンションでも、配達の遅れを避けるためか、

「申し訳ありませんが、エントランスまで受け取りに来ていただけますか」

という連絡が入ることが増えたそうです。仕事から帰宅したばかりでようやく一息ついたところ、再びエレベーターに乗って1階まで受け取りに向かう生活が続きました。

さらに、夕方や休日など配達が集中する時間帯には、宅配便やネットスーパーでも通常より配送が遅れることも。眺望や設備には満足していた一方で、日々の生活では想像していなかった不便さもあることを知り、Aさんは高層階ならではの利便性と不便さの両方を実感したそうです。

タワーマンションは日常生活まで確認することが大切

タワーマンションには、高い防犯性や充実した共用施設、高層階ならではの眺望など、多くの魅力があります。一方で、オートロックや受付、エレベーター待ちなどにより、フードデリバリーや宅配便、ネットスーパーの配送に通常より時間がかかる場合があります。

実際に国土交通省でも、タワーマンションを含む集合住宅では、宅配便の取扱個数の増加やドライバー不足、再配達の負担などを背景に、ラストマイル配送(荷物を利用者へ届ける最後の区間)の効率化が課題として議論されています。

住まい選びでは、眺望や共用施設、資産価値に目が向きがちですが、毎日暮らすうえでの使い勝手も同じくらい重要です。

例えば、次のような点を事前に確認しておくと、入居後のギャップを減らしやすくなります。

  • フードデリバリーは住戸前まで配達されるのか
  • 宅配便やネットスーパーの受け取り方法はどうなっているのか
  • エントランスでの受け渡しなど管理ルールはあるのか
  • 混雑する時間帯のエレベーターの待ち時間はどの程度か

高層階からの眺望は毎日見るものですが、荷物や食事の受け取りも毎日のことです。だからこそ、華やかな魅力だけでなく、日常の使い勝手にも目を向けておくことが、満足できる住まい選びにつながるのではないでしょうか。

参考:ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会取りまとめ(国土交通省)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。

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